不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/07

    結論からいうと、融資特約を外した状態で契約することには、やはり相応のリスクがあります。
    担当者の「事前審査が通っていれば本審査もほとんど通る」という説明自体は、
    一般論としては理解できます。ただ、「ほとんど通る」と「絶対に通る」は全く違います。

    事前審査は、あくまでその時点の資料・申告内容などを前提にした審査です。
    本審査では、より詳しい確認が行われますので、事前審査承認後でも否決されることはあります。

    例えば、勤務状況や収入、借入状況、信用情報などに新たな問題が見つかった場合のほか、
    物件そのものについて金融機関が担保評価などの面から融資を難しいと
    判断するケースもあります。

    そして今回重要なのは、融資特約を外していることです。

    通常、売買契約に融資特約が付いていて、
    その特約の条件を満たしてローンが否決されたのであれば、
    契約を解除して手付金が返還されるという仕組みがあります。

    ところが、買主自身が融資特約を付けない契約を選択している場合、
    本審査に落ちたからといって、それだけで無条件に手付金が返ってくるわけではありません。

    契約を解除することになれば、手付放棄による解除や、場合によっては契約違反の問題になる可能性があります。
    したがって、「100万円は絶対に戻らない」とまでは契約書を見ないと言えませんが、
    少なくとも『ローンが通らなかったら100万円は返ってくるだろう』
    と考えて契約するのは危険です。

    今回のケースなら、私ならかなり慎重になります。

    事前審査が通っているので、もちろん本審査も通る可能性の方が高いでしょう。
    ただ、100万円を失う可能性を負ってまで、今この段階で契約する必要があるのかという話です。

    売主側が融資特約なしを条件にしている以上、それを受けるかどうかも交渉です。

    「事前審査は承認されていますが、本審査否決のリスクを買主側だけで負うのは難しいので、
    融資特約を付けられないのであれば今回は契約を見送ります」
    という判断も、決しておかしくありません。

    むしろ私が買主の立場なら、
    気に入った物件だからという理由だけで融資特約を外してまで契約には進まないと思います。

    売主からすれば、以前の買主がローン否決で解除になったので、
    また同じことを避けたいという事情は理解できます。
    ただ、それを理由に買主へリスクを丸ごと移すことまで、
    買主が受け入れなければならないわけではありません。

    不動産購入は「買えるか」だけではなく、
    その条件で買って大丈夫なのかまで考えることが大切です。

    今回なら、
    まず担当者に「融資特約なしの場合、本審査否決時に契約上どうなるのか」
    を契約書の条項を示してもらい、金融機関にも本審査の状況をできるだけ確認してもらう。
    そのうえで、それでもリスクを負うのかを決めるのが良いと思います。

    私なら、100万円を失う可能性を受け入れられないのであれば、契約しないです。
    「たぶん通るから大丈夫」で100万円のリスクを背負う必要はないと思います。

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