不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/27

    手付金については、5,200万円に対して520万円、つまり1割を求められたからといって、
    「この売主さんから買わない方がいい」とまでは考えなくていいと思います。

    手付金は法律上「必ず1割」と決まっているものではなく、
    売主・買主双方で合意して決めるものです。
    実務上は5~10%程度で設定されることが多く、私自身も物件や売主の事情、
    契約条件などを見ながら決めますが、5%前後にすることが多いです。
    10%で契約することも普通にあります。

    今回であれば、5,200万円ですから、
    5%なら260万円
    10%なら520万円
    ということになります。

    ですので、「200万円では絶対に少なすぎる」という話でもありません。
    ただ、売主さんが10%を希望しているのであれば、最終的には交渉です。

    一方で、相談者さんが気にされている
    「手付金を多く払うと、引越しや家具家電のお金が足りなくなるのでは」という点は、
    少し考え方を整理しておいた方がいいと思います。

    手付金は、契約時に一旦支払うだけで、決済時には売買代金の一部として充当されます。

    例えば5,200万円の物件で520万円を手付金として支払った場合、
    決済時に残りの4,680万円を支払うことになります。

    つまり、520万円が売買代金とは別に消えてしまうわけではありません。

    ですから、手付金を多く入れたこと自体が、
    引渡し後の引越し費用や家具家電購入費を直接圧迫するわけではありません。

    もちろん、契約時点ではその520万円を先に用意する必要があります。ここは重要です。

    そして実際の資金計画では、手付金としていくら払うかも含めて、
    住宅ローンの借入額や自己資金を決めます。

    例えば、自己資金をすべて手付金に回してしまい、
    決済時に現金がほとんど残っていないという計画なら、それは問題があります。

    私なら、
    「手付金をいくらにするか」
    「決済時に自己資金をいくら入れるか」
    「住宅ローンをいくら借りるか」
    「諸費用はいくらか」
    「引越し・家具家電など、購入後にいくら残しておくか」
    を全部まとめて考えます。

    その結果、520万円を手付金に入れても、
    決済後に必要な現金がきちんと残るのであれば、10%でも何も問題ありません。

    逆に、520万円を手付金にすると購入後の生活資金が心配になるのであれば、
    5%程度に下げてもらえないか交渉する意味は十分あります。

    また、手付金が少ないから「本気度が低い」と単純に判断するものでもありません。
    売主側からすれば、手付金がある程度入っている方が契約解除などに対する安心感がある、
    という面はありますが、最終的には買主の資金計画や契約条件全体で判断する話です。

    私なら今回、まずは「200万円しか出せません」とだけ伝えるのではなく、
    「引越しまでに必要なお金がないと困ることも考えられるので、
    手付金は5%程度の260万円でお願いできないでしょうか」と交渉してみます。

    それで売主さんが「10%でなければ売らない」ということであれば、
    その条件を受け入れて資金計画を組めるかを考える。

    手付金の額だけで、この物件を買う・買わないを決める必要はありません。

    むしろ大事なのは、手付金を含めた購入時の資金と、
    購入後に手元へ残すお金の両方をきちんと考えておくことだと思います。

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