不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/23

    「5万円の保険だから入る・入らない」というより、
    何に対する保険なのかを理解したうえで、
    自分の購入目的に必要かどうかで判断するのがいいと思います。

    既存住宅売買瑕疵保険は、
    既存住宅の検査と、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分などについて、
    一定の瑕疵が見つかった場合の補修費用等を補償する仕組みです。
    したがって、単純に「築22年だから入っておけば安心」というものでもありません。
    保険の対象や補償範囲、保険期間、免責などは契約内容を確認する必要があります。

    また、住宅ローン控除についても少し整理しておいた方がいいです。
    既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書が、
    一定の中古住宅について
    耐震基準を満たすことを証する書類の一つとして使われる場合はありますが、
    「築22年なら住宅ローン控除のために瑕疵保険への加入が必要」という単純な話ではありません。
    現在の制度では、
    昭和57年1月1日以後に建築された住宅は中古住宅の耐震要件を満たす基本的な区分に入ります。
    したがって、まず建築年月日や住宅ローン控除のその他の要件を確認するべきです。

    今回の物件について私なら、まず仲介会社に、
    「この保険に加入すると、具体的に何が補償されますか?」
    「保険に加入しない場合と比べて、今回の物件では何が違いますか?」
    「住宅ローン控除のために本当に必要なものですか?」
    「保険料5万円以外に、検査費用など別途必要な費用はありませんか?」
    と確認します。

    そのうえで判断します。

    築22年という年数だけを見れば、雨漏りやシロアリ、
    構造部分などへの不安を感じるのは当然です。
    ただ、築年数だけで建物の良し悪しは決まりません。

    きちんと維持管理されていて、雨漏りの履歴もなく、
    建物の状態を確認したうえで購入するのであれば、
    私は「保険に入らなければ危険」とまでは考えません。

    保険はあくまで保険です。

    どこまでお金を払って安心を買うかは、それぞれの家庭の考え方だと思います。
    私個人なら、22年築でも建物を見て「しっかりしている」と判断でき、
    今後も長く住むつもりではあるものの、
    将来的には建て替えや住み替えも選択肢として考えるのであれば、
    保険料5万円を払ってまで加入するかというと、私は加入しない可能性が高いです。

    特に「この家に35年、何があっても住み続ける」という前提なのか、
    「10年、15年後には住み替えるかもしれない」という前提なのかでも、考え方は変わります。

    例えば将来売却することになれば、
    そのときは建物そのものよりも土地としての評価が重視されるケースもあります。
    そう考えると、現在の5万円を「絶対に必要な費用」と考える必要はありません。

    ただし、これは「保険に入らない方がいい」という意味ではありません。

    築22年で、建物の状態に不安がある、調査を受けて一定の検査を通ったという安心感が欲しい、
    万一の補修費用を自分だけで負担することに不安がある、という方なら、
    5万円程度でその安心を買えるのであれば加入する意味は十分あります。

    むしろ今回気になるのは、仲介担当者が「保険に入った方がいい」と勧めるだけで、
    その理由をきちんと説明してくれていないことです。

    加入するかどうかを決める前に、
    「この物件の場合、保険加入によって具体的にどんなメリットがありますか?」
    と聞いてみてください。

    その回答を聞いて、5万円を払ってでも安心を買いたいと思えば加入すればいいですし、
    「それなら建物の状態を確認したうえで、保険には入らなくてもいい」と思えば、
    それでもいいと思います。

    保険に入ること自体を目的にするのではなく、
    この家を何年くらい、どのように使うつもりなのか。
    そこから逆算して決めるのが一番だと思います。

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/08/24

    ご相談を拝見しました。

    既存住宅瑕疵保険は、中古住宅の検査と保証がセットになった保険で、住宅専門の保険会社(住宅瑕疵担保責任保険法人)が保険の引受人となります。

    原則として保険に加入するためには、住宅の基本的な性能について、専門の建築士による検査が必要となります。これにより、中古住宅を購入しようとお考えの方にとっては安心が確認された住宅の取得が可能になるため、個人的には加入しておいた方が良い保険だと思っています。

    ただし、保険の対象は既存住宅に瑕疵があった場合の補修費用ですから、通常は売主が加入する保険です。相談内容を見る限り、購入に際して加入するように進められているようですが、ひょっとして売主が不動産業者であり、その会社が独自に提供している「瑕疵保険」への加入を勧められているのではないでしょうか?

    そうであれば、先述した既存住宅瑕疵保険とは似て非なるものです。後者はその会社が自社基準で設備や建物を補修・交換する企業サービスに過ぎません。さらに、保証企業が倒産した際には契約自体が消滅してしまいます。

    会社が倒産した場合において直接保険会社へ請求することができる「既存住宅瑕疵保険」とは、まったく意味合いが異なるのです。

    ちなみに、既存住宅瑕疵保険と住宅ローン控除には、一部の例外を除けば(耐震性についての調査など)直接的な因果関係はありません。

    情報が不足しているため断言はできませんが、いずれにしても保険の内容や保証内容を再度確認された方が良いと思われます。

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