不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/31

    お母様がその場で値下げを承諾してしまうのではないかと心配されるお気持ちはよく分かります。

    ただ、私ならこの点については、まず担当している不動産会社にきちんと任せます。

    内覧に来た方から「今すぐ返事をもらえるなら100万円下げてほしい」と言われること自体は、
    売買の現場では特別珍しいことではありません。

    ただ、本来は内覧の場で価格を決める必要はありません。

    購入希望者から値下げの話が出たとしても、
    「売主様に確認して改めて回答します」と担当者が受ければいい話です。

    むしろ、そこを担当者がうまく整理できず、お母様にその場で判断を求めてしまうのであれば、
    その方が問題だと思います。

    お母様が売主本人であったとしても、
    内覧者から「今ここで100万円下げてもらえますか」と言われて、
    その場で何となく「いいですよ」と答えるような進め方をする必要はありません。

    実際に価格を変更するのであれば、売主として正式に意思を確認した上で進めることになります。

    ですから、息子さんから担当者には、
    「母はその場で交渉されると断りきれず、承諾してしまう可能性があるので、
    価格については内覧時に母に判断させず、すべて一度私にも確認してください」
    と伝えておくのが一番いいと思います。

    可能であれば、
    「値下げの話が出ても、その場では回答しない」
    というルールを担当者と決めておけばいいでしょう。

    これはお母様を信用していないという話ではありません。

    80代のお母様が一人で対応されていて、
    目の前で「今決めてもらえれば100万円下げてください」と言われれば、
    断るよりも相手の希望に合わせてしまう方が楽だと感じることはあると思います。

    だからこそ、そこを家族と担当者で先に仕組みとして防いでおくわけです。

    また、「これ以上の値下げはできません」と最初から担当者に伝えておくことについては、
    それも一つの方法ですが、私は少し違う考え方をします。

    売却価格は、購入希望者から実際に条件が出てきたときに、
    その金額で売る価値があるのかを売主側で判断すればいいからです。

    例えば「100万円下げれば今日契約できます」という話が出たとしても、
    本当に100万円下げて今日売る価値があるのか、
    それとも現在の価格で別の購入希望者を待つのかは、
    その時点の市場の状況によって判断が変わります。

    担当者には、単純に「値下げ禁止」と伝えるより、
    「価格交渉があっても、その場で母に返事をさせず、必ず私に内容を報告してください」
    と伝える方が実務的です。

    その上で、実際に100万円の値下げ交渉が入ったら、
    「いくらなら売るのか」
    「その条件なら今決めるのか」
    「もう少し待って他の購入希望者を探すのか」
    を改めて考えればいいと思います。

    そもそも、不動産の価格交渉は内覧者が言った金額で自動的に決まるものではありません。

    「100万円下げてほしい」というのは、あくまで買主側からの希望条件です。

    売主がそれを受け入れるかどうかは別の話です。

    ですから、担当者がきちんとしていて、お母様にその場で判断させず、
    交渉内容を一度持ち帰ってくれるのであれば、
    今回のことを必要以上に心配する必要はないと思います。

    むしろ今回をきっかけに、
    売却価格についてだけは
    「内覧時にその場で決めない」
    「交渉があれば担当者から報告をもらってから判断する」
    という取り決めをしておくことです。

    それだけでかなり安心できると思います。

    もし担当者が
    「お母様がいいと言ったので、その金額で進めます」といった対応をしてしまうのであれば、
    そのときは担当者との付き合い方を考えた方がいいでしょう。

    売主が高齢だから不動産会社が勝手に判断するという話ではありませんし、
    逆に売主本人だからといって、
    内覧者とのその場のやり取りだけで価格を決める必要もありません。

    売主であるお母様の意思を尊重しながら、判断する時間をきちんと作ってあげること。
    それが担当者の役割でもあると思います。

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/09/01

    ご相談を拝見しました。

    御母堂が不動産の所有者である以上、たとえ口頭であったとしても値下げ承諾は有効とみなされます。後に取り消せばトラブルの原因となる可能性があるため、十分な注意が必要です。

    不動産会社の担当者に「値引きに応じる気持ちはないので、安易に受け入れないよう配慮して欲しい」と伝えておけば一定の効果は期待できるでしょうが、買主による直接交渉を完全に防ぎきのは困難でしょう。

    そのため、不動産会社の担当者に対しては口頭ではなく、「母は押しに弱いところがあるため、内覧時の値引き交渉や申込みへの返事は、すべて一度持ち帰り、相談者様を交えて相談をしてから回答するようにしてほしい」旨を、書面やメールで明確に申し入れておくと良いでしょう。

    さらに、口頭による値引き交渉には一切応じず、買付申込書による交渉だけを受け付ける旨を担当者に念押ししておくことも大切です。

    また、御母堂に対しても、買主から価格交渉をされた場合は「価格については子どもに一任しているので、私の一断ではお答えできません」と答えるように念押ししておく必要もあります。

    このように、事前に不動産会社へ「子の確認なしの口頭承諾は無効とする運用」を明確に伝えておくことで、御母堂がその場で流されてしまうリスクをある程度まで防ぐことが可能となるでしょう。

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