不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/12/26

    佐脇孝明

    株式会社サワキタ不動産

    • 60代
    • 千葉県
    • 男性
    • 不動産会社

    マンションは大抵の場合、鉄筋コンクリート造(RC造)なので、耐用年数が47年と決められています。これは税法務上の数字でしかなく、実際に住めなくなるような期間ではありません。現在の技術では100年もつコンクリートも開発されていますので、耐用年数を10年20年超えても適切なメンテナンスさえされていれば、十分住めます。
    定期借地契約は、50年以上とされています。物件によりこの期間は長かったり短かったりしますので、一概に定期借地権付きマンションがだめだとかいいとか言えません。
    というのも、定期借地契約はその設定した期間の終了時には更地で返還する契約になりますので、せっかく建物が100年もつ技術で作られてしても、契約年数が60年であった場合には60年未満(更地にしなければなりませんので)しか住めません。
    また、その間の地代も発生します。それを考えると、果たして、とお悩みになることもわかります。
    ですが、仮に購入した場合であっても、固定資産税、都市計画税はかかってきます。この税金、国から土地を借りている地代に相当すると考えると、どうでしょうか。支払う先が違うだけです。借地権の場合、マンション購入者は建物部分だけの税負担で済みます。

    割高・割安よりももっと大きな問題を見過ごされています。
    不動産は土地部分と建物部分に分かれます。建物は時間経過で劣化しますので、価格は下落していきます。いわゆる減価償却です。一方、土地は減価しません。つまり、時間が経過すると、マンションの価値は土地値に向かい低下していくという傾向が見られます。言い方を変えると土地値以下には下がりにくいのです。これが自動車の場合、土地値のような下支えがありませんので、最終的にはゼロ、もしくは廃車費用を請求されるという状態になります。
    定借マンションはこの自動車の場合と似たような動きをします。つまり最終的には資産として残りません。建物もなく土地も返さなくてはいけませんので、ゼロになります。買取型のマンションや戸建て住宅はそのようなことはありません。ですから、定借マンションは、賃貸と買取型不動産の中間的な位置づけとなります。
    では、定借マンションが買取型のマンションと比べて有利になるのはどういう場合でしょうか。上物はほぼ同じですから違いは土地の扱いですね。しかも、定借期間が終わる何十年も先です。例えば定借期間が70年であった場合、そのマンションが建つ土地はどうなっているでしょうか。発展しているのか、さびれてしまっているのか、確定的なことは誰にも言えません。地方のさびれてしまった町のようになってしまうのでしたら、土地の資産価値はほぼなくなっているでしょうから、定借マンションの方が有利ですね。逆に東京23区内のしかも駅前であれば、そのような状況は70年先でも考えにくい、という判断であれば定借マンションではなく、買取型の普通のマンションを買われた方が有利でしょう。
    ですから、その町が今後どうなるのか、行政は町の発展をどうとらえているのか、などマンションの周辺を調べてみる必要があります。道路一本できるだけで様子はだいぶ変わります。都市計画は数十年単位の仕事ですので、時間軸も同じぐらいです。一度調べてみることをお勧めします。

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