不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/06/18

    まず結論から申し上げると、嘱託社員だから住宅ローンが絶対に組めないわけではありません。

    実際に定年後の再雇用や契約社員の方でも住宅ローンを利用しているケースはありますし、
    頭金が多く自己資金に余裕がある方は銀行からの評価も決して悪くありません。

    今回のケースで言えば、

    物件価格2,800万円
    頭金1,500万円
    借入1,300万円

    という内容ですので、借入額そのものは決して大きくありません。

    そのため「ローンが組めるかどうか」という点だけで言えば、
    金融機関によっては十分検討対象になると思います。

    ただ、私が気になるのはそこではありません。

    ご相談内容を拝見すると、「ローンが通るか」に意識が向いていますが、本当に考えるべきなのは
    「その住まいにその金額をかけるべきか」だと思います。

    62歳でお一人暮らし。お子様も独立されている。退職金は2,200万円。
    そのうち1,500万円を頭金に入れる予定。
    こういう状況であれば、住宅ローンを組めるかどうかよりも、
    老後資金をどれだけ残せるかの方がはるかに重要です。

    今後は医療費や介護費用、マンションなら管理費や修繕積立金の値上がりもあります。

    築15年のマンションであれば、これから先は修繕積立金が上がる可能性も十分あります。

    ですので、個人的には「ローンが組めるから買う」ではなく
    「その価格帯の物件が本当に今のライフプランに合っているか」
    をもう一度考えてみても良いと思います。

    もちろん購入自体を否定するつもりはありません。

    むしろ高齢になると賃貸の借り換えが難しくなるケースもありますので、
    住まいを確保するという考え方は十分理解できます。

    ただ、その目的であれば、2,800万円の物件でなければいけないのか。

    もう少し予算を抑えた選択肢はないのか。

    という視点も大切です。

    不動産の仕事をしていると、
    「ローンは組めたけれど、老後資金が思った以上に減ってしまった」という方も見ます。

    逆に、「予算を抑えたおかげで老後に余裕ができた」という方もいます。

    ですから今回のご相談に対する私の考えは、住宅ローンの審査そのものは可能性がある。

    ただし本当に検討すべきなのは審査ではなくライフプラン。
    ということです。

    仮に私がご家族なら、まずは65歳以降の年金収入。毎月の生活費。管理費・修繕積立金。
    固定資産税。医療費予備資金。これらを整理した上で、
    「それでも安心して暮らせる金額はいくらか」を先に決めます。

    その予算から物件を探した方が失敗は少ないと思います。

    住まいは大切ですが、老後は住まいだけで生活するわけではありません。

    これから先の安心を考えるなら、
    「ローンが通るか」より「買った後も無理なく暮らせるか」を
    基準に判断されることをおすすめします。

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