不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/07/19

    ご相談のケースでは、親族だからという理由だけで相場より大幅に安く売却するかどうかは、
    慎重に考えた方がよいと思います。

    まず、お世話になったお気持ちと、
    不動産という大きな財産の話は分けて考えることをおすすめします。

    今回のマンションは、お一人の財産ではなく、弟様との共有の相続財産です。
    弟様が「相場どおり売却したい」と考えているのであれば、
    そのお気持ちも尊重する必要があります。

    また、税務上も注意が必要です。

    親族間で時価より著しく低い金額で売却した場合は、
    その差額について贈与とみなされ、買主側に贈与税が課される可能性があります。
    どの程度であれば問題ないかは個別の事情によって異なるため、
    価格を決める際は慎重な判断が必要です。

    「仲介手数料がかからないから、その分安くできる」という考え方もよく耳にしますが、
    実際には少し違います。

    住宅ローンを利用して購入する場合、多くの金融機関では売買契約書や重要事項説明書など、
    適切な手続きが整っていることが前提になります。
    そのため、不動産会社に仲介を依頼して契約を進めるケースがほとんどです。

    一方、買主様が現金で購入するのであれば当事者同士で売買契約を結ぶことも可能ですが、
    契約内容や引渡し条件、設備の取り扱いなどを十分に整理しないまま進めると、
    後々のトラブルにつながることもあります。

    そのため、親族間の売買であっても、
    不動産会社や司法書士などの専門家に関わってもらいながら進める方が安心です。

    もし、叔母様にお世話になったお気持ちを形にしたいのであれば、
    「相場より少し配慮した価格にする」という考え方は一つの方法だと思います。
    ただし、その金額については弟様にも十分納得していただけることが大切です。

    相続した不動産は、ご家族への思いとお金の話が重なりやすく、
    感情だけでも数字だけでも判断しにくいものです。

    私であれば、まず現在の適正な市場価格を確認したうえで、
    「親族としてどこまで配慮するのがお互いに納得できるのか」を整理します。そのうえで、
    税務上の影響も確認しながら進めると、
    後々「こんなはずではなかった」という事態を避けやすくなります。

    このような相続不動産は、売却価格だけで判断すると、
    後から税金やご家族との関係で思わぬ問題になることもあります。
    だからこそ、価格・税務・契約内容を全体で整理しながら進めることが、
    結果的に一番安心できる方法だと思います。

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