不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/09/18

    4,800万円の査定に対して、買取保証が3,900万円ということなので、
    900万円の差を見ると「そんなに安く買い取られてしまうのでは」と不安になると思います。

    ただ、買取保証については、
    単純に「査定額より900万円安いから損」と考えない方がいいと思います。

    仲介の4,800万円というのは、あくまで一般の買主を探した場合に狙える売却価格の目安です。
    一方、3,900万円の買取は、売れなかった場合に不動産会社が直接買い取ってくれる価格です。

    この2つは、そもそも性質が違います。

    不動産会社は3,900万円で買い取った後、そのまま同じ価格で売るわけではありません。
    必要に応じてリフォームや修繕をしたり、販売するための費用をかけたりして、
    最終的にはそれらの費用と利益を見込んで再販売します。

    ですから、買取価格が仲介の査定額より低くなるのは当然です。

    むしろ「4,800万円の査定なのに3,900万円で買うなんて、900万円も抜こうとしている」
    と考えるのは少し違います。
    買い取る側にも、取得後の費用、販売までの期間、売れ残るリスク、
    資金を寝かせるコストなどがあります。

    その意味では、3,900万円という金額だけを見て「かなり安すぎる」と判断する必要はありません。

    ただし、だからといって3,900万円で買取保証を付ければいい、という話でもありません。

    今回のケースで一番重要なのは、住み替え先のマンションに申込期限があることです。

    例えば、4,800万円を目指して仲介で売り出した結果、半年かけても売れなかったとします。
    その間に住み替え先を逃してしまうのであれば、
    「4,800万円で売れる可能性がある」ということだけを見ていても仕方ありません。

    逆に、3,900万円で確実に売れることで、希望しているマンションを購入できるのであれば、
    その900万円の差には「売却の確実性」と「住み替えの機会を失わないこと」
    という意味があります。

    ですから私なら、まず買取保証の3,900万円をすぐに値上げ交渉するより、
    仲介でどのように売るのかを具体的に確認します。

    4,800万円という査定価格が本当に現在の市場で狙える価格なのか。

    同じような物件が現在いくらで売りに出されていて、
    実際にどのくらいの期間で成約しているのか。

    4,800万円でスタートするのか、4,680万円や4,580万円など、
    売却スピードを考えた価格設定にするのか。

    そして、いつまで仲介で売れなければ3,900万円の買取に切り替えるのか。

    ここを決めておいた方がいいと思います。

    買取保証の本当の価値は「高く買ってもらうこと」ではなく、
    「一定期間仲介で高く売ることを狙いながら、
    売れなかった場合には最終的に買い取ってもらえる」
    という出口を用意できることです。

    ただし、買取保証は会社によって条件が違います。

    例えば、何か月間仲介で販売するのか、どの価格からスタートするのか、
    途中で価格変更を求められるのか、最終的な買取価格は本当に3,900万円で確定なのか、
    買取時の仲介手数料やその他の費用が発生するのか、
    住み替え先の契約が決まった場合に売却のタイミングをどう調整するのか。

    このあたりは契約前に確認しておいた方がいいです。
    媒介を依頼する場合は、
    媒介契約の内容や業者が受ける業務範囲などを事前に確認しておくことが大切です。

    そして、買取価格の交渉については、
    「900万円も差があるので、もっと上げてください」という交渉だけでは、
    あまり意味がありません。

    私なら、
    「3,900万円で買い取る場合の条件は理解しています。
    その上で、住み替え先の期限もあるので、仲介で売る期間と買取に切り替える条件を含めて、
    もう少し買取価格を上げられないか検討してもらえませんか」
    と話します。

    その上で、例えば4,000万円、4,100万円といった金額が出てくるのであれば、
    それは純粋に900万円の差が縮まるという話だけではなく、
    「この条件なら住み替えを進められる」という判断材料になります。

    ただ、買取業者側も商売ですから、何でも希望額まで上げてくれるわけではありません。

    大事なのは、買取価格だけを見て交渉することではなく、
    「仲介でどこまで狙うのか」と「いつまでに売却を確定させるのか」をセットで考えることです。

    今回なら、私だったらまず4,800万円という査定額をそのまま信じるのではなく、
    現在の販売事例や競合物件を見て、現実的な仲介スタート価格を決めます。

    そして、住み替え先の申込期限から逆算して、
    例えば
    「この時期までに買主が決まらなければ買取へ切り替える」というラインを先に決めておきます。

    そうすれば、最初から3,900万円で売る必要はありません。

    仲介で4,800万円前後を狙える可能性を残しながら、
    期限が来たら3,900万円で確実に売却して住み替える、という二段構えができます。

    今回の900万円の差は、「業者に900万円取られる」と考えるより、
    「自分で買主を探して高く売る代わりに、売却までの時間と不確実性を自分で負うのか、
    それとも一定の価格を受け取って売却を確定させるのか」
    という違いとして考えた方が分かりやすいと思います。

    住み替えでは、最高値で売ることだけが正解ではありません。

    4,800万円で売れる可能性を追った結果、希望していたマンションを逃してしまうのか、
    それとも多少価格を抑えてでも確実に住み替えるのか。

    そこを数字で比較して決めるのが、一番後悔の少ない進め方だと思います。

以下の記事もよく読まれています

相談先を選択してください

個人情報保護方針に同意の上、送信ください。

相談テンプレート

住み替えを検討しています。下記物件を売りたいのですが、いくらで売れるでしょうか。
直接◯◯さんに相談したいです。

所在地:品川区〇〇
築年数:15年
間取り:3LDK
専有面積:72㎡
階数/総階数:8階/20階建
管理費・修繕積立金:25,000円/月
現在この物件に住んでいます。

無料で不動産の相談をする