不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

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    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/09/20

    相続したマンションの取得費が分からない場合、確かに税金が高くなることがあります。

    不動産を売却したときの譲渡所得は、
    基本的に売却価格から取得費と売却にかかった費用を差し引いて計算します。
    相続したマンションについては、
    お父様が購入したときの取得費をそのまま引き継ぐのが原則です。
    マンションの場合は、土地部分と建物部分を分けて考え、
    建物については減価償却をした後の金額が取得費になります。

    ところが、そのお父様が購入したときの取得費がどうしても分からない場合には、
    税法上、売却価格の5%を取得費として計算することが認められています。
    例えば4,000万円で売却した場合、
    取得費が分からなければ200万円として計算することになります。

    実際には昔2,500万円で購入したマンションだったとしても、
    取得費を確認できなければ200万円で計算することになり、結果として譲渡所得が大きくなるため、
    税負担が重くなる可能性があります。

    ただ、今回のような相続物件では、取得費が分からないからといって、
    最初から「5%で計算するしかない」と決めてしまう必要はありません。

    例えば購入当時の契約書そのものがなくても、
    購入代金を確認できる資料などから取得費を確認できる場合があります。
    どの資料まで税務上の取得費の根拠として認められるかは個別判断になりますので、
    ここは税理士に確認した方がいいところです。
    取得費には購入代金だけでなく、購入時の手数料なども含まれるとしています。

    そして、相続の場合はもう一つ確認しておきたい制度があります。

    相続したマンションを一定期間内に売却し、
    相続税を実際に納めているなどの要件を満たしていれば、
    「相続税の取得費加算の特例」が使える場合があります。
    これは、納めた相続税のうち一定額を売却するマンションの取得費に加算できる制度です。

    ですから、今回一番大事なのは、
    「取得費が分からないから税金が高くなる」と決めつけてしまうことではありません。

    実際の取得費が確認できるかどうか、5%の概算取得費を使うことになるのか、
    相続税の取得費加算が使えるのか、
    そして売却時の仲介手数料などの譲渡費用をどこまで計上できるのか。
    このあたりを全部含めて計算してみる必要があります。

    特に相続したマンションの場合、売却価格が大きければ5%との差もかなり大きくなります。
    売却を進める前に、取得費が分からない状態のまま大まかに税額を考えるのではなく、
    相続税の申告書なども含めて税理士に一度確認してもらった方がいいと思います。

    「契約書がない=必ず5%」ではありません。
    ただ、最終的に取得費を確認できなければ5%で計算することになりますので、
    そこは覚悟しておいた方がいいです。

    相続したマンションの売却は、売れる金額だけを見るのではなく、
    税金を払った後にいくら手元に残るのかまで見て売却価格を考えることが大切です。

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