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REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/09/08

    奥林洋樹

    H.L.C不動産コンサルティング

    • 50代
    • 北海道
    • 男性
    • 専門家

    ご相談拝見しました。

    ご指摘のように、日々、相場が変動している印象を受けるエリアにおいては、私たち不動産業者でも適正価格を判断にするのに戸惑いを覚えるものです。

    したがって、不動産業者が査定を行う際に用いることが多い「取引事例比較法」について説明しておきます。

    取引事例比較法は、過去に取引された近傍同種の取引事例を参考に適正価格を推定する方法です。まず参考流通事例(現在売り出されている物件)と参考成約事例(近年成約された事例)を、それぞれ10~20件程度抽出し、そこから得られた客観的な価格に、市場性、需要と供給バランス、当該物件特有の個別性評価を行うことで最終的な価格を算出します。

    文字で受ける印象ほど難しい手法ではないのですが、一般の方が難しいのは参考流通事例及び参考成約事例の情報を入手するのが困難であることです。これらの情報は、不動産業者のみが利用できるネットワーク「レインズ」から抽出されますので、一般の方が入手することはできません。

    したがって適正価格を知るには、不動産業者を利用するのが良いでしょう。その際、少なくても3~4社に査定依頼し、それぞれの査定報告書の記載内容を比較検討すれば、自ずから適正価格が見えてきます。

    時に、「弊社はこのエリアでの販売に強いので、他社より高値で売却できます」とばかりに、他社より高値で査定してくる業者もあるでしょうが、その価格は参考にしないほうが良いでしょう。

    物件には適正価格が存在しますから、複数社に依頼してもある程度の範囲内に集約されます。その範囲から極端に逸脱した価格は信憑性に疑念があります。

    複数社に最低依頼すると、営業からの電話連絡が頻繁にあり煩わしさを感じるかも知れませんが、不動産業者も仕事ですから我慢していただくしかありません。

    一般の方が適正価格を知る方法としては、これが最善であると回答させていただきます。

    以上、多少なり参考になれば幸いです。

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