不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/06/23

    ご相談内容を見る限り、私なら「築35年だからやめる」ではなく、
    「管理状況をもっと深く調べてから判断する」と考えます。

    まず、修繕積立金が長期修繕計画に対して約60%しか積み立てられていないという数字は、
    正直あまり良い材料ではありません。

    築35年という年数を考えると、今後はエレベーターや給排水管、屋上防水など、
    建物全体でお金のかかる工事が次々と出てくる時期です。

    そのタイミングで積立金が不足していると、
    積立金の大幅値上げや一時金徴収の話が出る可能性は十分考えられます。

    ただし、ここで大事なのは「60%だから危険」と単純に判断しないことです。

    なぜ60%なのか。
    今後値上げ予定があるのか。
    過去の大規模修繕は適切に実施されているのか。
    管理組合は本当に機能していないのか、それとも役員のなり手不足程度なのか。

    このあたりで評価は大きく変わります。

    個人的に少し気になるのは、
    積立金不足そのものよりも「理事会がほぼ機能していない」という話です。

    マンションは建物そのものより、管理の方が重要なことが少なくありません。

    どんなに立地が良くても、管理組合が動かず問題を先送りしているマンションは、
    将来的に住民全員が困ることになります。

    逆に築年数が古くても、管理組合がしっかりしていて積立金の見直しや修繕計画の更新を
    きちんと行っているマンションは意外と安心して住めます。

    ですから、現時点で「買ってはいけない」とまでは言えません。

    ただし、「立地が気に入ったから大丈夫だろう」で進めるのは少し危険です。

    長期修繕計画書
    総会議事録
    直近数年分の理事会議事録
    修繕履歴
    積立金改定の予定

    このあたりは仲介業者を通じてできる限り確認した方が良いと思います。

    実際のところ、マンション購入で失敗する方の多くは建物そのものではなく、
    管理状況を軽く見ています。

    フルリノベーションをするのであれば室内はきれいになります。

    しかし、外壁や給排水管やエレベーターは自分だけではどうにもなりません。

    だからこそ中古マンションは「部屋を見る」のではなく
    「管理を見る」という考え方がとても大切です。

    もし調査した結果、理事会が動いておらず、積立金不足の改善策もなく、
    誰も問題解決に動いていないのであれば、その時は見送る判断も十分ありだと思います。

    逆に問題は抱えていても改善に向けて動いている形跡があるなら、
    価格とのバランスで検討する価値はあります。

    この手の物件は、築35年という数字だけで判断するのではなく、
    「このマンションはこれからも維持されていくのか」を見極めることが一番大事だと思います。

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