不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/08/15

    同性パートナーとの4,200万円の中古マンション購入では、法的な後ろ盾がないため「資金計画」と「万一への備え」を完全に一致させることが最重要かと思います。

    ◆ 頭金と所有持分の決定(贈与税対策)
    物件の「所有持分」は、各自が実際に出した金額(頭金やローン)の割合に完全に比例させて設定することが重要です。 
    なお これがズレると贈与税の対象になりますので注意が必要です。
    あなたが返済の一部を手渡し等で援助する場合も、適切な契約(貸付など)としての整理が必要です。


    ◆ 万一(死亡・別離)への備え(居住権の確保)
    日本の法律では残念ですが、同性パートナーに法定相続権がありません。
    仮にパートナーが亡くなった場合には、団信(生命保険)でローン自体は消えますが、パートナーの持分はすべて「相手の親族」に相続され、立ち退きを求められるリスクがありますので注意が必要です。
    そのため、住む場所を失わないためにも、以下の対策をセットで行うことをおすすめします。。

    ★公正証書遺言の作成
    「自身の持分をパートナーに遺贈する」旨の遺言を必ず公正証書で残します。
    ただし親族には最低限の相続権(遺留分)があるため、請求された際の弁済資金(生命保険等)についても考慮が必要です。

    ★パートナーシップ契約(公正証書の作成)
    病気時の医療同意や、万が一関係を解消する際の財産分与ルールを定めておきます。


    ◆ 契約まで1ヶ月の行動
    時間があなりないタイトな状況のため、今すぐ同性カップルの支援実績が豊富な、司法書士・行政書士に相談し、公証役場との調整を始めてみましょう。
    ご両親へは、相続時のトラブルを防ぐためにも、購入や関係についてこの機に伝えておくのが理想的ではないでしょうか。

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/15

    このケースは、契約まで1か月あるのであれば、
    私はかなり早めに整理しておいた方がいいと思います。

    「公正証書を作っておけば大丈夫」という話ではありません。
    むしろ今回の場合、誰がいくら出して、誰が何%を所有し、住宅ローンを誰が負担し、
    どちらかに万一のことがあった場合に誰がその持分を取得するのかまで、
    契約前に整理しておくことが重要です。

    まず、仲介会社から提案されている「パートナーが単独で住宅ローンを組み、
    二人で共有名義にする」という形自体は、直ちにおかしいとは言えません。
    ただし、ここは金融機関によって取扱いが違います。

    特に確認したいのは、住宅ローンを借りる人と所有権を持つ人の関係です。
    金融機関によっては、非債務者の共有持分を認める条件が設けられている場合がありますので、
    仲介会社の説明だけで進めず、利用する金融機関に
    「パートナー単独借入、パートナーとの共有名義が可能なのか」を確認しておくべきです。

    そして、今回一番大事なのは、むしろ「亡くなった後」の話だと思います。

    法律上の婚姻関係にないパートナーは、原則として当然に相続人になるわけではありません。

    例えばパートナーが単独で住宅ローンを借り、
    その方が所有する持分を持ったまま亡くなった場合、
    その持分が自動的に残されたパートナーに移るわけではありません。

    法定相続人がいれば、その人たちが相続することになります。

    つまり、最悪の場合、
    「自分が半分を所有して住んでいるマンションなのに、パートナーの亡くなった後、その持分を相続した親族と共有する」という状態も考えられます。

    これは、住む場所を失う可能性を考えるうえで非常に重要なところです。

    だからこそ、今回公正証書を考えているのであれば、
    単なる「二人で仲良く暮らします」という確認書ではなく、
    遺言をきちんと検討した方がいいと思います。

    法務省も、公正証書遺言について、遺言者が亡くなった後の財産の帰属を明確にし、
    相続を巡る紛争を防ぐための有効な方法と説明しています。

    例えば、パートナーが所有する持分をあなたに遺贈する内容の遺言を検討することになります。

    ただし、ここも「遺言を書けば100%安心」とまでは言えません。

    相続人との関係や遺留分の問題など、別途確認すべきことがあります。
    ですから、この部分は不動産会社ではなく、
    公証人や弁護士、司法書士などに具体的な財産関係を見てもらって作るのがいいでしょう。

    もう一つ、かなり重要なのが「お金の関係」です。

    例えば4,200万円のマンションについて、パートナーが住宅ローンをほぼ全額負担しているのに、
    あなたが大きな持分を持つような形にすると、
    資金負担と持分の割合によっては贈与税の問題が出る可能性があります。

    逆に、あなたが購入資金を負担しているのに、
    その分の持分が登記されていないというのも問題になります。

    ですから、「パートナーがいくら出す」「自分はいくら出す」「住宅ローンは誰がいくら返す」
    「登記上の持分を何対何にする」ここは最初に数字を合わせておいた方がいいです。

    さらに、私は二人が別れる場合も考えておくことをおすすめします。

    これは縁起でもない話ではなく、4,200万円の不動産を共有で購入する以上、
    普通に考えておくべきことです。

    例えば、どちらかが出ていく場合にどうするのか、片方が相手の持分を買い取るのか、
    売却するのか、売却価格はどう決めるのか、住宅ローンが残っている場合はどう処理するのか、
    売却費用や税金はどう負担するのか、片方が売却を希望した場合、もう片方はどうするのか、
    こうしたことまで、二人で話しておいた方がいいです。

    不動産の購入では、買うときよりも「その後どうするか」で揉めることがあります。

    今回なら、私は契約までの1か月を使って、次の順番で整理します。

    まず仲介会社と金融機関に、
    単独ローン+二人の共有名義という購入方法が本当に可能なのか確認する。

    次に、
    二人が実際に負担する購入資金と住宅ローンの返済割合を決め、それに見合った持分にする。

    そのうえで、
    どちらかに万一のことがあった場合を想定し、公正証書遺言などについて専門家に相談する。

    最後に、別れる場合や売却する場合のルールも二人で決めておく。

    ここまでやっておけば、かなり違います。

    特に今回、
    「まだお互いの両親にも紹介できていない」という点は、私は軽く考えない方がいいと思います。

    もちろん、それ自体が購入してはいけない理由ではありません。
    ただ、4,200万円という大きな買い物を、法的な夫婦ではない二人で共有するわけですから、
    お互いの家族がこの関係や財産の存在を知らないまま進めるのは、
    万一のときに話が複雑になる要素の一つです。

    だからといって、親に紹介できていないから購入をやめるべき、という話でもありません。

    むしろ今だからこそ、「二人で本当にこのマンションを購入するのか」
    「万一のときにはどうするのか」を一度きちんと話し合ってみることをおすすめします。

    今回、契約まで1か月あるのであれば、まだ十分間に合います。

    私なら「公正証書を作るかどうか」から考えるのではなく、
    「二人でこの不動産を持つことで起こり得ることを全部洗い出し、
    それを専門家に確認してから契約する」
    という順番にします。

    仲介会社には不動産取引としての問題点を確認してもらい、
    相続や遺言、税金についてはそれぞれの専門家に確認する。
    この役割分担が一番安心できると思います。

    そして、ここまで整理して、それでも「このマンションを二人で買いたい」と思えるのであれば、
    私は購入そのものを必要以上に怖がる必要はないと思います。

    大事なのは、「何かあったらどうしよう」ではなく、
    「何かあったときにどうするかを、何も起きていない今のうちに決めておく」ことです。

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