不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/08/16

    現時点が「申込」なのか「契約」なのかで大きく異なりますが、それにより支払った10万円の扱いと解約ルールが180度異なります。

    ◆申込段階(契約前:10万円=申込証拠金)
    購入の予約段階で売買契約を結ぶ前であればいつでも無条件で白紙撤回でき、10万円も全額返金されます。この場合違約金なども一切発生しません。

    ◆契約成立(契約後:10万円=手付金)
    宅地建物取引士より重要事項説明を受け、売買契約書に署名捺印した状態です。
    この場合、一方的な白紙撤回することはできず、10万円は戻りません(没収)。
    さらに、契約書の規定によっては追加の違約金を請求されるリスクもありますので、注意が必要です。

    万が一、既に契約後であっても、
    ①事務所外での契約なら8日以内はクーリング・オフ可能、
    ②この後の「住宅ローン本審査」で落ちれば特約でペナルティなしの白紙解約、
    となる救済措置があります。

    まずは旦那様の手元にある書類が「申込書」か「売買契約書」かを確認してみましょう。
    申込書であれば今すぐ全額返金でキャンセル可能です。

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/16

    これは、法律面と実務面を分けて考えた方がいいケースです。

    まず、「夫が妻の同意なしにマンションを申し込んだこと」だけで、
    その申込みが直ちに無効になるわけではありません。
    夫単独で住宅ローンを組み、夫単独名義で購入するのであれば、
    妻の同意が法律上当然に必要になるとは限りません。
    民法上も、婚姻中に自己の名で得た財産は原則としてその人の特有財産とされています。

    ただし、今回一番確認したいのは、
    まだ「申込み」の段階なのか、それとも既に売買契約を締結しているのかです。

    ここは全く違います。

    「申込金10万円を払った」というだけで、まだ売買契約を締結していないのであれば、
    契約前の申込みを撤回できる可能性は高いです。
    宅建業者が受け取った申込証拠金などの預り金について、
    申込みを撤回した際に返還を拒むことは宅建業法上禁止されています。
    国土交通省も、
    契約前の申込証拠金を「手付だから返せない」として返還を拒むことは認められないとしています。

    ですから、まず確認するのは、
    「10万円を払った時点で何に署名したのか」
    「売買契約書にはもう署名・押印しているのか」
    「重要事項説明は受けたのか」
    「10万円は申込証拠金なのか、手付金なのか」
    「売主は誰なのか」
    このあたりです。

    まだ契約前なら、私は夫婦で一度立ち止まって話をすることを強くおすすめします。

    今回、物件そのものが悪いという話ではありません。

    駅徒歩6分で、ご主人の事前審査も通っていて、物件として魅力があるのかもしれません。

    ただ、妊娠中で、これから出産を控え、奥様は1年ほどで仕事復帰する予定で、
    実際に家にいる時間が長いのも奥様です。

    その状況で4,300万円の家を、夫婦の片方がもう一方に相談せず決めてしまうことは、
    私は不動産営業としてもあまりおすすめしません。

    住宅購入は「夫がローンを組めるから夫が決めていい」というほど単純な話ではないからです。

    住宅ローンの返済は毎月の家計から出ていきますし、
    勤務地、通勤、保育園、子育て、買い物、周辺環境など、
    実際に生活する奥様の負担にも直結します。

    特に今は出産直前ですから、
    今後の家計がどうなるのかを二人で確認せずに購入を決めることの方が、私は怖いと思います。

    4,300万円が高いか安いかは、年収や頭金、現在の貯蓄、住宅ローンの条件、
    出産後の収入などが分からないので判断できません。

    ただ住宅ローンの事前審査が通っていることは
    「無理なく生活できる」というお墨付きではありません。

    審査に通る金額と、家族が安心して暮らせる金額は別です。

    今回なら、私はまずご主人に、「物件が嫌だから反対しているわけではない。
    私も一緒に見て、これからの生活を考えたうえで決めたい」と伝えていいと思います。

    そして、不動産会社会社にも、
    「まだ家族として購入について最終的な合意ができていません。
    契約前に夫婦で物件を確認し、資金計画も含めて相談したいです」
    と伝えればいいです。

    これで嫌な顔をするような担当者なら、私は少し警戒します。

    むしろ、4,300万円の買い物ですから、奥様が実際に見て納得する時間を取ることくらい、
    普通に考えれば当然だと思います。

    なお、もし既に売買契約まで締結しているのであれば話は変わります。

    その場合は「夫婦の同意がなかったから白紙」という単純な話にはなりません。
    契約書の内容、手付金、解除期限、融資特約などを確認する必要があります。

    一方、まだ申込みだけなら、
    10万円を払ったことだけで「もう後戻りできない」と考える必要はありません。
    契約前の申込金については、宅建業者が返還を拒むことはできないというルールがあります。

    ですから、今は慌てて契約する段階ではないと思います。

    私なら「物件を買うかどうか」より先に、
    「夫婦二人が納得してこの家を買う状態にする」ことを優先します。

    これからお子さんが生まれる大切な時期です。

    せっかく良い家を買っても、「あのとき勝手に決められた」という気持ちが残ってしまったら、
    家そのものとは別のところで夫婦の負担になってしまいます。

    逆に、二人で実際に見て、資金計画も確認して、
    「ここなら家族で暮らしたい」と納得できるのであれば、
    その時点で購入を進めればいいと思います。

    今回、急ぐ理由が「良い物件だから」なのか、
    「売主や営業担当者から急かされているから」なのかも、一度切り分けて考えてみてください。

    4,300万円のマンションは大きな買い物ですが、
    夫婦で納得して決めるための数日、数週間を惜しむような話ではないと思います。

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