不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/08/16

    まず、再婚相手が法律上の「配偶者」となったあとに贈与が行われた場合でも、婚姻期間が20年未満なら原則、「贈与税の配偶者控除(2,000万円)」を使うことができないため、贈与税の負担はかなり大きくなります。 ※贈与税額 800万円以上を現金納付

    お母様が良かれと思って再婚相手(夫)に贈与しても、相手に800万円以上の税金という大金を背負わせることになるため、本当に今すぐ贈与する必要があるのか」 とお母様に現実を突きつけてみることをおすすめします。

    ※再婚相手(夫)は、贈与を受けた翌年の2月16日から3月15日までの間に、管轄の税務署へ贈与税の申告手続きが必要となります。 万一申告しなかった場合は、本来の税金に加えて重いペナルティ(罰則金)が科されます。


    またご心配されている遺産分割についてですが、以下の取扱いになります。

    ◆前妻の子供との「養子縁組」による相続の違い
    再婚相手(夫)が亡くなった後、最終的にその家(財産)が誰の手に渡るのかは、「お母様が夫の連れ子(前妻の子供3人)と養子縁組をするか、しないか」で大きく変わります。
    それぞれの場合の仕組みとリスクは以下の通りです。

    ① お母様と連れ子3人間で 養子縁組を “しない” 場合(一般的なケース)
    お母様と連れ子3人の間に法律上の親子関係はありません。
    再婚相手(夫)が先に亡くなった場合、再婚相手(夫)の遺産は「お母様(妻)」と「連れ子3人」で分けることになります(法定相続分:妻が1/2、子供たちが1/2を3等分)。
    その後に、お母様が亡くなった場合には、お母様が引き継いだ実家の権利は、実の娘である「あなた」だけに相続されます。 よって連れ子3人にはお母様の遺産を相続する権利はありません。

    ② お母様と連れ子3人間で養子縁組を “する” 場合
    お母様と連れ子3人の間に「法律上の親子関係」が成立します。
    再婚相手(夫)が先に亡くなった場合の仕組みは①と同じです。
    その後に、お母様が亡くなった場合には、お母様の遺産を相続する権利は、「あなた」と「連れ子3人」の計4人で均等に分けることになります(全員がお母様の実子と同じ扱いになります)。
    そのため あなたの取り分は 「4分1」 にまで減ってしまいます。
    ※連れ子は実子(あなた)と全く同じ割合の財産を受け取る権利(法定相続分や遺留分)を持ちます。


    お母様は「再婚相手(夫)に家をあげたい」という目先の気持ちと勢いだけで、「再婚相手に巨額の税金がかかること」や「自分が死んだ後、実の娘(あなた)と連れ子たちが泥沼の争いに巻き込まれること」まで想像がついていない可能性が高いです。

    お母さまが行動に移す前に、”贈与と相続の知識” を正しく知ってもらうために
    「お母様、良かれと思って言っているかもしれないけれど、今のままだと相手に800万円以上の税金がかかっちゃうよ。それに、将来もしものことがあった時、相手のお子さんたちとお母様の間で、この家を巡って大変なトラブルになるリスクがある。一度、娘の私のためにも、プロの弁護士さんに一緒にお話を聞きに行ってくれない?」 と話してみることをおすすめします。

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/17

    これは、法律の問題と親子の感情の問題を分けて考えた方がいいと思います。

    まず法律的には、お母様が判断能力を十分に持っていて、
    自分の意思で「再婚相手に家を贈与したい」と考えているのであれば、
    娘である相談者が反対しているからといって、当然に止められるものではありません。

    実家が現在お母様の名義であれば、お母様には原則として自分の財産を処分する自由があります。
    将来、娘が相続するはずだった財産だから、
    という理由だけで生前贈与を禁止することはできません。

    ただし、ここで一つ大事なのは、
    お母様が本当にその意味を理解したうえで決めているのかということです。

    「家を贈与したら、自分はその家に住み続けられるのか」
    「固定資産税や修繕費などは誰が負担するのか」
    「贈与した後、再婚相手との関係が悪くなった場合、自分はどうなるのか」
    「贈与した家は、将来再婚相手の相続財産になる可能性があること」
    「再婚相手には前妻との間に3人の子がいるので、
    将来的にはその子たちが相続人になる可能性があること」

    このあたりまで理解したうえで、それでも「この人に贈与したい」と言っているのか。

    ここは一度、感情を入れずに確認してみてもいいと思います。

    そして、お母様がきちんと理解したうえで、それでも贈与するというのであれば、
    残念ながら娘側としてできることには限界があります。

    相続についても、娘には一定の条件で遺留分がありますが、
    「実家そのものを将来必ず相続できる権利」があるわけではありません。
    お母様が生前に財産を処分すること自体を、
    娘が当然に止められるわけではない点は理解しておいた方がいいでしょう。

    もちろん、生前贈与が著しく不相当だったり、判断能力に問題があったり、
    遺留分を侵害するような事情があれば、将来問題になる可能性はあります。
    そこは弁護士に一度確認しておいてもいいと思います。

    ただ、私は今回の相談では、専門家に相談すること以上に、
    「お母様をどう説得するか」だけに時間を使い続けないことも大切だと思います。

    お金の話をすると、「親子なのにお金のことばかり」と思われるかもしれません。
    でも、実際にはお金は大事です。
    2,400万円の家がなくなるというのは、決して小さな話ではありませんし、
    将来の生活にも関係します。

    だからこそ、「私が家をもらえなくなるのが嫌だからやめて」ではなく、
    「お母さんがこの先困らないように、本当に理解したうえで決めているのかだけ確認したい」
    という話にした方がいいと思います。

    それでもお母様が内容を理解していて、
    「それでも私はこの人と一緒に生きたい。この人に財産を渡したい」ということであれば、
    そこから先は、お母様の人生として受け止めるしかない部分もあります。

    そして、何度話しても理解してもらえない、
    あるいは話すたびに親子関係が壊れて自分自身が苦しくなるのであれば、
    「どうすれば母を思い通りにできるか」ではなく、
    「自分はどうすれば自分の生活と幸せを守れるか」に意識を切り替えてもいいと思います。

    親子だからといって、すべてを背負い続ける必要はありません。

    場合によっては、一定の距離を置くことも親子関係を完全に捨てるという意味ではなく、
    これ以上お互いを傷つけないための選択になることがあります。

    まずは一度、司法書士や弁護士に贈与と将来の相続関係を確認してもらい、
    そのうえでお母様自身がどこまで理解しているのかを確認する。

    それでもお母様の意思が変わらないのであれば、
    最後は「母の財産をどうするか」から少し離れて、
    自分自身の人生をどう守るかを考えていいのではないでしょうか。

    親を大切にすることと、自分の人生まで犠牲にすることは、同じではないと思います。

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