不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/10/26

    はじめまして、イエステーション博多店・箱崎店 ㈱コムハウスの角田と申します。

    非常に現実的で重要なご相談です。
    「築古マンションを相続するか放棄するか」という判断は、感情よりも「資産価値と負債のバランス」で冷静に考える必要があります。
    以下で、法的・経済的な観点からわかりやすく整理します。

    1. 相続放棄すれば、滞納金や今後の負担はなくなる
    相続放棄をすれば、叔母様のすべての財産(プラスもマイナスも)を引き継がない扱いになります。
    つまり、
    修繕積立金の滞納分(約60万円)
    管理費などの未払い
    将来の修繕負担
    これらの債務を支払う義務はなくなります。
    ただし、放棄するかどうかは、相続財産全体がプラスかマイナスかを見極めて判断します。

    2. 現在のマンションの価値を「純額」で考える
    相続するマンションの価値を考える際は、
    売却価格-(負債+維持費)で判断します。
    以下のように整理してみましょう。

    売却想定価格:ネット査定1,500万円 +1,500万円
    修繕積立金滞納:管理組合に支払う必要あり −60万円
    仲介手数料・登記費用:売却時に約5%(仲介手数料+諸経費) −75万円前後
    固定資産税・管理費等(引渡しまで):半年分程度 −10万円前後
    合計(概算) 約+1,355万円(売却の場合は、税金:譲渡所得税がかかる可能性が有ります)
    → このように、相続後にすぐ売却すれば「プラス」で終われる可能性があります。

    3. ただし「築40年マンション」の注意点
    築40年というのは、建物として老朽化のピークに近く、
    管理状態によって価値が大きく変わる時期です。

    リスク要因
    近々「大規模修繕」がある(数十万円〜百万円単位の負担)
    管理組合の積立金が不足 → 特別徴収(臨時徴収)リスク
    エレベーター・配管・外壁の老朽化
    買い手・借り手がつきにくい(築40年超)
    滞納者が多いと、売却時に「管理トラブル物件」とみなされることも
    したがって、「査定1,500万円」が実際に売れる価格とは限らない点に注意が必要です。
    築古マンションでは、実際の成約価格が査定より2〜3割下がることもよくあります。

    4. 放棄すべきかの判断基準(簡易チェック)
    管理状態が悪く、滞納者が多い:はい → 放棄を検討
    大規模修繕や建替えの話が出ている:はい → 放棄を検討
    自分で住む予定はない:はい → 放棄を検討
    すぐに売れる見込みがない(築古・立地不利):はい → 放棄を検討
    相続資産がこのマンションだけ:はい → 放棄も容易

    これらが複数当てはまるなら、相続放棄を前向きに検討すべきケースです。

    5. 放棄せずに「売却」でプラスにできる可能性も
    査定が1,500万円であれば、売却できれば十分プラスになる見込みもあります。
    そのため、「相続してすぐ売却する(相続登記→売却)」という手もあります。
    ただし、放棄できる期限(相続を知ってから3か月以内)を超えると、もう放棄できません。
    そのため、以下のどちらかにすぐ動くのが大切です。

    6. 実際の進め方
    選択肢①:相続放棄をする場合
    家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出(費用:印紙800円+切手)
    相続財産には一切手をつけない(売却・管理NG)
    滞納金・修繕金の請求は無視してOK(放棄後は無関係)
    ※ 放棄期限に迷う場合は「熟慮期間の延長申立て」も可能です。

    選択肢②:相続してから売却する場合
    相続登記を行う(司法書士費用:5〜10万円程度)
    滞納分(約60万円)を清算
    不動産会社に正式査定・売却依頼
    売却完了後に利益が残ればプラス相続
    → 売却益が残るなら、放棄せず「引き継いで処分する」が合理的です。

    7. まとめ:判断のポイント
    滞納金:高額・支払困難 支払っても売却益が残る
    修繕負担:大規模修繕・建替え予定 当面ない or 売却予定
    管理状態:悪い・滞納者多数 良好・資産価値維持
    相続人の目的:住まない・賃貸も不要 売却して現金化

    8. 最後に
    築40年のマンション相続は、「不動産+負債」セットで受け取るリスクが高いため、
    以下のような順で検討されるのが安全です。
    管理組合・不動産会社に「修繕履歴・積立残高・今後の修繕予定」を確認
    実際に売れる価格(仲介会社3社くらいに査定依頼)を把握
    それでもプラスにならなければ、相続放棄を選択

    以上、参考になれば幸いです。

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/10/03

    ご相談拝見致しました。

    築40年のマンションを相続予定とのことですが、滞納修繕積立金60万円や、近い将来の大規模修繕などを考えると、確かに「負債になるのでは」というご不安はもっともです。

    一方で、査定価格が1,500万円ほどついているとのことですので、売却を前提にすればプラスを残す余地は十分にあります。
    ※簡易査定なので鵜呑みにし過ぎると痛い目を見ますから、しっかりとあいみつをとっていただくことをお勧めします!

    相続放棄をしてしまうと、その資産ごと手放すことになりますので、「負債額」と「資産価値」のバランスを見極めることが大切です。

    ▼ポイントとしては
    •滞納している60万円は、原則として相続人が引き継ぎます。
    •大規模修繕に伴う一時金負担が想定されますが、それ以上に売却益が見込めるかがカギです。※どの程度の金額になるのか管理組合や管理会社を通じて確認しましょう。

    •仮に相続を放棄した場合、プラスの資産も同時に放棄することになります。


    ですので、「売却可能性が高い=相続を受けてから売却する」選択が現実的です。

    ただし、税務面(譲渡所得税や相続税評価)や、親族関係での調整も絡みますので、最終判断は税理士やご家族としっかり話し合うのが安全です。


    相続放棄は「資産ごと捨てる」強い手段です。
    今回のケースでは、相続してから売却し、滞納分を清算した上で現金化する流れが一番スムーズかと思われますが、、正解はありません。

    しっかりと準備を行う上でのご参考としていただけますと幸いです。

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