不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/08/18

    防災倉庫が置かれた状態のままでも売却活動(契約)自体は可能ですが、現状のまま引き渡すことは買主とのトラブルに直面するため極めて困難であり、相続人から町内会へ撤去・移動を請求する正当な権利があります。

    また 口約束の場合でも、相続人から撤去をお願いすることについて、法律上まったく問題ありません。

    以下撤去や移動を請求する正当な権利について解説いたします。

    ◆お父様が「無料で置いていいよ」と口約束していた状態は、法律上「使用貸借契約」に該当します。
    ◆名義人が亡くなると原則終了
    民法第599条により、使用貸借契約は借り主または貸し主(お父様)が死亡したことによって原則としてこの契約は終了となりますす。
    ◆相続人の権利
    あなたと弟さんは土地の新しい所有者(相続人)ですので、終了した契約に基づき、「土地を返してください(倉庫を移動してください)」と主張することができます。

    そのため 町内会側の「昔からある」という理由は、法的な占有権原(置き続けてもよいという権利)には なりません。

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/18

    このケースは、私は「町内会と揉めたくないから、
    しばらく置かせてあげる」という対応はあまり勧めません。

    むしろ、もめたくないからこそ、早い段階で権利関係をはっきりさせるのが一番だと思います。

    お父様が「空いている場所だから置いていいよ」と口約束で認めていたのであれば、
    事情によっては土地の一部を無償で使わせていた「使用貸借」と考えられる可能性があります。
    民法上、期間や使用目的を定めていない使用貸借については、貸主が解除できる規定があります。
    使用貸借が終了すれば、借主には附属させた物を収去する義務もあります。

    ただし、
    ここは「口約束だから今日言えば明日撤去させられる」と単純には考えない方がいいです。

    実際には、
    お父様と町内会との間で何を約束していたのか
    いつから置いているのか
    防災倉庫そのものの所有者は誰なのか
    町内会が土地をどの範囲で使用していたのか
    使用期限や撤去について何か話していたのか
    などを確認する必要があります。

    そして今回、売却する予定があるという事情はかなり重要です。

    「昔から置いてあるし、町内会も困っているようだから」とそのままにしておくと、
    いざ買主が決まったときに、「倉庫をいつ撤去できるのか」「町内会との話はどうなっているのか」
    「買主が購入後も使わせることになるのか」という話が出てきます。

    そうなると、買主から見れば土地の利用に関する未解決事項です。

    私なら、今の段階で町内会長さんと喧嘩するのではなく、
    「父が亡くなり、相続した土地を売却することになりました。
    倉庫については父が置くことを認めていたようですが、今後は土地を売却するため、
    そのままにしておくことができません。
    ○月頃までに撤去できるよう、移転先を含めて相談させてください」くらいの話をします。

    ここで大事なのは、「出ていってください」だけではなく、撤去期限を決めることです。

    町内会側にも移転先を探す時間は必要でしょうから、
    ある程度の猶予を設けるのは構わないと思います。

    ただ、いつまでも「そのうち移します」ではダメです。

    どうしても撤去が難しいのであれば、別の方法として、
    町内会にその土地の一部を買い取ってもらうという交渉も考えられます。

    つまり、「撤去してもらう」だけが答えではありません。

    「町内会がその場所を必要としているなら、その部分を買い取ってもらえないか」という話です。

    これは敵対するということではありません。
    むしろ、町内会として本当に必要な場所なのであれば、土地を無償で使い続けるのではなく、
    正式な権利関係にするという考え方もあります。

    逆に、売却を優先するのであれば、私は撤去してもらう方向で進めると思います。

    そして、売却を依頼している不動産会社にも、
    倉庫の存在とお父様が口約束で置かせていた経緯をきちんと伝えてください。

    勝手に倉庫を撤去したり、中身を処分したりするのは避けた方がいいです。
    倉庫自体は町内会の所有物である可能性が高いので、
    土地所有者だからといって自由に処分していいものではありません。

    私なら、
    ①町内会に事情を正式に伝える
    ②撤去期限を相談する
    ③撤去が難しければ買い取り等も含めて話す
    ④話し合った内容をできれば書面に残す
    ⑤売却時には買主に問題が残らない状態にする
    という順番で進めます。

    「近所と揉めたくない」という気持ちはよく分かります。

    でも、遠慮して先送りした結果、
    売却直前になって町内会との話がこじれる方が、ずっと面倒です。

    お父様の代には善意で置かせてあげていたものでも、
    相続して土地を売ることになった今は事情が変わっています。

    これは町内会と敵対する話ではなく、所有者として今後の土地利用を整理する話です。

    そして、時間が経てば経つほど
    「今までずっと置いていたじゃないか」「急に出ていけと言われても困る」
    という話になりやすいので、売却を考えているのであれば、私は今のうちに動きます。

    最初から弁護士を入れて強く出る必要はありません。
    まずは不動産会社にも事情を共有したうえで、町内会と普通に話し合う。
    それで話が進まない場合に、司法書士や弁護士に権利関係を確認してもらえばいいと思います。

    「もめたくないから何も言わない」のではなく、「もめないために早めに整理する」。

    今回はこちらの考え方が一番現実的だと思います。

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/08/19

    ご相談を拝見しました。

    ご質問内容から、本件は口約束のため契約書は存在せず、かつ地代も発生していないように見受けられます。これは、法的に「使用貸借」であると勘案されるため、御尊父の死亡と同時に権利は相続人へ引き継がれます。

    したがって、撤去をお願いする法的な権利(撤去請求権)は相談者様にあります。

    買主に対して「敷地内に町内会の倉庫が置かれている状態(使用貸借の負担がある状態)」であることを事前に説明し、かつ重要事項説明でしっかり開示すれば、売却自体は法的に可能です。ただし、買主側からすると「土地を自由に買えない・使えない」「トラブルに巻き込まれそう」と敬遠されるため、大幅な値引きを要求されたり、買い手がつかなくなったりするリスクが高いと思われます。

    あくまでも使用貸借は、借り主(町内会)と御尊父の個人的な信頼関係に基づいているため、権利を引き継いだ相談者様からいつでも契約解除を申し出ることができます(民法第597条・598条)。とはいえ、売却後の関係性を考えれば、「すぐに移す場所がない」という町内会の事情にも配慮を示す姿勢を見せる必要はあるでしょう。

    そのため、公園や自治会館の敷地、あるいは別の近隣住民の協力など、町内会で移設先を検討してもらうよう強く要望されるのが先決だと思われます。そのうえで、町内会が撤去に同意してくれたら、口約束ではなく「〇年〇月〇日までに撤去する」旨を記載した覚書(書面)を交わしておくとよいおでしょう。これがあれば、安心して売却活動を開始することができます。

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