不動産お悩み相談室
REAL ESTATE Q&A
- 相続
- 50代
- 女性
-
- エリア
- 福岡県福岡市早良区
-
- 投稿日
- 2026/03/28
-
- 更新日
- 2026/07/14
- [4回答]
451 view
家族信託をやっておかないと危ないでしょうか
母親の認知症が進んできており、相続対策として家族信託を勧められました。
ただ、ネットではデメリットも多いと書かれており、本当に必要なのか分かりません。
費用もかかるため、やるべきか迷っています。何も対策をしない場合、どんなリスクがあるのかも含めて知りたいです。
-
はじめまして、イエステーション ㈱コムハウスの角田です。
結論から申し上げると、お母様の認知症が進み始めているのであれば、
一度は家族信託を含めた対策を専門家へ相談することをおすすめします。
ただし、「全員が家族信託をすべき」というわけではありません。 財産の内容や家族構成によっては、遺言や任意後見など別の制度の方が適している場合もあります。
【何も対策をしない場合のリスク】
認知症が進み、ご本人の判断能力が低下すると、次のようなことが難しくなります。
自宅や土地・マンションの売却
賃貸物件の大規模修繕や建替え
不動産の担保設定
相続対策としての生前贈与
銀行での大きな預金の引き出しや定期預金の解約
銀行も「本人が意思表示できない」と判断すると、
預金が実質的に動かせなくなることがあります。
【家族信託のメリット】
例えば、
母親が所有する自宅
アパート
預貯金
を長男へ信託した場合、
お母様が認知症になっても、契約で定めた範囲内で長男が管理・売却・修繕などを進められます。
特に次のような方には効果があります。
不動産を複数所有している
賃貸経営をしている
将来売却する可能性が高い
相続後も家族で管理を続けたい
【家族信託のデメリット】
一方で、家族信託にも注意点があります。
① 費用がかかる
一般的には、
契約書作成
公正証書
登記
専門家報酬
などを含め、数十万円程度かかるケースが多いです。
② 契約内容が重要
信託契約の作り方が悪いと、
売却できない
借入できない
相続後に揉める
ということもあります。
そのため、経験豊富な司法書士や弁護士への依頼が重要です。
③ 相続税がなくなる制度ではない
家族信託は財産管理の制度です。
相続税をなくす制度ではありません。
また、信託の設計によっては贈与税などの税務上の論点が生じる場合もあります。
【家族信託をしない場合は?】
もし認知症が進み、
本人が契約できなくなると、
家庭裁判所へ申し立てて成年後見制度を利用することになります。
成年後見制度では、
家庭裁判所の監督
財産処分に制限
後見開始後は原則として本人が亡くなるまで継続
など、柔軟な資産運用や売却が難しくなることがあります。
私ならこのように判断します
経営者の方や、不動産を多く扱う立場から見ると、判断の目安は次のとおりです。
状況/家族信託のおすすめ度
自宅のみ・売却予定なし ★★☆☆☆
自宅を将来売却する可能性がある ★★★★☆
賃貸アパート・マンションがある ★★★★★
複数の不動産を所有している ★★★★★
認知症が進行している ★★★★★(早めの検討が望ましい)
ご相談内容からすると
お母様は認知症が進み始めているとのことですので、今が検討できる重要なタイミングです。
判断能力がさらに低下すると、家族信託そのものを契約できなくなる可能性があります。
以上、参考になれば幸いです。 -
ご相談内容を拝見しました。お母様が認知症が進んできて相続対策で家族信託を検討されているのですね。
相続対策はお母さまの判断能力があるうちしかできません。相続対策の中身として
- 収益不動産(アパート・貸家など)を所有している
- 自宅の売却により将来の介護費用を捻出する可能性がある
- 実家が空き家になる可能性がある
- 株式や投資信託など動きのある金融資産がある
- 生前贈与をしたい
- 事業の承継をしたい
- 障害のある子がいるので心配のないようにしたい
などがあると、家族信託は選択肢になります。認知症になって判断能力がなくなると以上のような契約行為ができなくなります。銀行も認知症を知ると口座を凍結します。仮に、認知症発症後、成年後見人が選定されても家庭裁判所の管轄になり、お母様の財産を減らすような積極的な資産運用、相続対策は一般的にはできません。また費用も一生涯続きます。
ただし、年金は信託することできないため、任意後見契約や銀行の代理人予約制度を申し込んでおく必要があります。特に介護費用をお母様の年金から支払うことを考えているのであれはどちらかの手段は必須と言えます。
家族信託は初期費用は財産額によりますが、数十万円以上はかかりますが、受託者への毎月の報酬は家族だと無報酬でも可能です。そのためには、家族信託の受託者になってくれる子世代の人が十分、信託の設定目的を理解し、どういう業務があるのか,続くのかを理解する必要あります。家族全体で家族信託に取り組む合意が必須で、それがないと後々の親族内紛争にもなりかねません。
まずは現状のお母さまの状況、相続対策の中身、財産承継など専門家に相談して全体としてどういう対策がベストなのかを判断する必要があります。家族信託、任意後見、遺言などの組み合わせもありえます。何よりお母さまが契約の内容を理解できるうちに早急に動かれる必要があります。
以上ご参考まで。 -
ご相談内容を拝見しました。
結論から言うと、「絶対にやらないと危ない」とまでは言いませんが、判断が遅れるほど選べる対策が減っていくのは事実です。
まず、何も対策をしない場合のリスクをはっきりさせておきます。
お母様の認知症が進んで判断能力がないと銀行や不動産の取引先に判断されると、預金は引き出せなくなり、不動産も売却や賃貸ができなくなります。これがいわゆる資産凍結です。介護施設の入所費用を親の預金から出したくても出せず、結果的に子どもが立て替える羽目になるケースは実際よく起きています。この状態になってから使える対策は、実質「成年後見(法定後見)」しか残りません。
家族信託と法定後見の一番大きな違いは、家族信託は判断能力があるうちにしか契約できないという点です。つまり、お母様が今の時点で契約の内容を理解して判断できる状態かどうかが、選べる選択肢を左右します。ここがまさに「今、家族信託をやっておくべきか」の判断の分かれ目です。
今なら契約できる状態 → 家族信託や任意後見を選べる。裁判所の監督なしで家族だけで柔軟に財産を管理・処分できるのが最大のメリット。
すでに判断能力を失っている → 選択肢は法定後見のみ。家庭裁判所が後見人を選び、専門家が選任されれば報酬が生涯月々発生します。不動産の売却や資産の積極的な活用も裁判所の許可が必要になり、かなり制約されます。
ネットで言われているデメリットは主に、初期費用(数十万〜百万円規模になることもある)、身上監護(施設入所の契約など)は家族信託ではカバーできないので任意後見と併用が必要になる場合があること、あたりが中心だと思います。ただこれは法定後見のランニングコストや自由度の低さと比べてどちらを取るか、という話でもあります。
実務的には、まず今の段階でお母様が契約内容を理解し、自分の意思で判断できる状態かどうかを確認するのが最優先です。
認知症の程度によっては公証人や医師の診断で意思能力があると確認できれば、家族信託や任意後見を組める可能性はまだあります。
逆に、判断能力がすでに厳しい状態なら、無理に家族信託を進めても後で無効を争われるリスクがあるので、その場合は法定後見も含めて専門家(司法書士や弁護士)に早めに相談したほうがいいです。
迷っている時間そのものが、選べる選択肢を減らしている状況なので、まずは意思能力の確認と専門家への相談を急いだほうがいいと思います。
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