不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/26

    私は、このケースなら5,800万円を「買える額」とは考えず、
    4,300万円を一つの基準にして物件探しをするのが現実的だと思います。

    銀行の事前審査で5,800万円まで出たこと自体は、
    もちろん購入の選択肢を広げる材料にはなります。
    ただ、
    銀行が見ているのは「貸しても返済不能になる可能性が一定範囲に収まるか」という審査です。
    家族が今後どんな生活をしたいか、子どもにどれくらいお金をかけたいか、
    妻の収入が一時的に下がっても生活を維持できるか、
    というところまで銀行が考えてくれるわけではありません。

    実際、住宅ローンの審査では総返済負担率が重要な基準になります。
    例えばフラット35では、年収400万円以上の場合、
    住宅ローンだけでなく自動車ローンや教育ローン、
    カードローンなども含めた年間返済額が年収の35%以下という基準があります。
    これはあくまで「借りられるか」の基準です。

    一方、日本FP協会の資料でも、返済負担率は25%を超えないことを一つの目安としながら、
    家計によって適正な負担は変わるとしています。

    今回かなり大事なのは、
    すでにご自身で家計を計算して「月12万円台が限界」と分かっていることだと思います。

    これは非常に大きいです。

    来年お子さんが生まれる予定なら、今の家計だけでなく、
    ・出産前後の妻の収入減少
    ・保育費
    ・子どもの医療費や教育費
    ・車や家電などの買い替え
    ・固定資産税、管理費、修繕積立金
    ・マンションの将来的な修繕積立金の上昇
    ・金利上昇
    こうしたものまで含めて考える必要があります。

    特に「今は夫婦で900万円だから5,800万円」という考え方には少し注意した方がいいです。

    お子さんが生まれた後も、今と同じ900万円が毎年安定して入ってくるとは限りません。
    奥様が一時的に仕事を休むのであれば、
    その期間をどう乗り切るかも購入前に考えておいた方がいいです。

    そして、私はもう一つ大事だと思うのが、
    「5,800万円と4,300万円の間をどう考えるか」です。

    4,300万円しかダメ、と機械的に決める必要もありません。

    例えば、
    「4,300万円ならかなり余裕がある」
    「4,700万円なら少し節約すればいける」
    「5,000万円になると子どもが生まれた後はかなり厳しい」
    「5,800万円は今の家計では明らかに無理がある」
    というように、実際の生活を想像して段階を作ってみるといいと思います。

    そのうえで、夫婦二人で働いている今だから払える金額ではなく、
    子どもが生まれ、奥様の収入が一時的に下がった状態でも払える金額を基準にする。

    私はこれをおすすめします。

    不動産会社から「審査が通った金額まで見て問題ない」と言われても、
    そこはあまり気にしなくていいです。

    5,800万円借りられることと、
    5,800万円借りた方がそのご家族にとって幸せかどうかは、全く別の話です。

    むしろ今回のように、4,300万円まで下げると希望エリアの選択肢がかなり減るのであれば、
    5,800万円まで借りるか、4,300万円まで下げるか」ではなく、
    「自分たちが今後30年、無理なく暮らせる住宅費はいくらなのか」
    を先に決めるという順番がいいと思います。

    その予算の中で、エリア、築年数、広さ、駅距離のどれを譲るのかを考える。

    住宅購入は「一番いい物件を買う」ことより、
    買った後も家族が普通に生活できることの方が大切です。

    個人的には、お子さんがこれから生まれるという状況で、
    すでに家計を洗い出した結果が月12万円台なのであれば、その数字はかなり尊重します。

    5,800万円の承認額を見て予算を引き上げるより、まず4,300万円前後を軸に探してみる。
    そのうえで「この物件なら多少予算を上げても生活に無理がない」
    と夫婦で納得できる物件が出てきた場合だけ、4,500万円、4,700万円と検討する。

    そのくらい慎重でちょうどいいと思います。

    せっかく家を買っても、
    毎月「住宅ローンがあるから子どものことを我慢しよう」「旅行もできない」「妻が仕事を休めない」という生活になってしまったら、本末転倒です。

    銀行が貸してくれる金額ではなく、自分たちが家族として気持ちよく暮らせる金額。

    今回については、そこを予算決めの出発点にするのが一番いいと思います。

以下の記事もよく読まれています

相談先を選択してください

個人情報保護方針に同意の上、送信ください。

相談テンプレート

住み替えを検討しています。下記物件を売りたいのですが、いくらで売れるでしょうか。
直接◯◯さんに相談したいです。

所在地:品川区〇〇
築年数:15年
間取り:3LDK
専有面積:72㎡
階数/総階数:8階/20階建
管理費・修繕積立金:25,000円/月
現在この物件に住んでいます。

無料で不動産の相談をする