不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/09/10

    この相談なら、「退職前に売るか、退職後に売るか」という二択だけで考えず、
    「次の家を住宅ローンで買う可能性があるなら、
    退職という大きな属性変更の前に動いた方が基本的には有利」というのが常識的だと思います。

    もちろん、退職後に同業種へ転職するのか、しばらく無職になるのか、
    退職金で次の家をほぼ現金購入できるのかで話は変わります。
    その違いも踏まえて、相談者の不安に答える形にするとこうなります。

    結論から言うと、退職後も住宅ローンを利用して住み替える可能性があるのであれば、
    私なら退職前に売却・住み替えを進めることをまず考えます。

    住宅ローンの審査では、年収だけでなく勤務先や勤続年数、雇用形態なども見られます。
    実際に多くの金融機関が勤続年数や雇用形態を審査項目にしています。


    ですから、
    今の会社で長く勤務している状態と、退職してから申し込む状態では、
    住宅ローンだけを考えれば、一般的には今の勤務先にいるうちの方が話は進めやすいと思います。

    ただし、「退職したら必ず住宅ローンが組めなくなる」という話ではありません。

    例えば、退職後すぐに同じような業種へ転職して安定した収入がある場合と、
    退職してしばらく無職になる場合では全く違います。
    また、退職金や現在のマンションの売却代金を使って、
    次の家をほぼ現金で購入できるのであれば、住宅ローンの審査を気にする必要もありません。

    今回の場合、住宅ローンの残債が800万円とのことなので、
    まず確認したいのは「今のマンションがいくらで売れるのか」です。

    例えば2,500万円で売れるのであれば、
    そこから住宅ローン800万円と売却にかかる費用を差し引いて、
    次の住まいにどのくらいお金を回せるのかが見えてきます。

    その金額と退職金を合わせて、郊外の住まいを現金で買えるのか。
    それとも一部だけ住宅ローンを利用する必要があるのか。

    ここまで分かれば、退職前に動くべきかどうかもかなり判断しやすくなります。

    私なら、早期退職に応募するかどうかを決める前に、
    一度「今のマンションを売って、郊外に住み替えたら家計がどうなるか」を計算します。

    そして、住宅ローンを使う必要があるのであれば、基本的には今の勤務先に在籍しているうちに、
    売却と次の住宅の購入を進める方向で考えます。

    退職後の生活が決まっていない状態で先に退職してしまい、
    その後に「やっぱり住宅ローンが必要だった」となると、
    選択肢を狭めてしまう可能性があります。

    反対に、退職後は無職になる予定で、
    退職金とマンションの売却代金だけで次の家を購入できるのであれば、
    退職後に売却することも選択肢になります。

    ですから、「退職前に売るのが絶対」ではありません。

    ただ、
    今回のように「マンションを売って残債を完済し、郊外に住み替えたい」ということであれば、
    私ならまず在職中にマンションの売却価格を把握します。

    その上で、退職金も含めた手元資金と、購入したい郊外の住宅価格を並べてみます。

    そこで住宅ローンが必要になるのであれば、退職する前に動いておく。

    これが一番シンプルで、後から選択肢を狭めにくい考え方だと思います。

    早期退職は「いつ辞めるか」だけで考えると判断が難しくなりますが、
    住まいも含めて退職後の生活費まで一緒に考えると、意外と答えは見えてきます。

    退職金をもらってから考えるより、
    退職する前に「売ったらいくら残るのか」「次の家はいくら必要なのか」「住宅ローンは必要なのか」を確認しておく。

    その結果、退職後も無理なく暮らせるのであれば、安心して早期退職を選べると思います。

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