不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/08/10

    遺産分割の処理は、①裁判所を使わない協議、②裁判所での協議である調停、③裁判所がルールを決める審判という3段階に分けて考えることができます。
    そして、それぞれの手続において、弁護士を使用するかどうかを決めることができます。

    本件のように、①が当事者間で進まない場合、弁護士を利用することで一挙に協議が進展する場合もあります。他方で、弁護士を使っても結局うまくいかない場合もあります。

    ①がうまくいかない場合には、通常②の調停に進みます。
    調停も、嫌なら出頭しない、話し合いを進めないことが可能です。
    ただし、調停が不成立となると、結局③の審判に移行してしまいます。

    そして、③の審判の場合には、裁判所がルールを定めてしまいますので、自分に不利なルールにされないようにするためには、当事者も、裁判所の手続を無視することは普通できません。

    そのため、②調停手続に出頭しないというパターンは少ないといえます。
    その上で、調停手続であれば、個人の方でも手続を進めることができるよう制度設計されていますので、弁護士を利用するほうが得かどうかは事案によって変わります。

    そこで、一度、正式に法律相談を受けてみることをお勧めします。

  • 私が回答します

    長岡 理知

    長岡FP事務所

    • 50代
    • 青森県
    • 男性
    • 専門家
    投稿日
    2025/08/09

    ご主人様を亡くされ、ご心痛の中、相続手続きが進まず大変お困りのことと存じます。

    ご認識の通り、遺産分割協議は相続人全員の合意(署名・捺印)がなければ成立せず、不動産の名義変更(相続登記)も行うことができません。お義姉様との連絡が取れない状況は、法的な手続きをもって解決へと進めることが可能です。

    まず、協議に応じてもらいたいという意思を、形に残る方法で明確に伝えることが重要です。そのために「内容証明郵便」を利用する方法があります。

    この手紙には、遺産分割協議を行いたい旨、連絡をいただきたい旨、そして回答期限などを記載します。配達証明を付ければ、相手が受け取った事実と手紙の内容を郵便局が証明してくれますので、単なる手紙や電話とは違う法的な意思表示となり、相手に心理的なプレッシャーを与え、話し合いに応じるきっかけになることがあります。

    また、将来、法的な手続きに移行した場合に、あなたが協議のために努力した証拠となります。この手紙の作成は、弁護士や司法書士、行政書士といった専門家に依頼することもでき、専門家の名前で送付することで、より相手方が真剣に対応する可能性が高まります。

    もし内容証明郵便を送っても返答がない、あるいは話し合いを拒否される場合は、次の段階として家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることを検討します。

    調停とは、裁判のように勝ち負けを決めるのではなく、調停委員という中立な第三者が間に入り、相続人全員の意見を聞きながら、円満な解決を目指して話し合いを進める手続きです。
    感情的になりがちな当事者間の話し合いを調停委員が冷静に仲介してくれますし、相手方と直接顔を合わせずに意見を伝えることも可能です。裁判所からの呼出状が送付されるため、相手方が無視し続けることは難しくなります。

    調停でも話し合いがまとまらない場合、手続きは自動的に「遺産分割審判」に移行します。審判では、裁判官が各相続人の事情や遺産の内容など、一切の事情を考慮した上で、法律に則った公平な分割方法を決定します。この審判で下された決定には法的な強制力があるため、お義姉様の同意がなくても、その審判内容に基づいて不動産の登記手続きなどを進めることができるようになります。

    これらの手続きはご自身でも可能ですが、多大な時間と労力、そして精神的な負担がかかります。相続問題に詳しい弁護士や司法書士にご相談されることを強くお勧めします。

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