不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/01/14

    小川佳宏

    小川FP・行政書士事務所

    • 60代
    • 愛知県
    • 男性
    • 専門家

    ご質問を拝見しました。お父様の土地の上に住宅建設を考えておられるが、贈与税が気になられているのですね。

    まず、かなり専門的なことで選択肢もたくさんあります。それぞれのケースで具体的な金額影響を税理士に相談して決められるとよいでしょう。後々の事も考えず一旦、決めてしまって後悔なさらないように慎重に進められるとよいと思います。贈与はあまりお勧めできません。

    1. お父様から無償で土地を借りる。(使用貸借)
    2. お父様から有償で土地を借りる。(賃貸借)
    3. 相続時精算課税を利用して贈与してもらい名義を相談者様に変更する。
    4. 親から低廉譲渡にならない価格で譲渡してもらう。

    1の場合、借地権の認定課税のリスクを避けるため、使用貸借が「無償」であることを税務署に明確に説明し、理解を得る必要性があります。
    ・親子間でもきちんと契約書を作成しておきます。
    ・借地権はないので借地人としての保護がありませんし、将来の相続時には更地評価(自用地)になります。
    ・しかし、お親様と同居する場合、将来の相続時に小規模宅地等の特例が適用され、土地の評価額を最大80%減額できる場合は、将来の相続税が少なくてすむ可能性があります。

    2の場合、地代の設定に注意してください。みなし贈与にならないように、
    ・「相当の地代」は土地の更地価格の6%
    ・又は、権利金+「通常の地代」(更地価格(時価)の1%前後)にする必要があります。
    権利金の支払がなく「通常の地代」だけですと、権利金相当額に対して相談者様に贈与税リスクがあります。

    3は2500万円までの贈与であれば贈与税はかかりませんが、一旦選択すると暦年贈与には戻れません。2500万円をこえると20%の贈与税が発生しますが、相続時に精算されます。
    贈与されるので相談者様に登録免許税や取得税、固定資産税がかかってきます。登録免許税は相続登記の方が安くできます。将来、土地が上昇すると予想するなら検討する余地はあります。2024年から相続時精算課税に基礎控除が新設されかなり使いやすくなっています。しかし、暦年贈与ですとかなり高額な贈与税になります。

    4.住宅ローン以外に土地の購入資金の手当てが最大のネックではないでしょうか。手当が可能であれば選択肢になるかもしれませんが、お父様に譲渡所得税がかかります。

    お薦めは1の無償で使用貸借になるように契約書を作成して、税理士、税務署に事前に確認されるとよいです。相続対策はずっと先のことですので事情が変わってきます。その間に例えば、暦年贈与で相続財産を減らすなど、手当を考えていけばよいと思われます。


    ご参考になれば幸いです。

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/01/14

    奥林洋樹

    H.L.C不動産コンサルティング

    • 50代
    • 北海道
    • 男性
    • 専門家

    ご相談を拝見しました。

    税金を抑えたいだけが目的なら、親名義のまま住宅を建築するのが一番です。しかし、その場合は将来的な相続問題の発生や相続税負担が生じます。

    相続問題の発生を回避したいなら生前贈与と売買、いずれかを検討されると良いでしょう。
    税金面から言えば、贈与は相続として税金が高額になります。また、手続きに時間がかかる点にも注意が必要です。

    個人的には、税務署に指摘されない程度の低額で売買されることをお勧めします。断定はできませんが、流通価格の7~8割り程度の価格であれば低額譲渡と指摘される可能性は低くなるでしょう。また、指摘された場合でも、土地の時価と売却額の差額に対してのみかかるので税負担は少なくなります。

    ただし、金融機関は親族間売買に対して消極的ですので、購入資金をどのように準備するか検討が必要です。

    それ以外に定期借地権も考えられますが、原則として定期借地権の設定期間が終了すると更地にして土地を明け渡さなければならず、地代を支払う必要もあります。

    名義そのまま、贈与、売買、定期借地権いずれも一長一短です。法定相続人の人数や土地の評価額、相談者様の資金計画などから総合的に判断する必要がありますので、専門家と相談しながら、最適な方法を選択されるようにお勧めします。

    以上、お悩み解決の一助となれば幸いです。

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