不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/12/15

    はじめまして、
    イエステーション博多店・箱崎店 ㈱コムハウスの角田と申します。

    とても多くの方が同じところで不安になりますので、順を追って整理しますね。
    結論から言うと、「築30年=あと17年しか住めない」ではありません。
    ただし、将来性は“マンションごとの差”が非常に大きいのも事実です。

    ① RC造「法定耐用年数47年」の本当の意味

    まず誤解されやすいポイントです。
    法定耐用年数47年は、税務上の減価償却の目安であって
    ⇒建物の寿命ではありません

    実際には:
    適切な維持管理がされているRCマンション
    → 60〜80年、場合によっては100年近く使用可能

    逆に、管理不全だと
    → 40〜50年で急激に劣化

    つまり、
    「築年数」よりも「管理状態」が寿命を決めます。

    ② 築30年マンションの“分岐点”とは
    築30年前後は、マンションにとって重要な節目です。

    すでに実施されているべき修繕
    ✔ 大規模修繕(2回目まで)
    ✔ 外壁・防水・給排水管の一部更新
    ✔ 修繕積立金の増額見直し
    これらがきちんと実施されているかが最大の判断材料です。

    ③ 耐震性で必ず確認すべきポイント
    耐震性は「築年」だけで判断できません。

    チェック項目
    1981年6月以降の新耐震基準か
    それ以前 → 耐震診断・補強の有無を確認

    耐震診断の実施結果
    「Is値」や「耐震等級相当」の評価があるか

    過去の地震での被害履歴

    ⇒新耐震+補修・補強済みなら
    築30年でも実用上の不安は小さいケースが多いです。

    ④ 「修繕費が高くつく」は本当?
    これは半分本当、半分は誤解です。

    問題になるケース
    修繕積立金が安すぎる
    長期修繕計画が形だけ
    高齢オーナーが多く、値上げに反対

    この場合、
    ⇒将来一時金徴収(数十万〜百万円単位)の可能性があります。

    健全なケース
    積立金が段階増額されている
    計画が30年以上先まで現実的
    借入なし or 借入を計画的に返済
    ⇒築年数が進んでもコントロール可能

    ⑤ 「建て替えが難しい」問題について
    これも現実的な視点です。
    建て替えは区分所有者の80%以上の合意
    高齢者・賃貸オーナー・資金不足世帯が障壁
    実際に建て替えまで進むマンションは少数

    ただし最近は、
    建て替えではなく“長寿命化”を前提
    スケルトンリノベで住み継ぐ方向が主流
    ⇒「建て替え前提」で考えない方が無難です。

    ⑥ ご家族構成から見た現実的な判断軸
    30代前半・お子さん小学生という前提で考えると:
    現実的な選択肢
    今後20〜25年住めるかが最大の判断基準
    その後は
    売却
    賃貸
    子ども独立後に住み替え
    という“出口戦略”を描ければOK。

    築30年マンションでも「買い」になる条件
    ✔ 立地(駅近)は◎
    ✔ 管理組合が機能している
    ✔ 修繕積立金が将来不足しない
    ✔ 耐震性に明確な裏付けがある

    ⑦ 最後に:必ず確認してほしいチェックリスト
    内見・書類確認時に、最低限ここを見てください。
    長期修繕計画(30年以上)
    修繕積立金の残高と将来予測
    直近2回分の総会議事録
    管理費・積立金の滞納状況
    耐震診断・補強履歴
    給排水管の更新計画

    まとめ
    築30年=寿命間近ではない
    将来性は「管理 × 耐震 × 修繕計画」で決まる
    立地が良いマンションは、管理が良ければ資産価値も残りやすい
    「20年住めるか+出口戦略」で考えるのが現実的

    以上、参考になれば幸いです。

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/04/09

    ご相談を拝見しました。

    まず、47年は税務上の法定耐用年数です。単なる減価償却試算の耐用年数に過ぎませんので、その期間が過ぎたからといって居住ができなくなるわけではありません。また、資産性は築年数の影響を受けますが、法定耐用年数を過ぎたからといって、評価はゼロにはなりません。

    重要なのは修繕が適切に実施されているかです。現在では、適切なメンテナンスが実施されていれば、分譲マンションの寿命は100年以上であるとの説が有力です。また、国土交通省は「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による期待向上について」との見解を公表していますが、それを基にした算出では、外装の仕上げやメンテナンスによって150年まで延命できる可能性があるとの意見もあります。

    分譲マンションの建て替え決議に関する合意形成は確かに困難ですが、令和7年3月4日に「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定されるなど、従前より容易になりつつあります。

    とはいえ、適切にメンテナンスされているマンションであれば建て替えはまだ先のことです。それよりも管理状況や立地、価格、耐震性など詳細な情報を入手して、不安があれば専門家に相談を仰ぎ、最終的な判断をされると良いでしょう。

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