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REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/07/01

    ご相談ありがとうございます。

    「未登記の増築部分がある」と言われたとのこと、驚かれたのではないでしょうか。

    まずご確認したいのは、その増築部分がどのような構造・用途で、どこに増設されたかによって、対応が大きく異なるということです。

    例えば、バルコニーやサンルームのような軽微なものなのか。

    あるいは、部屋数が増えるような本格的な鉄筋コンクリート造の増築なのか。
    また、共用部分や敷地の境界を越えてしまっているのかどうか。

    こうした点によって、法的な扱いや、後に必要となる手続きはまったく異なってきます。

    ▼どういった可能性があるのか(代表的なケース)

    ひとつ目は、
    建築確認が取られていない、いわゆる違法建築の状態になっているケースです。
    建築基準法上、既存建物の増築には確認申請と完了検査が原則として必要です。
    それがされていないまま工事が行われていた場合には、違反建築物とみなされる可能性があり、買主が住宅ローンを使えなくなるなどの影響が出ることがあります。

    ふたつ目は、
    そもそも法務局に登記されていない、未登記建物の状態です。
    この場合は、建築士による現況調査と図面の作成が必要となり、登記補正(表題変更登記や合併登記など)を行う流れになります。

    三つ目として、
    特にマンションの場合に多いのが、共用部分を勝手に使ってしまっているケースです。
    たとえば共用廊下を塞いで部屋を広げていたりすると、区分所有法や管理規約に抵触する可能性があり、管理組合との調整が必要になります。

     

    ▼必要になる手続きの一般的な流れ

    まずは、
    建築士など専門家による現地調査と図面の作成を行います。

    次に、
    役所で建築確認申請の履歴や合法性の有無を確認します。
    未登記であることが判明した場合には、法務局で表題変更や増築登記の手続きを行います。

    また、違反の程度によっては行政(建築指導課)との協議や是正措置が必要になるケースもあります。

    マンションの場合は、管理組合の承認や規約上の整理が別途求められることもあります。


    ▼注意しておきたい点

    現況のままでも売却ができないわけではありませんが、その場合は「現況有姿」での取引、かつ「契約不適合責任免除」が前提になるケースが多く、価格が下がったり、売却に時間がかかったりする傾向があります。

    可能であれば、事前に事実確認、必要に応じて合法性を確認し、登記や必要な是正を済ませた上で売却に進む方が、売却条件は有利になりますし、買主の安心にもつながります。

    ご参考となれば幸いです。

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