不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/07/01

    ご相談拝見いたしました。

    築20年の中規模マンションで、これまで常駐だった管理人が週3勤務に変わったとのこと。
    清掃や対応に遅れも出ているとのことで、住んでいて不便を感じ始めているのは自然なことです。

    このような管理体制の後退が、将来的な売却に影響するのか。
    結論としては、状況次第では影響する可能性があります。

    ▼買う側の目線からすると、中古マンションを検討する方は次のような点を重視します。

    ・この物件は今後も安心して住み続けられるか
    ・管理は行き届いているか
    ・周囲と比べてサービスレベルが落ちていないか

    ▼これらに照らすと、「管理人が週3日しかいない」という情報は、以下のような懸念につながります。

    ・清掃や共用部の美観が維持されない場合
    →ゴミ置き場やエントランスが常にきれいでないと、内見時の第一印象が悪くなります
    →裏階段や駐輪場などが荒れると、管理が不十分な印象につながります

    ・トラブルや異変にすぐ対応できない
    →常駐管理人がいれば即時対応できたことも、週3勤務では遅れがちになります

    ・設備不具合や住民トラブル、外部者の侵入などへの初期対応の遅れは、安心感を損ねる要因になります

    ・修繕や防犯の長期的リスクが疑われる

    ・管理人の勤務が減ったということは、財政的に厳しいのではないかと買主に思われることもあります
    →それが積立金や長期修繕計画に対する不信につながる可能性もあります

    ・周辺相場より見劣りする可能性
    →同じ価格帯の近隣マンションが常駐管理を維持している場合、比較対象として見劣りする可能性があり
    →内見時に管理体制について丁寧な説明が必要になる場面も考えられます



    ▼一方で、影響を抑えられるケースもあります

    ・清掃や見回りを業者委託などでしっかりカバーしている場合
    ・管理費削減が計画的であり、財政が健全であることが説明できる場合
    ・理事会や住民が主体的に防犯や修繕に取り組んでいる場合
    ・総会議事録などに、住民の合意や代替策が明記されている場合




    ▼今後すべきこととしては

    ・総会議事録を確認し、削減の理由や対応方針が明記されているかを把握する
    ・売却時に、管理人が少ないことがマイナス印象とならないよう
    ・他の管理体制や運営状況を説明できるよう整理しておく
    ・必要に応じて理事会に意見を出したり、住民同士で情報共有の提案をしておくと、将来的な安心材料になります



    管理人の勤務が減ったからといって、即座に資産価値が下がるわけではありません。しかし、管理の質が低下している印象や、将来への不安を買主に与えるような状態になると売却活動においてマイナス評価を受ける可能性はあります

    一方で、管理状況の見せ方や改善対応次第で十分カバーできる領域です。どう見せるか、何を補えているかを整理していくことで、物件の魅力を保つことは十分可能です

    ご参考となれば幸いです。

以下の記事もよく読まれています

無料で不動産の相談をする