不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/07/13

    奥林洋樹

    H.L.C不動産コンサルティング

    • 50代
    • 北海道
    • 男性
    • 専門家

    ご相談、拝見しました。
    指示等緩和協議が不調に終わった場合は弁護士案件となりますが、賠償請求することは可能と考えられます。

    推測でしかありませんが、賃貸当事者(物件オーナーと媒介業者、管理会社等)は「荷物預かり事業」の業務内容や事業形態を正確に理解せず、賃貸借契約を締結してしまったと推測されます。

    そのため、事業の性質上当然に予測される他のテナントとの軋轢やクレームの発生等に備えておらず、事業開始後、他のテナント等からのクレームが発生したから慌てて制約等を追加してきたと勘案されます。

    貴社は「荷物預かり事業」を運営すると事前説明を行ったうえで賃貸借契約を締結しており、かつ原契約に基づいた事業を運営しています。したがって契約書に記載されていない制約や指示を一方的に追加することは、契約違反となる可能性があります。

    ただし全ての制約や指示が違反とされるわけではありません。裁判を提起した場合には、以下のような内容が争点となるでしょう。

    ◯制約や指示の内容が、契約約款にたいし整合性を持つか
    ◯制約や指示の内容が、社会通念上合理的な内容かどうか
    ◯制約や指示の内容が、事業の目的達成を著しく妨げているか

    現時点では賃貸オーナーと管理会社と交渉されることをお勧めします。
    その際、以下のような点について留意する必要があります。

    ◯自社の事業内容について明確に主張する
    ◯契約書の約款を精査し、指示等が合理的であると勘案される内容が記載されているか確認する。そのうえで、契約書内容に合致しない指示等について反論する。
    ◯交渉時には録音する旨を宣言し、実際に録音データを残す。また、交渉内容について記録し、相手方の主張を証拠として残す。

    協議が合意に至らなければ、提訴が必要になります。そのうえで契約違反が認められれば、以下の損害について請求できる可能性があります。

    ◯立ち退き費用
    ◯営業機会の損失
    ◯信用毀損の損害

    可能であれば、協議の時点から弁護士に依頼した方が良い案件です。その場合、以下のような手順が想定されます。

    1.弁護士に相談し、契約内容と指示内容を精査する
    2.物件オーナー、管理会社との交渉(可能であれば弁護士立会のもと)
    3.法的措置の検討

    以上、多少なり参考になれば幸いです。

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