不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/10/26

    はじめまして、イエステーション博多店・箱崎店 ㈱コムハウスの角田と申します。

    叔父様が亡くなり、相続人としてご自宅を確認したところ、使っていない部屋や通路に大量の荷物・壊れた家電などが残っていたとのこと。このような場合、誰が処分費用を負担するか、また相続放棄で負担を避けられるかが大きなポイントになります。

    ①相続放棄をすれば、遺品整理や負債の負担は原則なくなる

    相続放棄を家庭裁判所に申し立てると、最初から相続人ではなかったとみなされます。
    そのため、相続財産に含まれる家や荷物、整理費用などに対して法的な支払義務はなくなります。

    ただし、相続放棄をするためには条件があります。
    手続期限:被相続人(叔父様)の死亡を知った日から3か月以内
    手続場所:亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
    必要書類:相続放棄申述書、戸籍謄本、収入印紙(800円)、郵便切手など
    この期間中に放棄するか判断が難しい場合は、「熟慮期間の延長申立て」も可能です。

    ②相続財産の調査は「OK」だが、処分は「NG」
    放棄を検討している段階であっても、相続財産の内容を調べること(調査行為)は認められています。しかし、処分や使用にあたる行為をしてしまうと、相続を承認した(=放棄できない)と判断されることがあります。

    行為 放棄前でもOK?
    家の中を確認して写真を撮る: 問題なし(調査行為)
    預金残高・資産の照会 :問題なし
    家具や家電を捨てる:危険(処分行為)
    家に住む・貸す:承認とみなされる恐れ
    預金を引き出す:放棄不可になる可能性

    つまり、現状確認まではしてよいが、実際の片づけや撤去はしないことが大切です。

    ③他の相続人がいる場合の進め方
    相続人が複数いる場合は、まず全員で遺産の状況を共有し、協議のうえで方針を決定します。
    遺産のプラス・マイナスを一覧化し、負債が多ければ放棄を選択することも現実的です。

    まずは遺産の全容を把握(家、預金、借金、動産など)
    相続人全員で協議(遺産分割協議書の作成)
    放棄を選ぶ場合は、家庭裁判所に個別で申述
    ※ 相続放棄をすると、その人は「最初から相続人でなかった」扱いになるため、遺産分割協議書には署名しません。

    〇不法投棄の可能性がある家電等への対応
    家の外の通路などに壊れた家電が大量にあるとのことですが、
    それが本当に叔父様の所有物でない場合、相続財産ではなく不法投棄物として扱われる可能性があります。

    対応手順は以下の通りです:
    現場を写真で記録(日時・状況を明確に)
    市役所の環境課または警察に相談
    → 不法投棄の疑いがあれば、行政または警察が確認・対応することがあります。
    自分では勝手に撤去・処分しない。
    自分で処分してしまうと、かえって「所有者」とみなされるリスクもあります。

    ⑤相続放棄後に誰も引き受けない場合
    全員が放棄した場合、その遺産(家・荷物など)は相続財産管理人という第三者が処理します。
    これは家庭裁判所に申立てて選任してもらいますが、申立人(最初に申し立てた人)が一定の予納金(数十万円)を負担することもあります。ただし、最終的には相続財産から費用が出るため、放棄した人個人に負担が残るわけではありません。

    ⑥弁護士・法テラスの活用
    相続放棄を検討していても、
    遺産の内容が複雑
    不法投棄の可能性がある
    他の相続人と連絡が取りにくい
    といった場合は、早めに弁護士や法テラスに相談するのが安心です。
    放棄すべきか、承認すべきか、どこまで調べてよいかなどを明確にアドバイスしてもらえます。

    〇まとめ
    相続放棄すれば費用負担は?:原則なし(最初から相続人でなかった扱い)
    放棄期限:相続開始を知った日から3か月以内(延長申請可)
    放棄前にできること:調査・確認・写真撮影など
    放棄前にしてはいけないこと:処分・売却・廃棄など
    不法投棄の疑い:写真記録+市役所・警察に相談
    他の相続人が放棄しない場合:その人が処分義務を負う可能性
    全員放棄した場合:相続財産管理人を選任して整理

    〇実務的アドバイス
    放棄の可能性があるうちは、片づけは「待つ」こと。
    状況の写真を残しておくと、後に「不法投棄」や「相続放棄の判断理由」を説明しやすくなります。
    判断に迷う場合は、家庭裁判所か弁護士に早めに相談しましょう。
    また、最終的なご相談は弁護士にお願いしましょう。

    以上、参考になれば幸いです。

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/10/17

    ご相談を拝見しました。

    相続を放棄すれば、相続財産の中に含まれる遺品整理費用などの負債からは解放されます。ですが、その決定をする前に、相続財産の詳細を把握することが大切です。

    他の相続人もおられるようですので、まずは遺産の詳細を確認し、相続人全員で協議を行う必要があります。そのうえで、遺産分割協議書を作成し、負債過多であれば放棄もやむ無しですが、整理して遺産がプラスとなるなら、放棄する前にその可能性を考慮すべきです。

    また、不法投機と思慮される家電が大量にあるとのことですが、それが事実である可能性が高ければ、警察に捜査を依頼できます。しかし、相続放棄の申述は、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に行う必要がありますから、まずは相続財産の調査と遺産分割協議を優先し、必要に応じて弁護士に相談するなどして迅速に方針を決定することが重要です。

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