不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/17

    このケースは、弟さんが「反対している」というより、
    そもそも連絡が取れないことで遺産分割が止まっている状態です。

    ここは、いつまでも電話やメールを繰り返すより、申告期限が迫っている以上、
    手続きを前に進めることを考えた方がいいと思います。

    まず大事なのは、弟さんの同意がないからといって、
    相続税の申告期限まで何もしなくてよいわけではないということです。

    相続税の申告期限は、原則として亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
    遺産分割がまとまっていなくても期限は延びません。
    未分割の場合は、原則として法定相続分で取得したものとして申告・納税することになります。

    ですから、今回まずやるべきなのは、
    相続税の申告を担当する税理士に、弟さんと連絡が取れないことをすぐ伝えることです。

    未分割のまま申告する場合、
    配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などをその時点では適用できない場合があります。
    ただし、申告時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出しておき、
    原則3年以内に遺産分割が成立すれば、
    後から更正の請求によって特例を適用できる場合があります。

    そして、弟さんとの連絡については司法書士に相談することをおすすめします。

    相続人の確定、戸籍の確認、相続登記などを進めているのであれば、
    司法書士に現在の状況を全部見てもらい、
    「弟に何度連絡しても返事がない。どのような方法で正式に意思確認をすればよいか」
    を相談するといいです。

    単に手紙を何度も送るだけではなく、
    内容証明郵便などで正式に協議を申し入れる方法もあります。
    ただし、内容証明を送れば弟さんの同意なしに遺産分割ができる、という話ではありません。

    それでも連絡が取れないのであれば、
    家庭裁判所の遺産分割調停を申し立てることも選択肢になります。

    遺産分割は相続人全員の協議が必要なので、
    弟さんが応じないまま一方的に遺産分割協議書を作ることはできません。
    一方、家庭裁判所では、
    相続人の一人から他の相続人全員を相手方として遺産分割調停を申し立てることができます。
    話し合いがまとまらなければ、一定の場合には審判に移行します。

    ここは少し冷静に考えた方がよくて、
    「弟が返事をしてくれないから何もできない」という状態にしてしまう必要はありません。

    私なら、まず税理士に相続税の未分割申告について確認する。
    司法書士に相続人・相続財産・登記関係を整理してもらう。
    弟には正式な形で遺産分割協議への参加を求める。
    それでも反応がなければ、弁護士に相談して家庭裁判所の遺産分割調停を検討する。
    という順番で進めます。

    特に、申告期限が来月なら、
    今から「弟がそのうち返事するかもしれない」と待つのはおすすめしません。

    相続税の申告と遺産分割は別の問題として、期限のあるものから先に処理していくことです。

    なお、相続税がそもそも発生する財産規模なのか、遺産の中に不動産があるのか、
    弟さんが意図的に無視しているのか単に所在不明なのかによって、実務上の対応も変わります。

    今回のようなケースは、不動産の相続登記だけなら司法書士、相続税なら税理士、
    弟さんとの遺産分割そのものが進まないのであれば弁護士と、
    それぞれの専門家に役割を分けて相談するのが一番現実的だと思います。

    焦って弟さん抜きで勝手に処理するのではなく、
    「連絡が取れないからこそ、正式な手続きに切り替えて前に進める」と考えた方がいいでしょう。

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/08/18

    結論を申しますと、長年疎遠となっている弟さんが無視を続けていても、弟さんの同意なしに遺産を分ける方法はありません。

    しかし、来月の相続税申告と今後の解決に向け、以下の2ステップで対応可能です。

    ◆ 来月までの緊急対応 … 未分割申告
    期限までに合意できない場合は、一旦遺産を「未分割(みぶんかつ)のまま申告」を行います。
     •納税方法… 法定相続分(質問者様1/2、弟1/2)で引き継いだと仮定して税金を計算し、各自が納税します。
     •注意点… 「小規模宅地等の特例」など、税金が安くなる特例が一時的に使えなくなります。
     •必須書類… 申告書と一緒に「申告期限後3年以内の分割見込書」を必ず提出してください。これを出せば、後日遺産が決まった際に特例を適用して、払いすぎた税金を取り戻せます。

    ◆ 弟さんの同意なしで進める法的手続き
    申告終了後(または並行して)、以下の法的手段に移行します。
     •弁護士名義の書面発送… 個人での連絡は無視できても、弁護士からの「内容証明郵便」には応じるケースが多いです。
     •遺産分割調停の申立て… 手紙も無視された場合、家庭裁判所へ「遺産分割調停」の申し立てをします。これにより裁判所から弟さんのところへ裁判所からの出頭通知が届きます。
     •最終手段「審判(しんぱん)」… 調停(話し合い)にすら弟が来ない、または決裂した場合、裁判官が遺産分割の決定(審判)を下します。審判書があれば、弟さんの同意や印鑑がなくても、銀行口座の解約や不動産の名義変更が可能になります。

    ◆今後の流れ
     1.来月中に「未分割申告」を済ませ、一度納税する(その際に分割見込書を同封する)。
     2.申告後に裁判所へ「遺産分割調停」を申し立てる。
     3.(解決後)遺産分割の確定後4ヶ月以内に「更正の請求」を行い、特例を適用して払いすぎた税金の還付を受ける。

    まずは来月の申告期限を守ることを最優先にしましょう。

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