不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/20

    まず、税務署からお尋ねが代表相続人である相談者さんだけに届いたからといって、
    譲渡所得税を相談者さん一人ですべて負担するという意味ではありません。

    ここは少し誤解しやすいところです。

    換価分割とは、相続した不動産そのものを兄弟で持ち続けるのではなく、
    売却して、その売却代金を相続人間で分ける方法です。

    例えば、遺産分割協議で「実家を売却し、売却代金を兄と私で2分の1ずつ取得する」と決め、
    その売却手続きの都合上、相談者さん一人の名義にして売却したのであれば、
    単に売却手続きをするために一人の名義にしただけで、
    相談者さんが実家を丸ごと自分の財産として取得した、ということにはなりません。

    国税庁も、換価分割のために共同相続人のうち一人の名義で相続登記をし、
    売却後に代金を分配する場合、単に換価のための便宜として一人名義にしたもので、
    遺産分割の内容に従って実際に分配しているのであれば、
    兄弟間の贈与税の問題にはならないとしています。

    そして、今回もっと重要なのが譲渡所得の申告です。

    不動産を売却した場合の譲渡所得は、
    基本的には「売却価格-取得費-譲渡費用-特別控除」などから計算します。

    換価分割の場合、誰がどの割合でその不動産を取得して売却したことになるのかによって、
    誰がどの割合の譲渡所得を申告するのかが決まります。

    今回のように、
    兄と相談者さんが2分の1ずつ取得するという換価分割が明確になっているのであれば、
    原則として兄と相談者さんがそれぞれ自分の持分・取得割合に応じて譲渡所得を申告する、
    という考え方になります。
    国税庁も、換価時までに換価代金の取得割合が定められている場合、
    その割合に応じて譲渡所得を申告するとしています。

    したがって、
    「代表相続人だから、売却代金を一度自分が受け取ったから、譲渡所得税も全部自分のもの」
    という考え方ではありません。

    ただし、ここで一つ注意したいのは、
    「兄に半分渡した」という事実だけで換価分割になるわけではないという点です。

    税務署から見れば、登記名義も売主も相談者さんになっているので、
    「なぜ相談者さんがこの不動産を売却したのか」「兄はどのような権利を持っていたのか」
    「なぜ売却代金を兄に渡したのか」を確認したくなるのは自然です。

    ですから、遺産分割協議書などに、
    「この不動産を売却し、売却代金を兄と相談者さんで2分の1ずつ取得する」
    という内容が残っているのであれば、それをきちんと保管しておくことが重要です。

    加えて、売買契約書、相続登記関係書類、売却代金が入った通帳、
    兄へ代金を分配した記録なども、実際の換価分割の流れが分かる資料になります。

    特に今回は、税務署からすでにお尋ねが来ているので、
    「兄にも半分渡したから大丈夫」と自己判断して終わらせない方がいいと思います。

    税務署には、
    「この不動産は換価分割で、兄と私が2分の1ずつ取得する内容で遺産分割しています。
    売却手続きのため私が代表して名義人となり、売却代金も実際に2分の1ずつ分配しています」
    という事実関係を説明し、遺産分割協議書などを求められれば提示すればいいでしょう。

    なお、相続した不動産の売却では、相続税を支払っている場合に、
    一定の条件を満たせばその相続税の一部を不動産の取得費に加算できる
    「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」があります。
    これによって譲渡所得が変わることもありますので、相続税を納めているのであれば、
    ここも忘れずに確認した方がいいです。

    今回のケースで私なら、まず税務署からのお尋ねを怖がるより、
    「換価分割であることを示せる書類を揃えて、
    兄と自分がそれぞれどのように申告するのかを税務署または税理士に確認する」
    ことをおすすめします。

    代表相続人というのは、あくまで相続人を代表して売却などの手続きを進める立場であって、
    それだけを理由に譲渡所得税まで全額を一人で負担するということではありません。

    ただ、換価分割の内容や名義、
    実際の代金分配の状況によって税務上の扱いが変わることがあります。

    特に今回は「一人名義で売却して、兄に半分を渡した」という形ですから、
    遺産分割協議書の内容を確認したうえで判断することが大切です。

    もし協議書に換価分割のことがきちんと書かれているのであれば、
    それを持って税務署や税理士に確認すれば、かなり話は整理しやすいと思います。

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/08/21

    「売却代金を折半したなら、譲渡所得税の申告・納税も兄弟それぞれが 半分ずつ発生(負担)する」のが原則で、代表相続人だからといって、他人の税金まで全て負担する義務はありません。
    ただし税務署に「贈与ではなく換価分割である」と正しく認めてもらえるかは、遺産分割協議書の内容や不動産の登記がどうなっているのか、で大きく異なります。

    ◆遺産分割協議書と登記による違い
    税務署はお尋ねの段階では「実態」を把握できていないため、以下の状況に応じて証明することが必要になります。
     •遺産分割協議書の有無
      遺産分割協議書に「便宜上、代表者(あなた)の名義にするが、売却代金は兄弟で折半する」という換価分割の旨が明記されていれば、それが確実な証明になります。
     •登記名義
      売却前に「兄弟2人の共同名義」にしていれば換価分割だと一目で分かります。
      しかし、手続きの都合上「あなたの単独名義」にして売却した場合、上記の協議書がないと税務署から「あなた1人の売却(兄への送金は贈与)」と疑われるリスクが生じます。

    ◆代表相続人の義務とお尋ねへの対応
    宛名があなただけなのは、不動産の最後の名義人(売主)があなただからです。
    手続きを代表しただけで、納税まで1人で抱え込む必要はありません。
     •申告・納税
      換価分割が証明できれば、兄弟がそれぞれ「自分の取り分(半分)」について個別に確定申告と納税を行います。
     •お尋ねへの回答
      回答書に「換価分割であり代金は折半した」旨を記入し、遺産分割協議書のコピーや代金を送金した通帳の履歴を添付して提出します。

    ◆今後の対応
    まずはお手元の遺産分割協議書の内容を確認し、所定の文言があればそれを証拠として、お尋ねに回答するとともにし兄弟それぞれで申告準備を進めます。
    もし遺産分割協議書に記載がない、または換価分割の記載がない場合は、贈与税を課されるリスクがあるため、早急に税理士や税務署の窓口へ相談することをおすすめします。

以下の記事もよく読まれています

相談先を選択してください

個人情報保護方針に同意の上、送信ください。

相談テンプレート

住み替えを検討しています。下記物件を売りたいのですが、いくらで売れるでしょうか。
直接◯◯さんに相談したいです。

所在地:品川区〇〇
築年数:15年
間取り:3LDK
専有面積:72㎡
階数/総階数:8階/20階建
管理費・修繕積立金:25,000円/月
現在この物件に住んでいます。

無料で不動産の相談をする