不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/09/22

    ご相談を拝見しました。

    2021年に国土交通省が定めた「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」により、不動産業者が扱わなければならない基準が明確化されています。

    宅地建物取引業者が媒介を行う場合、売主・貸主に対し、過去に生じた人の死について、告知書等に記載を求めることで、通常の情報収集としての調査義務を果たしたものとするとされています。

    そのため、原則として自ら周辺住民に聞き込みを行う、インターネットサイトを調査するなどの自発的な調査を行う義務は無く、仮に調査を行う場合であっても、亡くなった方やその遺族等の名誉及び生活の平穏に十分配慮する必要があるとされています。したがって、氏名、年齢、住所、家族構成や具体的な死の態様、発見状況等を告げる必要はないのです。

    このように、宅建業者の告知については限界があるため、事件の具体的な内容や背景、凄惨さなど、ガイドラインで配慮されるような詳細まで把握して判断したい場合は、業者からの回答を待つだけでなく、ご自身で周辺環境等を調査するのが現実的かつ確実な方法となるでしょう。

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/09/22

    「室内で人が亡くなった」というだけでは、まだその物件をどう判断するかは難しいと思います。

    今回のように、相場より安く、しかも「告知事項あり」と説明されているのであれば、
    購入を前向きに検討するためにも、死亡の状況をもう少し確認したいというのは当然です。

    国土交通省のガイドラインでも、人の死については、自然死や日常生活上の不慮の死なのか、
    それ以外の死なのか、特殊清掃が行われたのか、
    事件性や社会的影響がどの程度あるのかなどによって、告知の考え方が整理されています。
    また、買主から人の死について具体的に質問された場合には、経過した期間や死因にかかわらず、
    告げる必要があるとされています。

    ですから、「前の入居者が室内で亡くなった」という説明だけで終わらせてよいとは限りません。

    少なくとも今回であれば、亡くなった時期、死因が自然死なのか自殺・事故・事件などなのか、
    発見までどの程度の時間があったのか、特殊清掃が行われたのか、
    このあたりは確認してもらっていいと思います。

    ただし、担当者が現時点で詳しいことを知らないというのは、
    必ずしもおかしいことではありません。

    仲介会社が売主から聞いている情報が「室内で人が亡くなった」というところまでであれば、
    担当者自身が勝手に推測して説明することはできません。
    国土交通省のガイドラインでも、
    仲介業者は売主・貸主に告知書等への記載を求めることで
    通常の情報収集を行うこととされており、必要に応じて売主に確認することになります。

    ですから、今回「売主さんに確認してみます」と言われたのであれば、
    そこは確認してもらえばいいと思います。

    そして、購入を検討している人だから詳しい内容を教えてもらえない、ということでもありません。

    むしろ今回は、購入判断に必要な情報として具体的に確認しているわけですから、
    売主側が把握している事実については、できる限り確認してもらうべきです。

    ただ、個人情報や亡くなった方・ご遺族のプライバシーに関わる部分まで、
    何でも開示されるわけではありません。
    例えば亡くなった方の氏名や家族構成などまで知る必要はありませんし、
    仲介会社もそこまで伝えるべきではありません。

    私なら、「誰が亡くなったのか」よりも、
    「どのような亡くなり方で、どのような状態で発見され、室内にどのような影響が残ったのか」
    を確認します。

    例えば、病死や自然死で、比較的早く発見され、特殊清掃も必要なかったのであれば、
    私はそれだけで購入をやめる必要はないと思います。

    一方で、自殺や事件、事故であったり、
    発見までかなり時間がかかって特殊清掃が行われていたりするのであれば、
    同じ「室内で人が亡くなった」という告知でも、考え方は変わってきます。

    そして今回のように相場より安いのであれば、
    「告知事項があるから安い」ということも十分考えられます。

    大事なのは、告知事項があるから買わない、ではなく、その内容を把握したうえで、
    その内容と価格のバランスを自分が納得できるかです。

    逆に、安いからという理由だけで詳細が分からないまま申し込むのも私は勧めません。

    今回のケースなら、まず売主に確認してもらって、分かる範囲で事実を教えてもらう。
    その内容を聞いてから、
    「自分なら気にしない範囲なのか」「この価格なら受け入れられるのか」
    を判断すればいいと思います。

    告知事項のある物件でも、内容によっては普通に検討できる物件はあります。
    大切なのは「人が亡くなった」という一言だけで判断するのではなく、
    亡くなった状況と発見までの経緯、室内への影響、
    そして何より現在の価格がその事情を踏まえて納得できるものなのかを見ることです。

    今回、前向きに検討する気持ちがあるのであれば、
    売主への確認を待ってから判断するという進め方で問題ないと思います。

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