不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/10/05

    岩下桂子

    幸山FP事務所

    • 東京都
    • 女性
    • 専門家

    この状況を詳しく検討してみましょう。

    ■年収と借入額
    一般的には年収の5~7倍程度が基準となります。年収500万円に対して3,000万円のローンは、一般的な基準内(年収の6倍)ではありますが、お気づきの通り「借りられる」と「返せる」は同じではありません。無理をせず5倍程度に抑えることが肝要です。

    ■月々の返済額
    3,000万円を35年ローン、金利1%と仮定すると、月々の返済額は約86,000円になります。
    (目安としてお考えください。変動金利と固定金利、どちらを選ぶかでも返済額は変わります。それぞれメリット・デメリットがあります)

    収支の検討:
    - 月収(概算): 500万円 ÷ 12 = 約417,000円
    - ローン返済: 約86,000円
    - 奨学金返済: 月15,000円 + (100,000円 ÷ 6) ≈ 31,700円

    ローンと奨学金の返済だけで月収の約28%を占めることになります。一般的に、住宅ローンの返済額は手取り収入の25%以下が望ましいとされています。


    また、返済負担率には自動車ローン、携帯電話の分割払いやリボ払いなども含みますので注意が必要です。

    その他の考慮点:
    1. 子育て費用: 3歳のお子さんがいるため、教育費などの支出が今後増加する可能性があります。
    2. 将来の収入増: 30代後半なので、今後の大幅な収入増は見込みにくいかもしれません。
    3. 貯蓄: 緊急時の備えや将来の支出に備えた貯蓄が難しくなる可能性があります。
    4. 生活費: 西東京は比較的物価が高い地域です。

    結論:
    ご相談の情報だけで考えると、現在の状況では3,000万円の住宅ローンはやや厳しいかもしれません。より安全な選択肢としては:

    1. より安価な物件を探す
    2. 頭金を増やしてローン額を減らす
    3. 収入を増やす方法を検討する(ペアローンはお勧めしません)
    4. もう少し貯蓄を増やしてから購入を検討する

    これらの選択肢を考慮し、慎重に判断することをお勧めします。必要であれば、ファイナンシャルプランナーに相談するのも良い方法です。​​​​​​​​​​​​​​​​ゴリ押しをしない良心的で優良な担当者(大手住宅メーカー)や不動産業者の紹介を受けることも可能です。


    『衣食住』は生活の基本要素ですが、私は特に『住』の重要性を強調したいと思います。適切な住まいは、単なる物理的な空間以上の意味を持つからです。

    住まいは、家族の安全を守り、思い出を作り、そして将来への投資となる大切な場所です。それは単なる建物ではなく、家族の夢と希望が詰まった空間なのです。

    しかし、『何とかなるだろう』という楽観的な考えだけで住宅購入を急ぐと、深刻な問題に直面する可能性があります。例えば、予期せぬ金利上昇や収入の減少により、ローンの返済が困難になることもあります。最悪の場合、大切な家を手放さざるを得なくなったり、経済的ストレスから家族関係が悪化したりすることさえあるのです。

    理想の住まいは、慎重な計画と適切な準備があって初めて手に入れることができます。拙速な判断は避け、家族で十分に話し合い、専門家のアドバイスも得ながら、長期的な視点で住宅購入を検討してください。そうすることで、きっと家族全員が安心して暮らせる、本当の意味での『理想の我が家』を手に入れることができるはずです。

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