不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/02/22

    奥林洋樹

    H.L.C不動産コンサルティング

    • 50代
    • 北海道
    • 男性
    • 専門家

    ご相談を拝見しました。

    売主から直接、相談者様に引渡遅延の連絡が入ること自体が好ましくありません。無論、直接の交渉を禁じる定めはありませんが、売主と買主が直接交渉した場合には意図せぬ問題が発生する可能性が高まります。そのような事態に陥るのを未然に防止して、当事者間の利害関係を調整するのが媒介業者の役割です。この点において相談者様は、「担当者が頼りない」と指摘されているのでしょう。

    さて、結論から言えば引渡遅延について相手方の理由や「誠意」云々は関係ありません。契約書に記載された約定どおり引き渡しを求める、それが実現できないのなら相応の損害金を請求されれば良いでしょう。

    天災地変など、売主の責に帰さない事由があるなら話は別ですが、本件は諸事情があるにせよ引越の遅れが原因です。相手方の要望に応じるか否かは相談者様の判断次第ですが、不動産の売買契約は特段の定めがない限り、物件の引渡し(所有権移転を含む)と代金の支払いは同時履行の関係にあります。相談者様はすでに残代金支払いの準備を終え、かつ引越準備にも着手されているのですから、その旨を強く媒介担当者に主張して売主と協議するよう促せば良いでしょう。

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/02/21

    森本 慎也

    株式会社TERASS

    • 40代
    • 北海道
    • 男性
    • 不動産会社

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    ご質問のなかで、引き渡し遅延に関するものが多い気がします。
    一過性のものなんでしょうか?

    この辺りの見解を「奥林さん」から伺いたいところです。
    (※ご回答いつも興味深く拝見しております、勉強になります。)


    営業マンが頼りないっというのが1番のネックな気がします。
    売主寄りになってるのかもしれませんね。諸事情あると思いますが、私からは以下回答させていただきます。


    引き渡し延期を求められた場合の対応策

    契約書で引き渡し日が今月末と明記されているにもかかわらず、売主側からの都合で延期を求められており、ご相談者様はすでに退去の手続きも済ませていることから、引き渡し延期は大きな影響を及ぼす問題と推察いたします。

    1. 基本的なスタンスを明確にする

    売主様の事情はあるとしても、契約で定めた引き渡し日を守る義務があります。
    まずは、「契約通りの引き渡しを求める」 という姿勢をはっきり伝えることが重要です。

    不動産取引において、引き渡し日を守れない場合、売主は違約責任を負うことになります。
    今回、売主様は誠意を持って対応すると言っていますが、それはご相談者が受け入れる義務のあるものではありません。そもそも誠意を持って対応するなら引渡し日に引渡すべきです。


    2. 売主に引き渡しを間に合わせるよう調整を促す

    売主様が「引っ越しが間に合わない」と言っている場合でも、次のような手段で引き渡しを予定通り進めることが可能です。

    売主が仮住まい(ホテル・マンスリーマンションなど)を手配する
    荷物をトランクルーム等に預けてでも退去を完了させる
    不動産会社を通じて売主の引っ越し手配を早める

    「退去が間に合わない」という理由は売主の都合であり、買主が譲歩する理由にはなりません。
    不動産会社にも強く働きかけ、契約通りのスケジュールで進めるよう調整を促しましょう。


    3. 遅延による違約金の請求を示唆する

    契約書に「引き渡し遅延の場合は違約金を請求できる」との記載がある場合、「契約違反となるため、違約金請求も検討せざるを得ない」という意思を示すことで、売主が早急に対策を取る可能性があります。

    違約金を請求する具体的な流れとしては、
    1 書面で引き渡しの履行を求める通知を送る
    2 引き渡しができなかった場合、違約金を請求する旨を正式に伝える
    3 それでも対応しない場合、弁護士に相談し、法的手続きを進める

    このような姿勢を示せば、売主も交渉を真剣に進める可能性が高くなります。
    契約済みであれば、おそらく折れます。


    4. やむを得ず延期を受け入れる場合の条件を提示

    仮に、やむを得ず1か月の延期を受け入れる場合でも、以下の条件を明確に提示し、負担を軽減できるようにしましょう。

    1か月分の仮住まい費用(賃貸料・ホテル代など)を売主様に負担させる
    違約金の全額または一部を請求する。
    書面で合意を取り、今後のトラブルを避ける。

    売主がしつこく粘っているとのことですが、買主の負担が増える一方の交渉は受け入れる必要がありません。


    5. 不動産会社が頼りない場合の対策

    担当者が頼りなく、対応に不安がある場合は、以下の対応を検討しましょう。

    担当者の上司に相談し、より経験のあるスタッフに対応を求める
    契約違反の可能性を示し、毅然とした対応をするよう求める
    宅地建物取引業者(仲介業者)が適切な対応をしない場合、行政(都道府県の宅建業免許窓口)に相談することを示唆する

    また、場合によっては弁護士への相談 も視野に入れ、法的に対応する姿勢を見せることで、売主側の態度が変わることもあります。


    引き渡し日の延期は売主側の都合によるものであり、買主が無条件で受け入れる必要はありません。
    1. 契約通りの引き渡しを求める
    2. 売主の引っ越し調整を促す(仮住まい手配など)
    3. 違約金の請求を示唆し、契約を守るよう求める
    4. 延期を受け入れる場合は、費用負担などの条件を明確にする
    5. 不動産会社が頼りない場合は、上司に相談する

    売主に強く主張し、不動産会社にも適切な対応を取らせることで、できる限り契約通りの引き渡しを実現できるように動きましょう。


    \素敵な1日になりますように!/


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