不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/03/01

    森本 慎也

    株式会社TERASS

    • 40代
    • 北海道
    • 男性
    • 不動産会社

    過去分譲マンション開発の担当をしておりましたが、開発後に道路を挟んで向かい側にある駐車場にビル建設が決まった際、クレームを受けた記憶があります。
    とはいえ重要事項説明時に計画はないものの、建設の可能性についてはお話をさせていただいておりましたので、大きな問題にはなりませんでした。


    「知ってて買う」のと「知らずに買った」では全く違ってきますよね。


    さて、回答させていただきます。


    ◎不動産取引における「重要事項説明」は宅地建物取引業法に基づく義務

    目の前の土地に建設が予定されていた場合、それが「近隣の都市計画や開発行為」に該当するなら、原則として説明されるべき事項です。ただし、次の点がポイントになります。

    ・計画の確定時期
    もし契約時点で開発計画が「噂」や「未確定な段階」だった場合、不動産会社が「知らなかった」と主張する可能性があります。都市計画や開発行為は、自治体による正式な許可(開発行為許可)が下りる前だと、一般に公開されないこともあります。

    ・調査義務の範囲
    不動産会社には「通常期待される範囲での調査義務」がありますが、例えば近隣の土地所有者が個人的に計画を進めていた場合、それが公的な情報として把握できなかった可能性も考慮されます。

    もし売主や不動産会社が計画を「知っていたのに隠していた」ことが証明できれば、これは説明義務違反(民法や宅建業法違反)に該当し、法的な責任を問える可能性があります。


    ◎不動産会社に問い合わせるべきこと
    まず、重要事項説明書を確認するのが最優先です。

    「近隣の都市計画や開発計画に関する記載があったか?」
    もし記載がなければ、「なぜ記載されなかったのか」「当時把握していなかったのか」を明確に確認しましょう。

    「売主や仲介業者が計画を知っていた証拠はないか?」
    例えば、不動産会社の内部資料やメール、売主とのやり取りなどで計画を知っていた痕跡が残っている可能性があります。


    問い合わせる際は、感情的にならず事実ベースで冷静に進めるのが効果的です。
    また、回答を文書で求めると後々の証拠になります。


    ◎交渉や法的手段について
    不動産会社や売主の対応次第で、次のステップが決まります。

    ・説明義務違反の追及
    不動産会社に「宅建業法第35条に基づく重要事項説明の義務を怠った可能性がある」と指摘し、対応を求めるのは有効です。消費者センターや宅建協会に相談するのも良い思います。

    ・損害賠償請求
    損害賠償を求める場合、「知っていたことを隠した証拠」と「それによる具体的な損害(例: 資産価値の下落)」を立証する必要があります。不動産鑑定士に現在の価値を査定してもらい、損害額を具体化するのも一つの方法です。


    ・早期売却
    売却する場合、新たな買主に対して「マンション建設予定があること」を正直に伝える義務が生じます。これを怠ると、説明義務違反に問われるリスクがあるので注意が必要です。



    まとめますと
    ・重要事項説明書を再確認し、記載漏れがないかチェック。
    ・不動産会社に問い合わせを行い、当時の状況を文書で回答するよう依頼。


    もし不信感が残るなら、弁護士や宅建協会に相談して法的な視点でアドバイスをもらう。

    この状況は確かにストレスが大きいと思いますが、事実を一つずつ整理していくことで道が開けるはずです。何か具体的な質問やサポートが必要なら、遠慮なく教えてくださいね!


    \素敵な1日になりますように!/


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