不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/03/12

    森本 慎也

    株式会社TERASS

    • 40代
    • 北海道
    • 男性
    • 不動産会社

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    これはみんなが知りたいご質問だと思うので少々詳しく回答させていただきました。
    長くなってしまいましたが、ご参考までに一読いただければ幸いです。
    本文章はNote方でも掲載させていただきます。



    住宅ローン控除とふるさと納税を併用すると「損する」と言われることがありますが、これは半分本当で半分誤解です。

    結論としては、「損をする」のではなく、「ふるさと納税の控除枠(限度額)が小さくなる場合がある」というのが正しい理解と思います。


    ではなぜ「住宅ローン控除」と「ふるさと納税」を併用すると「損をする」と言われるのか?

    まず、おさらいとしまして。
    住宅ローン控除とふるさと納税は、いずれも「所得税や住民税」を減税する制度です。


    住宅ローン控除(控除期間は原則10〜13年間)
    →年末のローン残高の一定割合(基本的に0.7%~1%)を所得税から引く制度
     →引ききれない分は「住民税」から控除

    ふるさと納税(控除できる金額(限度額)は、所得税・住民税額に応じて決定)
    →自己負担2,000円を除いた寄附金額が「所得税と住民税」から控除される制度。


    これらを併用した場合に注意すべきポイント

    住宅ローン控除が大きいと、ふるさと納税の控除枠が「減る」可能性がある。

    つまり、
    住宅ローン控除により住民税がすでに安くなっている→ふるさと納税で控除できる住民税が少なくなる = 「ふるさと納税を多くしてもお得にならない場合がある」ということです。


    ふるさと納税の控除額は「所得税と住民税」から控除されますが、ほとんどが「住民税」からの控除です。

    住宅ローン控除も「所得税と住民税」から控除されます。
    所得税が引き切れない場合、「残りが住民税」から控除されます(最大97,500円などの上限あり)。

    なので、
    もし住宅ローン控除で所得税がゼロになり、さらに住民税からも最大限(97,500円)の控除が行われると →「住民税自体が減る=ふるさと納税の控除余地が少なくなる」状況が発生します。

    結果、ふるさと納税の寄附金限度額が下がることになるため、「お得度」が減少します。


    シンプルな例で考えてみます。

    例えば
    課税所得:500万円(所得税+住民税=約30万円と仮定)
    住宅ローン控除額(初年度):30万円(所得税20万円+住民税10万円と仮定)
    ふるさと納税可能限度額:6万円(住宅ローン控除なしの場合)

    この場合:
    本来支払う税金(所得税+住民税)=30万円
    住宅ローン控除で税金が▲30万円(所得税20万円+住民税10万円)
    結果、所得税と住民税はゼロになる(すでに全額控除済み)。

    この状態でさらに「ふるさと納税」をしても、すでに控除する税金が残っていないため、2,000円を除いてほぼ全額が自己負担になる可能性があります。

    つまり、こういうケースが『損をする可能性』と言われるゆえんです。


    6月頃に届く 『住民税決定通知書』 で控除の詳細が明記されているので、それで判断するのが正確です。


    まとめますと。
    ◎住宅ローン控除とふるさと納税を併用すると、ふるさと納税の控除枠が減る可能性がある(=結果的にふるさと納税の効果が薄れる)。
    ◎「損をする」わけではないが、「ふるさと納税」の恩恵が少なくなる可能性がある。
    ◎今回確定申告済みなら、6月に届く住民税決定通知書で実際の影響を確認する。

    以上を踏まえて、来年以降の納税計画に役立てていただければと思います!


    \素敵な1日になりますように!/


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