不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/07/06

    ご相談拝見しました。

    親御さん名義のマンションを売りたい。だけど、認知症の診断があるから手続きが進められない。。

    「家族の間で話はまとまってるし、もう空き家だからすぐ動けると思った」
    そうおっしゃる方は多いです。でも、不動産の売却は、ご本人の意思があってはじめて成り立つもの。
    意思確認ができない場合は、たとえご家族でも勝手に売ることはできません。

    【まず確認すべきこと】
    親御さんが今、売却の内容を理解して判断できる状態かどうか。ここが分かれ道になります。

    → 医師の診断書で「契約の意思能力あり」と判断されれば、ご本人が売主として署名・押印の上、売却手続きは進められます。

    → 一方で、意思能力がないと判断された場合は、“成年後見人”を立てる必要があります。

    【成年後見制度を使う場合のざっくり流れ】

    ① 家庭裁判所に後見人選任の申立て
     ご家族からも出せますし、司法書士や弁護士に相談することも可能です。

    ② 後見人が選ばれる(家族になるとは限らず、専門家がつくことも)

    ③ 不動産の売却に向けた準備と判断
     売却が、本人の利益に繋がると認められれば、次に進めます。

    ④ 家庭裁判所の許可を得て、ようやく契約へ
    →買主が決まった後、裁判所の「OK」が出てからじゃないと契約できません。

    ここまで来るのに、ざっくり2〜3か月は見ておくと良いです。

    【現時点でやっておきたいこと】

    ・親御さんの主治医に、「契約内容を理解できるか」の診断をお願いする

    ・意思能力が難しければ、司法書士や弁護士に成年後見の相談を

    ・売却が本当に必要かどうか(介護・施設入所・相続整理など)も一緒に整理しておく

    ・信頼できる不動産会社に、状況を共有して準備を進めておく

    ご家族だけで悩んでいると、どうしても「売りたいのに売れない…」と行き詰まってしまいます。

    しかし、上記のように順を追って準備していけば、前に進められる可能性もあります。

    相談者様とご家族様の今後に、少しでもご参考となれば幸いです。

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/07/06

    ご相談を拝見しました。認知機能が低下しても、必ず後見制度が必要とされるわけではありません。

    しかしながら、事理弁識能力が著しく低下していると判断される場合には、売買に関与する不動産業者や登記手続きを担う司法書士は業務を受任しません。そのため、必然的に後見制度の利用が必要となります。

    判断能力が不十分な状態であれば「任意後見制度」は選択できませんので、法定後見制度の一択となります。

    法定後見制度の利用方法や必要書類については、裁判所のホームページに記載されていますのでそちらをご確認ください。申し立てが難しいと思われる場合には、弁護士に相談されることをお勧めします。

    また、後見人は必ずしも親族から専任されるわけではない点に留意が必要です。候補者以外の弁護士、司法書士などが専任される場合もあり、その決定に対し、親族は不服の申し立てをできません。

    さらに、親族が後見人に専任されたとしても、親御様名義のマンションを処分する際には家庭裁判所の許可が必要です。家庭裁判所は、売却の必要性や本人の生活状況、売却条件、売却代金の保管方法などの要素を判断材料としますので、許可が得られるとは限らない点に注意が必要です。

    どなたから後見制度の利用を推奨されたのかは記載されていませんが、外形的に事理弁式能力が著しく欠けていると判断し助言したのでしょう。そのような状態である以上、家族だけで売買手続きを行うことはできません。

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