不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/17

    このケースは、
    まず「省エネ基準適合と書いてあるのだから住宅ローン控除も当然使える」
    と考えない方がいいと思います。

    住宅ローン控除は、住宅そのものが省エネ性能を満たしているかだけではなく、
    その性能を所定の書類で証明できるかが実務上かなり重要です。
    令和8年に中古住宅を取得する場合、省エネ基準適合住宅として控除を受けるには、
    住宅省エネルギー性能証明書や建設住宅性能評価書などによる証明が必要とされています。

    ですから、「建物自体はたぶん省エネ基準を満たしている」「でも証明書がない」という状態なら、
    私は控除を受けられる前提では資金計算しません。

    ここは結構大事です。

    売主側に証明書の取得をお願いすること自体は構いませんし、
    売買条件として「証明書を取得できること」を条件にする交渉もできます。

    ただし、売主には必ず取得する義務があるわけではありません。

    また、証明書を取るために調査費用や手間がかかるのであれば、
    売主が「そこまでして対応するつもりはない」と考えることもあります。
    逆に、買主がどうしても欲しいのであれば、費用負担を含めて交渉する余地はあります。

    結局ここは、正解が一つある話ではなく交渉です。

    そして、私なら一番最初に「この物件の目的は何なのか」を考えます。

    例えば、「このマンションがどうしても欲しい。住宅ローン控除が使えれば嬉しい」という話なら、
    証明書が取れないからといって、すぐ物件を諦める必要はないと思います。

    一方、「住宅ローン控除を使えることを前提に、この予算で購入している」
    のであれば話は変わります。

    その場合、証明書が出ない可能性を残したまま契約するのは、私はあまり勧めません。

    省エネ基準適合住宅として認められる場合と、それ以外の中古住宅では、
    住宅ローン控除の借入限度額や控除期間にも違いがあります。
    令和8年に居住する中古住宅では、省エネ基準適合住宅なら控除期間13年、
    年末残高の限度額は原則2,000万円または3,000万円の区分がありますが、
    それ以外の中古住宅では10年間・2,000万円が基本です。
    年齢や扶養親族などによって限度額の区分も変わります。

    ですから、数百万円単位の価格差と同じように考えるものではありませんが、
    控除額がいくら変わるのかを実際の自分の所得・借入額で計算して、
    その金額を見てから交渉するのが一番現実的です。

    そして担当者には、
    「省エネ基準に適合している可能性が高い、ではなく、
    住宅ローン控除の対象として使えることを証明できるのか確認してください」
    と聞いていいと思います。

    そのうえで、
    「売主に証明書取得をお願いできるのか」
    「取得費用はいくらくらいなのか」
    「誰が負担するのか」
    「いつまでに証明できるのか」
    「証明できなかった場合はどうするのか」
    ここまで確認してから判断すればいいです。

    私なら、省エネ性能が絶対条件なら、証明書が出ることを確認できるまで契約を急がないです。

    逆に、物件そのものが気に入っていて、証明書がなくても購入する価値があるのであれば、
    そこは価格も含めて交渉してみる。

    「控除が使えるかもしれないから買う」のではなく、控除が使えなかったとしても、
    この物件をこの価格で買いたいのか。

    そこまで考えて決めるのが、後悔しにくい判断だと思います。

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/08/18

    ご相談を拝見しました。

    原則として新耐震基準(1982年)以降に建築されたマンションであれば、床面積や借入期間など求められる要件を満たしていえれば、省エネ基準適合証明書がなくとも住宅ローン控除が利用できます。

    ただし、省エネ性能が高い住宅に対しては優遇があり、住宅ローン控除枠の上限が2,000万円から3,000万円に、控除期間が10年から13年に、それぞれ引き上げられます。

    本当に省エネ基準に適合しているのなら、省エネ基準適合証明書等を紛失したとしても再発行が可能です。証明書を発行した登録住宅性能評価機関、指定確認検査機関、または建築士事務所へ「再交付申請」を願いでれば、一概には言えないものの1通あたり数千円程度で再発行が可能で時間もそれほど必要とはしません。

    しかし、「条件を満たしている可能性が高い」との表現からは、売主や媒介業者の思い込みではないかとの印象を受けます。加えて、省エネ基準適合が事実ではない場合、販売情報に記載された内容が虚偽である可能性も懸念されます。

    資料に記載されていた「省エネ基準適合」が購入動機の一つとなっているのですから、事実関係を確認する意味でも遠慮せず、売主側に対して省エネ基準適合証明書等の交付を求められると良いでしょう。

    また、交渉次第ではありますが、証明書の交付を停止条件として契約を締結することも可能です。

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