不動産お悩み相談室
REAL ESTATE Q&A
- 購入
- 40代
- 女性
-
- エリア
- 埼玉県所沢市
-
- 投稿日
- 2026/09/21
-
- 更新日
- 2026/09/22
- [3回答]
193 view
売主が住んでいない戸建てで、建物の状態が分からないと言われた
築28年の中古戸建てを購入しようとしています。
現在は空き家です。
売主さんは相続でこの家を取得したそうで、実際に住んだことはありません。
そのため、雨漏りやシロアリ、設備の不具合について「分からない」と言われました。
内見では特に不安な箇所はなかったのですが、床下や屋根裏までは見れていません。
夫に住宅診断をしようと提案したのですが、契約不適合責任があるから何かあれば言えばいいんじゃない?と言われ迷っています。
-
ご相談を拝見しました。
どのような条件で話が進んでいるのか分かりませんが、一般的には建物の状態が分からない場合、契約不適合責任を免責とするケースが多いかと思います。また、仮に責任を負う契約であっても、個人間の取引では責任期間が「引き渡しから1〜3ヶ月程度」と短く設定されるのが一般的です。さらに「設備(エアコンや給湯器など)」に関しては最初から保証対象外とされるケースが大半です。
また、引き渡し後にじわじわ進行する雨漏りや、床下のシロアリ被害に数ヶ月後に気づいても、責任を問えない可能性が高いのです。このように、契約不適合責任は決して万能ではないという点に留意する必要があるでしょう。
内見でキレイに見えても、床下のシロアリ・配水管からの水漏れ、屋根裏の雨漏り痕はプロが潜って見ないと分かりません。築28年・空き家期間がある物件では特にリスクが高まります。それだけに、ご主人様のおっしゃる「契約不適合責任」のお気持ちも分かりますが、「住んだことがない相続物件」だからこそホームインスペクションの実施を強くお勧めします。 -
このケースなら、私は住宅診断をしてから購入することを勧めます。
理由は、「契約不適合責任があるから大丈夫」とは言い切れないからです。
今回の売主さんは相続で取得しただけで、実際には住んでいません。
そのため、雨漏りやシロアリ、設備の不具合について「分からない」というのは、
ある意味では仕方ありません。売主が知らないことまで、
知っている前提で説明してもらうことはできません。
一方、買主からすると、築28年で、現在は空き家、
しかも床下や屋根裏を確認できていないわけですから、
「分からない部分が残ったまま買う」ということになります。
ここで契約不適合責任が出てきます。
民法上、引き渡された建物が契約の内容に適合しない場合、買主は修補などの追完請求や、
一定の場合には代金減額、損害賠償、契約解除を求めることができます。
もっとも、実際に何が契約不適合に当たるかは、
契約書にどのような内容が定められているかによって判断されます。
つまり、
「雨漏りがあったら契約不適合責任で直してもらえばいい」というほど単純ではありません。
例えば、契約書や物件状況報告書に「雨漏りなし」と明確に記載されているのに、
引渡し後に雨漏りが見つかった場合と、
売主が「雨漏りの有無は分からない」として売買する場合では、契約上の判断が変わってきます。
また、中古住宅の売買では、売主が個人の場合、
契約によって契約不適合責任の期間を短くしたり、
場合によっては免責としたりすることもあります。
そのため、「契約不適合責任がある」という説明だけで安心するのではなく、
今回の売買契約で売主がどこまで責任を負うのかを確認することが大切です。
そして、住宅診断は契約不適合責任の代わりではありません。
インスペクションをしても、建物のすべての不具合を発見できるわけではありませんし、
将来の故障や劣化まで保証するものでもありません。
国交省も、建物状況調査には限界があり、
瑕疵の有無を判定するものではないことを明記しています。
それでも今回のような物件では、契約前に床下や屋根裏など、
通常の内見では確認しにくい部分を専門家に見てもらう意味は大きいと思います。
特に築28年ですから、
雨漏り、シロアリ、基礎や構造部分、屋根・外壁、給排水、設備など、
目視できる範囲でも確認しておきたいところがあります。
私なら、住宅診断をするのであれば、契約後ではなく契約前に行います。
そして、診断結果を見たうえで購入するかどうかを決めます。
もし大きな問題が見つからなければ、
「売主も状態が分からない」という不安をかなり減らして購入できます。
逆に、床下に腐食やシロアリの痕跡がある、雨漏りの跡がある、
屋根や外壁に大きな劣化があるなど、修繕費が大きくなりそうなものが見つかれば、
その内容を踏まえて価格交渉をするのか、購入をやめるのかを判断できます。
一番避けたいのは、何も確認せずに購入して、
引渡し後に問題が見つかってから「契約不適合責任があるはずだから」と対応することです。
もちろん、契約内容に該当する不具合であれば売主に請求できる可能性はあります。
ただ、そこから売主との話し合いになり、
修繕範囲や原因、契約上の責任の有無を確認することになります。
買主としては、契約前に確認できることは確認しておいた方が圧倒的に楽です。
今回のように売主自身が住んでおらず、「分からない」と言っている物件だからこそ、
私は住宅診断を入れることに意味があると思います。
また、診断を入れる場合は、仲介会社に「契約前に建物状況を確認したい」と伝えて、
売主側の承諾を取ってもらえばいいです。
床下や屋根裏についても、点検口から確認できる範囲なのか、
そもそも確認できない部分があるのかを事前に確認しておくといいと思います。
この物件がとても気に入っているのであれば、住宅診断の費用を惜しむより、
数千万円の買い物をする前に建物の状態を確認しておく方が現実的です。
「契約不適合責任があるから大丈夫」ではなく、
「契約不適合責任があるとしても、買う前に分かることは自分で確認しておく」。
今回については、この考え方で進めるのが一番いいと思います。
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ご相談内容を拝見いたしました。
結論から申し上げますと、後からのトラブル対応にかかる時間や労力を考えると、契約前に売主へインスペクションを依頼するか、ご自身でインスペクションを実施し、納得した上で購入されることをお勧めします。
以下、実務の観点からポイントを整理しましたので参考にしてみてください。
1. まずは不動産会社(元付業者)へ確認する
宅建業法上、不動産会社には「インスペクションに関する事項の説明と斡旋の確認」が義務付けられています。まずは担当業者に売主に対して、インスペクションの実施や斡旋を行ったか確認してみてください。ただし、実際に受け入れるかどうかは売主様の任意となります。
2. インスペクションを拒否された場合のリスク
相続取得で非居住の売主様の場合、もしインスペクションを拒否されるようであれば、「現状有姿売買(現状のまま引き渡し)」に加え、「契約不適合責任を免責(一切負わない)」とする特約を条件にしてくる可能性が高いと予測されます。免責特約がついた場合、購入後に不具合が見つかっても売主様に補修費用などを請求することはできません。
3. 契約不適合責任だけに頼るリスク
仮に免責にならなかったとしても、契約不適合責任を追及して費用を負担してもらうには、「その不具合が契約時に隠れていたものか」などの立証が必要となり、多大な時間・労力・精神的ストレスがかかります。「何かあれば後で言えばいい」という対応は、想像以上に負担が大きいのが現実です。
4. 自費でのインスペクションと価格交渉という選択肢
本物件をとても気に入っていらっしゃるのであれば、売主様の了解を得た上で、買い手側(ご相談者様)の費用負担でインスペクションを実施するのも有効な手段です。もし診断結果で床下や屋根裏に修繕が必要な箇所が見つかれば、それを根拠に価格交渉(修繕費用分の値引き交渉)を行うことも可能になります。
【実際の事例】
先日、重要事項説明を受けた後に一度契約を保留し、私のもとにセカンドオピニオンをご依頼されたお客様がいらっしゃいました。その方も「現状有姿・契約不適合責任免責」という条件に不安を感じておられたため、ご自身でインスペクションを実施することを提案し、安心して判断することができました。
購入後に「揉めるかもしれない」と不安を抱えながら過ごすよりも、今できる確認を行い、納得して決断されることが、将来の豊かな暮らしにつながります。ご夫婦でしっかり話し合われる際のお役に立てば幸いです。