不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/06/05

    品木彰

    不動産専門家

    • 30代
    • 大阪府
    • 男性
    • 専門家

    まず、相手方に遺留分を請求できる権利があるかどうかを確認する必要があります。異母兄弟の方が、亡くなられたお父様のお子さまであり、相続人であることは間違いありません。

    ただし、遺留分侵害額請求ができるのは「相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知ったときから1年です。そのため、期限が過ぎているのであれば、遺留分侵害額請求はできません。

    次に、相手方の請求額が適切かどうかを確認します。とくに、相続した遺産がマンションの場合、評価額の算出方法によって遺留分の請求額が大きく変わることがあります。

    通常、マンションの相続税評価額は「路線価方式」という方法を用いて算出されるため、実際の市場価値よりも低くなります。しかし、遺留分侵害額請求をする際、より多くの金額を請求するために、市場価値をもとにマンションを評価することがあります。

    そのため、相手方が請求額をどのように算出したのかも確認されることをおすすめします。

    また、相手方が生前にお父様から特別受益を受けていないかどうかも確認すべきポイントです。特別受益とは、被相続人(亡くなった方)が生前に相続人に対して行った贈与や、相続人が被相続人から受けた生前贈与のことを指します。

    遺留分侵害額を計算するときは、遺留分から特別受益の財産額が差し引かれます。つまり、相手方に特別受益があると、その分、遺留分の請求額が少なくなります。

    以上の点を確認ができたら、まずは相手方と話し合いをしてみてください。話合いの結果、請求額や支払方法で双方が合意したのであれば、合意書を取り交わすことで解決できます。

    もし、話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所での調停を経ることになります。それでも解決しない場合は、訴訟に発展することもあります。

    遺留分侵害額請求への対応は複雑であり、専門的な知識が必要です。問題が複雑化する前に、弁護士に相談することをおすすめします。

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