不動産のお悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/08/08

    脇保雄麻

    株式会社ユー不動産コンサルタント

    • 40代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社

    お母さまのことやご実家の相続の事など色々とお悩みで大変な状況で心中お察しします。
    さて、ご質問者様の軽度認知症でも遺言作成可能かどうか?ですが、
    結論から申し上げて遺言書作成は可能性あります。可能性があるという言い方をしているのは否認される可能性もあるからです。遺言に関しては種類がありますが、費用や負担等かかりますが今回は公正証書遺言が良いですね。公証人立ち合いで作成するのですが、お母さまの意思能力等がどうか問題になってきます。相続に詳しい方に相談しながら進めた方が良いです。

    ただし、注意点を3つほど上げておきます。
    今回ご相談者様の内容の状況から仮に実家をご相談者様が相続するというような内容で遺言を作成したところで、弟も実家を相続したいと思っています。そうなると弟には遺留分といって相続財産を引き継ぐ権利が発生します。今回の場合であれば、相続人がご相談者様と弟の2人と仮定すると法定相続分は1/2になります。法定相続分のさらに1/2が遺留分になります。
    もう一つの注意点として、仮に相続が発生した後に兄弟での遺産分割での問題点がいくつか考えられます。というのも遺産分割の場合に実家は相続税評価ベースで分割案等考えられることが多いですが、不動産の場合は実勢価格は相続税評価と乖離があります。都市部のような需要が多いエリアであれば相続税評価よりも実勢価格の方が不動産価格は高くなります。しかしながら、地方など需要が少ないエリアになると実勢価格よりも相続税評価の方が高くなってしまいます。仮にご相談者様が後者のようなパターンだったとたら、実家をご相談者様が引き継いで弟からの遺留分侵害額に対して割が合わないなんてことも考えられます。
    最後にご相談者様はお母さまのケア等をずっとしていて、弟は実家を出られてから何もしていなかったのに不満等があると思います。これに対しては、お母さまのケア等貢献した分の寄与分という制度があるのですが、ご相談者様が想像しているような額にはならないのかなと思います。少なからずご相談者様の寄与分割合で弟の遺留分が無くなるということはありません。

    今回のように実家を誰が相続するかというような問題は、相続で揉めるよくあるパターンですね。遺言書があるから問題ないということではないということはご理解いただけたと思います。なので、相続が起こった後に兄弟で遺産分割を話し合ったり、親が高齢で介護が必要になってから相続の事を考え出だすというのは、正直遅いんですよね。親が亡くなる前から遺産相続の話をするのは不謹慎だとは思いますが、相続が発生した後に揉めないためにも事前に対策等しておくことが重要です。
    大切なのは、遺言書を作るということではなく想定されるリスク等をいかに対処していく対策を事前に作っておくかということです。特に不動産は分けることが難しいですよね?遺言書があるからと言っても遺留分であったり、相続人同士で土地分割をしたとて実勢価格では価値無い分け方をしてしまったりもあります。実際に司法統計データによると遺産相続で問題になっている大半が不動産がらみです。なので、不動産のことをある程度知っていて相続の事も詳しい方に相談しながら進められた方がいいかと思います。
    参考程度にどういう事をやっておくべきかというのをざっくりとお伝えすると、
    想定される相続財産の棚卸→想定される相続人の洗い出し→被相続人の想いや考え→法定相続分・遺留分→想定されるリスク→リスクに対して対策→遺言書作成
    上記のような流れで対策して遺言書作成するのが成功法ではないかと思います。決して遺言書作成が先ではありません。

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/08/08

    梅田 篤志

    税理士法人フォーカスクライド

    • 30代
    • 新潟県
    • 男性
    • 専門家

    はじめまして。
    税理士法人フォーカスクライドの梅田と申します。
    お悩みの内容、承知致しました。

    軽度の認知症があっても、公正証書遺言の作成は不可能という訳ではありません。
    重要なのは、遺言者(お母様)が意思能力を有していることが証明できるかどうかです。
    このようなことを検討するいいでしょう。

    専門医の診断:
    認知症の程度と意思能力を評価してもらい、診断書を取得することができるといいですね。これにより、公正証書遺言の有効性を確保する助けになります。

    公証役場での手続き:
    公正証書遺言について考えられたということですが、その方がいいでしょう。
    公証役場で公正証書遺言を作成する際、意思能力の確認が行われます。公証人は必要に応じて上記診断書を参考にしたりします。また、遺言者が遺言を理解し、自らの意思で作成しているかを確認します。

    遺言書の内容の明確化:
    遺言書の内容を具体的に記載し、遺言者の意思を明確に表現することで、後の争いを防ぐことができます。

    本回答が少しでもお役に立ち、もしも相続が起きた場合でも、円満な相続が実現しますよう心より願っております。

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/08/08

    奥林洋樹

    H.L.C不動産コンサルティング

    • 50代
    • 北海道
    • 男性
    • 専門家

    ご相談拝見しました。

    結論から言えば、認知障害が軽度で、事理弁識能力(自らの行為の結果、法的責任が生じることを認識できる能力)に影響を与えない程度であれば作成された遺言書は有効とされます。ただし、弟さんが認知症であることを理由に遺言書無効を主張してくる可能性はありますから、公正証書遺言で作成しておく方が良いでしょう。

    公正証書遺言による場合、公証人からの質問や説明にたいし質問の意図を理解したうえで、不審に受け取られない程度の返答ができるなら、作成は問題ありません。

    疎遠になっていた弟が自宅を相続したいというのは身勝手な言い分だと思いますので、それにお応じる必要はありませんが、相続時における法定遺留分の権利を一方的に奪うことはできません。

    遺留分を放棄してもらうよう説得できれば良いのですが、相談を見る限りそれは難しそうです。

    考えられる方法としては、遺言書に付言事項として「遺留分を渡したくない」旨記載しておくと良いでしょう。もっとも、付言で法定遺留分を排除することはできませんが、「あなたに財産を残すのは、母の本意ではない」と宣言するのに役立つでしょう(言い方を間違えと拗れる可能性がありますので、あくまでお母さんの意思だと主張すれば良いでしょう)

    相続欠格事項に該当していれば、相続人から排除することは可能です。しかし。これは遺産を手に入れるために犯罪行為を行ったり、遺言書を改ざんしたりした場合に適用される事由ですので、およそ現実的ではありません。

    したがってどうしても排除したければ、下記いずれかの方法で家庭裁判所に排除の申立をする必要があります。


    ① 被相続人が、生前に自分で、家庭裁判所に廃除の申立てをする方法(民法892条)
    ② 被相続人が「推定相続人を廃除する」という内容の遺言を残し、被相続人の死亡後に、遺言執行者が家庭裁判所に廃除の申立てをする方法(民法893条)

    いずれにしても法定遺留分は、相続人に認められた権利です。そう簡単に排除できるものではありません。今回の回答を参考に、早めに弁護士など、専門士業に相談されることをお勧めいたします。

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/08/08

    関良太

    司法書士杉並第一事務所

    • 30代
    • 東京都
    • 男性
    • 専門家

    ご相談ありがとうございます。
    司法書士の関と申します。

    お話の限りですとお母様に万が一のことが起こった際、相続人になるのはご相談者様と弟様でもめてしまうのではないか、ということかと存じます。

    そのために公正証書遺言を今のうちに作成したいということかと思われます。

    お母様は軽度の認知症とのことですが、認知症があるから100%遺言が作れないかというとそういうわけではありません。
    遺言能力があるかはケースバイケースになりまして、実際にご面談などをしてみて自分の遺言内容を理解し、意思がはっきりしているのであれば遺言を作ることは可能です。

    ただこういったwebでの情報では限界がありますし、この回答を根拠にして100%遺言が作れると解釈するのは難儀です。

    ぜひ認知書の進行が進む前にお近くの司法書士にご相談されるのが良いでしょう。

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/08/08

    金澤 寿一郎

    株式会社tento

    • 30代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社

    はじめまして。
    株式会社tentoの金澤と申します。
    ご相談内容拝見しました。

    まず弟様のご相続をしたい意思よりも
    お母様のご状況の確認が重要です。
    お母様の意思能力の如何によって今後の動き方がすべて変わって参ります。

    悪い方に考えますと財産を動かす際に
    成年後見制度を利用しなくてはならない可能性もありますので
    家庭裁判所を交え諸々が長期化してしまうケースも考えられます。

    いずれにしても早い段階で
    行政書士や司法書士へご相談をし
    動かれることをお勧めいたします。

    ご姉弟のスムーズなご相続が叶う事を祈っております。
    ご検討の一助となりますと幸いです。

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