不動産お悩み相談室
REAL ESTATE Q&A
- 相続
- 40代
- 男性
-
- エリア
- 京都府京都市中京区
-
- 投稿日
- 2024/07/03
-
- 更新日
- 2024/12/10
- [3回答]
755 view
家族信託のデメリットを教えてください。
将来父親から不動産(マンション)や有価証券を相続予定ですが、父親の健康状態が悪く、現在要介護3です。
相続財産がある為、成年後見人制度を利用しようと思っていたのですが、友人に家族信託を進められました。調べると家族信託の方がメリットが大きいと感じたのですが、デメリットはなんでしょうか。また注意することなどあれば詳しく教えて頂きたいです。
-
ご質問ありがとうございます。
お父様の健康状態が悪化していることは心配ですね。
年齢ばかりはどうすることもできないので、
現実的な管理体制を工夫することは
とても大切なことだと思います。
運用面や親族間のデメリット・リスクについては
すでに回答がされていますので、
税務面での注意点をお伝えします。
■ 損益通算ができない
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
例えば、マンションの修繕費用が大きくなり、
不動産所得が赤字になったとします。
通常であれば、年金所得などと相殺して
税金を安く計算できます。
しかし、信託財産から生じた赤字は
他の黒字と相殺することができません。
過去の申告書を見て、
赤字が多いような物件でしたら注意が必要です。
■ 赤字の繰越ができない
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
築年数の経過により、
外壁や屋根などを大規模修繕することが
あるかもしれません。
大規模修繕のコストは高額なケースが多く、
大きな赤字を計上することがあります。
通常、青色申告なら赤字は3年間繰り越せるので、
翌年の黒字と相殺することができます。
しかし、信託の場合、赤字は切り捨てられます。
翌年の黒字と相殺することはできません。
大規模修繕を計画しているのであれば、
かなり不利になりますのでご注意ください。
■ 信託用の決算書を別途作成
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
例えば、マンションは信託に入れて、
駐車場は信託に入れないといった場合、
決算書は別々に作る必要があります。
通帳を分ける必要もありますし、
経費の領収書も別々に管理する必要があります。
確定申告では、2つの決算書を合体して申告しますが、
会計ソフト側は「合体」なんて想定していない
ケースもあります。
もし、ご自身で確定申告をしているのであれば
申告時に工夫が必要になるかもしれません。
確定申告の手間が増えたり、
税理士の顧問料が増加する可能性がありますので、
ご注意下さい。
ご参考になれば幸いです。 -
家族信託は、家族による財産管理手法の一つです。
財産権(財産から利益を受ける権利)と、財産を管理運用処分できる権利に分け、後者だけを家族に信託する契約です。
これにより所有者がご自分で財産管理ができなくなった財産に関し、管理・運用・処分を行うことが可能になります。
柔軟性の高い財産契約ではありますが、成年後見人制度と違い「信上監護権」はありません。介護付き老人ホームなどに入居する場合において、受託者が代理人として入居契約をすることができないということです。
また受託者の負担が大きいのも特徴です。
受託者には建物等について管理する義務が生じます。例えば台風により屋根板金が剥がれ通行人が被害を受けた場合の賠償責任などは、受託者が自分の財産で賠償しなければなりません。
また相続人は単独でしょうか?
他に相続人がいるのに相談せず話を進めた場合、親族間で不公平感を生むことがあります。とくに収益物件を管理する場合は、収支が開示されないと使い込み疑惑が発生します。また相続人間で話し合いがスムーズにいってない場合に、遺留分侵害請求される場合も多いようです。
◯身上監護権
◯管理責任
◯親族間の不和
この3つが家族信託のデメリットとなりますので、信託契約前に検討すると良いでしょう。
以下の記事もよく読まれています
-
30代 男性
- 相続
-
- エリア
- 埼玉県所沢市
-
- 投稿日
- 2024/02/29
- [2回答]
788 view
現在マンションの住宅ローンを支払っていますが、将来的に親が所有する別の不動産も相続する予定です
30代男性です。現在マンションの住宅ローンを支払っていますが、将来的に親が所有する別の不動産も相続する予定です。 親名義の不動産と自身のマンションローンに関わる相続計画について、どのように準備を進めるべきか、 また、相続によって住宅ローンの支払い条件が変わる可能性があるかどうか知りたいです。 具体的に、相続によってローンの金利や返済条件が変更されることはあるのでしょうか? また、相続税の計算において住宅ローンの残高がどのように考慮されるかについても教えていただきたいです。
788 view
-
40代 男性
- 相続
-
- エリア
- 長野県長野市
-
- 投稿日
- 2024/07/26
- [1回答]
2659 view
暦年贈与と相続時精算課税制度について教えてください
今年から暦年贈与と相続時精算課税制度について税制改正があったと思います。 すでに相続時精算課税制度を使って2,500万円の贈与を受けて運用しています。 ここから、更に毎年110万円の贈与を受けることは可能ですか? 暦年贈与と精算課税制度の併用はできないと聞きましたが、生活費や子育て費用であれば問題ないのでしょうか。
2659 view
-
60代 男性
- 相続
-
- エリア
- 岐阜県多治見市
-
- 投稿日
- 2024/09/14
- [2回答]
389 view
相続をせずに居住させることは可能か?
60代です。(妻は20年前に他界) 私の相続が発生した際、遺産は全て子供たち(全員成人済み)に相続させるつもりですが、長年連れ添ったパートナーには今二人で住んでいるマンションに住み続けてほしいと思っています。 パートナーも相続はしないことを希望していますが、マンションには住み続けたいと。 何か良い方法はありますか。子供たちもパートナーと関係は良好で、了承をもらっています。
389 view
-
50代 男性
- 相続
-
- エリア
- 岩手県盛岡市
-
- 投稿日
- 2025/01/13
- [1回答]
356 view
相続税を少しでも抑える方法はないでしょうか。
50代の会社員です。妻と大学生の子供が2人います。 最近父が他界し、相続の手続きを進めています。 父の遺産は、自宅の土地(評価額4,000万円)、建物(評価額2,000万円)、預貯金(1,000万円)、株式(1,500万円)です。 私の場合、法定相続人は母、私、妹の3人です。 基礎控除額は4,800万円(3,000万円 + 600万円 × 3人)になると理解しています。 しかし、父の遺産総額が8,500万円なので、基礎控除を超えてしまいます。 この計算で間違いはないでしょうか? 基礎控除を超えた場合、具体的にどのような手続きが必要になりますか? 不動産の評価額を軽減できる特例などはありますか? 相続税を少しでも抑えるための方法やアドバイスがあれば教えてください。 よろしくお願いいたします。
356 view
-
50代 男性
- 相続
-
- エリア
- 滋賀県高島市
-
- 投稿日
- 2025/02/21
- [2回答]
278 view
空き家の固定資産税対策についてアドバイスをください
築40年の一戸建てを相続しました。 空き家の状態ですが、立地は郊外で賃貸需要も低く、売却も思うように進んでいません。 一方で、固定資産税は毎年約10万円かかり、負担が大きいです。 建物は築年数が古く、綺麗にしに行くことも今はできていません。 古いので雨漏りなどしているかもしれないです。 自治体から管理不全を指摘される可能性はありますか? 特定空き家に認定されると固定資産税の優遇措置(1/6軽減)が失われ、 税額が大幅に上がると聞き、対応を急がなければと考えています。 解体して更地にすると固定資産税が上がるとも聞き、判断がつきません。 売却も全然進まず、困っています。
278 view
-
40代 その他回答
- 相続
-
- エリア
- 福岡県北九州市八幡西区
-
- 投稿日
- 2025/03/10
- [3回答]
217 view
親が亡くなってしまったあとの住居
まだ健在ではありますが、妹は県外のためどのように相続するか将来不安はあります。皆さんはどのように相続をされるケースが多いでしょうか?
217 view
-
40代 男性
- 相続
-
- エリア
- 熊本県八代市
-
- 投稿日
- 2025/06/25
- [2回答]
92 view
過去の暦年贈与は相続にどう影響しますか?
先日、父が他界し、相続の手続きを進めています。 父は生前、相続税対策として毎年、 私と妹に年間110万円の範囲内で暦年贈与を行っていました。 この贈与は、通帳に記録があります。 しかし、相続税の申告に向けて準備を進める中で、 過去の暦年贈与が今回の相続財産に加算される可能性があると聞き、不安になっています。 生前に受けた暦年贈与が、相続税の計算や遺産分割において、 どのように扱われるのか、専門家の方にご教示いただきたく、相談いたしました。 持ち戻しのルールや、兄妹間で円滑に遺産分割を進めるための注意点があれば教えてください。
92 view
-
50代 男性
- 相続
-
- エリア
- 岡山県倉敷市
-
- 投稿日
- 2025/04/24
- [2回答]
206 view
古家付き土地を相続。どう活用したら良いか
亡くなった父の遺産で地方にある古屋付きの土地を相続しました。 築50年以上の木造住宅で父が10年前まで住んでいたものです。 今は誰も住んでおらず空き家のまま数年経過しており、外観や室内の傷みもかなり進んでいます。 相続登記はすでに済ませましたが、この土地をどう活用したら良いか悩んでいます。 現状のまま売却するにも難しそうですし、リフォームは費用がかかりすぎます。 更地にするにも解体費用、固定資産税が気になります。 この土地にどんな選択肢があるか、アドバイスいただけないでしょうか。
206 view
-
40代 男性
- 相続
-
- エリア
- 埼玉県狭山市
-
- 投稿日
- 2024/11/13
- [1回答]
381 view
預貯金とマンションの相続について
親が残した資産が、預貯金とマンション1室でした。 兄弟二人で話し合っていますが、マンションの価値の判断基準がわかりません。 査定も出しましたが、不動産会社によってバラつきがあります。 相続税が発生するかしないか、ギリギリのところです。 今は空室のため売却はできますが、相続税を払う場合、納税期日がきてしまいそうです。 相続税が発生しない程度の金額と仮定して、申告しなくても問題ないのでしょうか。
381 view
-
50代 女性
- 相続
-
- エリア
- 大阪府大阪市西淀川区
-
- 投稿日
- 2019/09/30
- [2回答]
1776 view
親が亡くなったことにより相続された不動産の売却方法について
親が死去し自分独りでは広いこともあり、今住んでる家を売却したいと思います。相続税のこともあるので、なるべくいい形で売却したいです。 突然のことと、そもそも不動産売却についての知識が無いため、どうすればよいか分かりません。アドバイスをいただけると助かります。
1776 view
はじめまして、イエステーション ㈱コムハウスの角田と申します。
家族信託は相続対策や財産管理の柔軟性を提供する一方で、いくつかのデメリットや注意点があります。以下に詳しく解説します。
(家族信託のデメリット)
・初期費用が高い
家族信託を設定するためには、専門家(弁護士、司法書士、税理士など)への相談が必要です。契約書の作成や登記手続きが複雑で、初期費用が数十万円〜数百万円になることもあります。
・契約内容が複雑
信託契約は個別の状況に応じて設計するため、内容が複雑になりがちです。不十分な設計だと、将来のトラブルを引き起こすリスクがあります。専門家との綿密な協議が必要です。
・流動性の低下
家族信託を設定した財産は「信託財産」となり、信託目的の範囲内でしか処分できません。例えば、信託契約によっては、急に現金化が必要な場合に自由に売却できない可能性があります。
・受益者が受け取る財産の税務計算の煩雑さ
信託財産の管理や分配に関連して、税務処理が複雑になる場合があります。贈与税、所得税、相続税が絡む場面では注意が必要です。
・トラブルが生じる可能性
家族内での信託契約であっても、信託管理を巡って意見の食い違いが発生することがあります。また、他の相続人が信託契約に不満を抱く場合、将来的なトラブルに発展することも考えられます。
・成年後見制度との併用が難しい
家族信託は、信託設定後に成年後見制度を利用することが制限される場合があります。信託契約により財産管理が確定してしまうため、成年後見人が関与しづらくなるからです。
(注意点とアドバイス)
信託契約の明確化
・信託の目的(資産の管理、運用、分配など)を明確にし、契約書にしっかりと記載しましょう。
・受託者(財産を管理する人)の選任も重要です。信頼できる家族や専門家を選ぶことが鍵です。
税金の事前検討
・信託財産に関連する贈与税、所得税、相続税の影響を専門家に相談し、事前に理解しておきましょう。
信託財産の選択
・すべての財産を信託に組み込む必要はありません。特に、流動性の高い財産(現金など)は信託外にしておくと、柔軟な対応が可能です。
家族間の合意形成
・信託の設定前に家族全員と十分に話し合い、不満や疑問点を解消しておくことが重要です。
成年後見制度との比較
・成年後見制度は法的な保護が手厚い反面、柔軟性に欠けます。一方で家族信託は柔軟性が高いですが、信託契約に基づいて動くため管理責任が重くなります。それぞれのメリットとデメリットを慎重に比較してください。
(成年後見制度と家族信託の選択基準)
成年後見制度が適している場合
・財産が複雑ではなく、管理や処分が限定的なケース。
・法的な保護や監督を重視したい場合。
家族信託が適している場合
・将来の相続対策や資産運用を柔軟に行いたい場合。
・財産が多岐にわたり、複雑な管理が必要な場合。
お父様の健康状態や相続予定の財産状況を考えると、専門家と相談して個別の事情に合った最適な方法を選ぶことが重要です。家族信託を検討する際は、契約内容を慎重に設計し、税金や家族間のトラブル回避のための対策を講じてください。
以上、参考になれば幸いです。