不動産価格の上昇は関東圏に限らず、関西圏でも起きています。とくに、関西の中でも大阪市の上昇率は高く、都心部を中心として価格上昇が顕著になっています。
ただし、大阪市でも区によって上昇率は異なるため、マンション売却・購入の際は、それぞれの違いを理解することが大切です。
本記事では、実際の取引事例に基づくデータを利用し、大阪市内各区のマンション価格の推移を分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- 大阪府全体から見る大阪市のマンション売買価格比較
- 大阪市福島区の価格推移とエリア特性
- 北区・西区と比べた福島区の立ち位置やポテンシャル
調査期間:2017年3月~2026年3月
調査機関: マンションナビ
調査対象: 大阪府大阪市内24区のマンション
データ基準: 調査期間中の大阪府大阪市内24区におけるマンション売買価格の中央値
「マンション売買価格の中央値」を指標とすることで、市場の動きや価値の変化を多角的に分析できます。
上昇率=(現在の値ー基準値)÷基準値×100%
【例】1年前に1,000,000円だった㎡単価が、現在は1,250,000円の場合。
(1,250,000-1,000,000)÷1,000,000×100=25…よって25%の上昇率がみられる。
大阪全体から見る大阪市のマンション売買価格比較(2017年→2026年)
まずは、大阪府全体のマンション売買価格と大阪市の価格を比較します。
府全体と大阪市の価格差を把握すれば、福島区の価格上昇率との違いが明確になります。
大阪府全体で9年前比77.2%上昇!堅調な推移
大阪府全体の中古マンション価格は、9年前と比べると77.2%(平米単価+25.8万円)上昇しています。
前年と比べても13.4%(平米単価+7.0万円)アップしており、2024年頃から1年単位での上昇率が高くなっています。
価格が上昇している主な理由は、以下のとおりです。
- 再開発の進行による都市機能向上
- 都心回帰の影響
- 交通インフラの整備
- インバウンド需要の回復
大阪府内では積極的に開発がおこなわれており、利便性が大幅に向上しています。
そのような中、買い手の意識の変化や海外経済の動向が相まって、大阪府の不動産価格を押し上げています。
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大阪市24区の平均平米単価と都心6区の資産価値

2026年4月現在の大阪市24区の平均平米単価は57.38万円、都心6区は88.16万円です。
都心6区とは、北区・中央区・西区・天王寺区・浪速区・福島区を指します。市全体と都心6区の平均平米単価には30万円以上の差があり、いかに都心部の資産価値が高いのかが分かります。
とくに、梅田の再開発である「うめきた」が進行している北区、ビジネスや観光の中心となる中央区の価格が高く、福島区は大阪市24区の中で平均平米単価が第4位です。
| エリア | 平均平米単価(万円) |
|---|---|
| 大阪市北区 | 112.0 |
| 大阪市中央区 | 92.0 |
| 大阪市西区 | 85.0 |
| 大阪市福島区 | 83.0 |
| 大阪市天王寺区 | 80.0 |
| 大阪市浪速区 | 77.0 |
他方、平野区や生野区は、都心6区の平均平米単価の半分以下となっており、価格が伸びていない地域も存在します。
大阪市24区マンション価格上昇率ランキング
大阪市内ではエリアごとに、価格上昇率が大きく異なります。
価格上昇率は居住エリアや投資対象の選定に大きな影響を与えるため、購入判断につながる重要な指標の一つとなります。
資産価値を重視する方は、ランキング表を利用し、どのエリアの成長性が高いのか確認してみてください。
大阪市内24区中古マンション価格上昇率
| 順位 | 大阪24区 | 9年前比 上昇率 | 平米単価(万円) |
|---|---|---|---|
| 1 | 大阪市北区 | 122.4% | 112.0 |
| 2 | 大阪市天王寺区 | 85.0% | 80.0 |
| 3 | 大阪市中央区 | 84.3% | 92.0 |
| 4 | 大阪市東成区 | 84.1% | 63.0 |
| 5 | 大阪市西区 | 81.9% | 85.0 |
| 6 | 大阪市港区 | 76.7% | 56.0 |
| 7 | 大阪市西成区 | 73.4% | 40.0 |
| 8 | 大阪市大正区 | 73.1% | 49.0 |
| 9 | 大阪市都島区 | 67.2% | 61.0 |
| 10 | 大阪市福島区 | 64.9% | 83.0 |
| 11 | 大阪市阿倍野区 | 61.2% | 65.0 |
| 12 | 大阪市鶴見区 | 58.1% | 49.0 |
| 13 | 大阪市西淀川区 | 58.0% | 45.0 |
| 14 | 大阪市東淀川区 | 57.7% | 44.0 |
| 15 | 大阪市淀川区 | 56.6% | 49.0 |
| 16 | 大阪市生野区 | 52.5% | 35.0 |
| 17 | 大阪市城東区 | 52.2% | 50.0 |
| 18 | 大阪市旭区 | 52.1% | 42.0 |
| 19 | 大阪市此花区 | 48.8% | 45.0 |
| 20 | 大阪市浪速区 | 48.6% | 77.0 |
| 21 | 大阪市住之江区 | 47.6% | 33.0 |
| 22 | 大阪市東住吉区 | 45.8% | 44.0 |
| 23 | 大阪市住吉区 | 38.1% | 43.0 |
| 24 | 大阪市平野区 | 34.9% | 35.0 |
大阪市24区でもっとも価格が上昇しているのは、9年前比122.4%の北区です。
うめきた再開発によって大阪駅北側で大規模な開発が進行しており、商業・オフィスが整備されて雇用機会が増大し、居住希望者も増加しています。ただし、新規開発できる土地は多くなく、供給が追いついていないため、価格が上昇していると考えられます。
このような事情から、投資対象としても魅力のある地域と判断され、投資マネーが国内外問わず流入しやすい状態となっているのも、価格が押し上げられている要因の一つでしょう。

また、天王寺区・中央区・東成区・西区も高い価格上昇率を記録しています。
これらの4区は、北区へのアクセスがよく、需要の「受け皿」として発展した側面を持っています。
ただし、中央区は大阪のビジネスの中心地であること、天王寺区は住環境がよいことなど、それぞれの区の強みもあわせ持っているため、高い価格上昇率になったと考えてもよいでしょう。


【比較】東京23区と比べた福島区の上昇率
| 東京23区 | 9年前比 上昇率 | 平米単価 (万円) | 大阪24区 | 9年前比 上昇率 | 平米単価 (万円) | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 港区 | 142.9% | 268.0 | 大阪市北区 | 122.4% | 112.0 |
| 2 | 中央区 | 110.1% | 187.0 | 大阪市天王寺区 | 85.0% | 80.0 |
| 3 | 千代田区 | 109.1% | 219.0 | 大阪市中央区 | 84.3% | 92.0 |
| 4 | 渋谷区 | 103.5% | 204.0 | 大阪市東成区 | 84.1% | 63.0 |
| 5 | 江東区 | 87.0% | 123.0 | 大阪市西区 | 81.9% | 85.0 |
| 6 | 品川区 | 77.2% | 141.0 | 大阪市港区 | 76.7% | 56.0 |
| 7 | 新宿区 | 76.7% | 144.0 | 大阪市西成区 | 73.4% | 40.0 |
| 8 | 足立区 | 71.5% | 66.0 | 大阪市大正区 | 73.1% | 49.0 |
| 9 | 文京区 | 71.2% | 136.0 | 大阪市都島区 | 67.2% | 61.0 |
| 10 | 目黒区 | 71.0% | 149.0 | 大阪市福島区 | 64.9% | 83.0 |
| 11 | 台東区 | 70.3% | 117.0 | 大阪市阿倍野区 | 61.2% | 65.0 |
| 12 | 荒川区 | 67.0% | 93.0 | 大阪市鶴見区 | 58.1% | 49.0 |
| 13 | 豊島区 | 65.5% | 119.0 | 大阪市西淀川区 | 58.0% | 45.0 |
| 14 | 葛飾区 | 64.9% | 68.0 | 大阪市東淀川区 | 57.7% | 44.0 |
| 15 | 北区 | 59.6% | 96.0 | 大阪市淀川区 | 56.6% | 49.0 |
| 16 | 世田谷区 | 57.3% | 113.0 | 大阪市生野区 | 52.5% | 35.0 |
| 17 | 中野区 | 57.0% | 105.0 | 大阪市城東区 | 52.2% | 50.0 |
| 18 | 墨田区 | 55.6% | 101.0 | 大阪市旭区 | 52.1% | 42.0 |
| 19 | 江戸川区 | 54.9% | 73.0 | 大阪市此花区 | 48.8% | 45.0 |
| 20 | 板橋区 | 51.2% | 77.0 | 大阪市浪速区 | 48.6% | 77.0 |
| 21 | 大田区 | 45.7% | 92.0 | 大阪市住之江区 | 47.6% | 33.0 |
| 21 | 杉並区 | 44.9% | 96.0 | 大阪市東住吉区 | 45.8% | 44.0 |
| 23 | 練馬区 | 44.5% | 79.0 | 大阪市住吉区 | 38.1% | 43.0 |
| 24 | – | – | – | 大阪市平野区 | 34.9% | 35.0 |
2026年4月現在、福島区の価格上昇率は9年前比64.9%であり、東京23区の価格上昇率と比較すると、14位の葛飾区と同じ数値となっています。
東京23区全体では9年前比72.11%と、大阪市24区の63.55%を約10%も上回っているため、14位と同等でも、福島区の上昇率は高い水準といえるでしょう。
ただし、上昇率は高いといっても、福島区の平均平米単価は東京23区と比べて低いため、居住用・投資用として購入しやすいという優位性を持ちます。
今後の発展を見越してマンションを購入するのであれば、福島区も十分検討範囲に入るといえるでしょう。
大阪市福島区の価格推移とエリア特性
ここまでは、大阪府や大阪市24区、東京23区との比較を見てきました。
ここからは、福島区の価格推移やエリア特性について解説します。
上昇率10位!福島区の価格を支える構造とは
福島区の価格上昇率は、大阪市24区の中で見ると第10位です。
高い価格上昇率を記録している理由は、利便性と住みやすさを兼ね備えたエリアであることが要因です。
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JR大阪環状線「福島駅」は「大阪駅」の隣であり、阪神本線「福島駅」は「大阪梅田駅」の隣という抜群のアクセスのよさを誇ります。他にも、JR東西線やOsaka metro千日前線も走っており、不便さを感じるケースは少ないでしょう。
また、福島区は単身やファミリーなど、どのような層にも住みやすい街です。
福島駅周辺には商業施設や飲食店が建ち並んでいて単身でも住みやすく、鷺洲周辺は落ち着いた住宅地であるためファミリー向けのエリアです。淀川や堂島川に挟まれた自然を感じられるエリアでもあり、都心にいながらゆったりとした時間を過ごせる場所もあります。
利便性の高さと住みやすさから、福島区は大阪市24区でも安定して価格が上昇しています。
北区・梅田の再開発が福島区のマンション市場に与える影響
福島区のマンション市場は、隣接する北区の梅田エリアの再開発に大きく依存しています。
北区では、大阪駅北側で「うめきた」再開発がおこなわれています。
うめきた再開発は、2002年から始動したプロジェクトであり、大阪最後の一等地といわれるエリアの大規模開発です。うめきた再開発により、総面積約11万1000㎡もの大規模オフィスが整備されますが、マンションは1,000戸程度の分譲しか予定されていません。
うめきた再開発による人口増加を北区のみで賄うのは難しく、福島区が受け皿になる可能性が高いため、実需を中心としてマンション価格が上昇すると見込まれています。
大阪駅北側の再開発は2028年度まで続く予定であり、今後も外部要因による恩恵を受けやすい状況が続くでしょう。

大阪市福島区の町名別エリア特性とマンション需要
福島区の面積は大阪市24区中22位とコンパクトな区ですが、町名ごとに特性が大きく異なります。
梅田に近い利便性の高いエリアから落ち着いた住宅街まで、さまざまな顔を持つ区といえるでしょう。
ここからは、代表的な町名とそのエリアの特性・マンション需要について解説します。
福島・玉川|梅田近接と飲食・生活利便性
福島や玉川駅は梅田に近接しており、飲食店や生活利便施設が建ち並ぶエリアです。
福島区の中でも人気があるエリアであり、以下のようにマンション価格も高い傾向にあります。
| 売買価格相場 | 9年前比 | |
|---|---|---|
| 福島 | 6,810万円〜7,210万円(97.3万円/m²〜103万円/m²)※1 | +81.7%(+45.0万円/㎡) |
| 玉川 | 4,410万円〜4,710万円(63万円/m²〜67.3万円/m²)※2 | +41.3%(+19.1万円/㎡) |
専有面積70平米(21.18坪)換算(2026年4月現在)
生活の利便性が高いエリアは、単身者やDINKsのみならず、ファミリー層の需要が取り込めるため、投資対象にもなりやすい傾向にあります。
資産価値の維持につながる要素が多いエリアであり、大阪駅・梅田駅周辺の開発の影響も受け、今後もマンション価格が上昇すると見込まれます。
野田・吉野|複数路線が使える交通利便性
野田や吉野は、複数路線が使える交通利便性の高さが特徴のエリアです。
JR大阪環状線・阪神本線・Osaka metro千日前線の駅があり、梅田方面や難波方面、天王寺方面へのアクセスに優れています。
このような便利な立地である野田や吉野のマンション価格推移は、以下のとおりです。
| 売買価格相場 | 9年前比 | |
|---|---|---|
| 野田 | 4,099万円〜4,399万円(58.6万円/m²〜62.9万円/m²)※1 | +36.6%(+16.3万円/㎡) |
| 吉野 | 4,993万円〜5,393万円(71.4万円/m²〜77.1万円/m²)※2 | +66.7%(+29.7万円/㎡) |
専有面積70平米(21.18坪)換算(2026年4月現在)
昔ながらの街並みも多い地域であり、交通の利便性が高いうえに生活のしやすさも魅力のエリアです。
住みやすく、交通の利便性も高いことから一定の需要が見込まれるため、9年前と比較すると徐々に上昇しています。
鷺洲・海老江・大開|落ち着いた住宅地と価格バランス
鷺洲・海老江・大開は、福島区内でも落ち着いた住宅街であり、比較的静かな環境が確保されているエリアです。
生活・交通の利便性が高いこともあり、マンション価格は以下のように上昇しています。
| 売買価格相場 | 9年前比 | |
|---|---|---|
| 鷺洲 | 6,001万円〜6,401万円(85.8万円/m²〜91.5万円/m²)※1 | +65.4%(+35.0万円/㎡) |
| 海老江 | 5,227万円〜5,627万円(74.7万円/m²〜80.4万円/m²)※2 | +69.3%(+31.7万円/㎡) |
| 大開 | 3,758万円〜4,058万円(53.7万円/m²〜58万円/m²)※3 | +34.2%(+14.2万円/㎡) |
専有面積70平米(21.18坪)換算(2026年4月現在)
住環境がよいエリアは、安定した実需があるため、価格が下がりにくい傾向にあります。
また、梅田駅や大阪駅から近く、需要が低下するとは考えにくいため、長期的に安定した価格推移が期待できます。
【比較】北区・西区と比べた福島区の立ち位置
福島区は大阪市内でも人気の高い北区と西区に隣接しており、それらのエリアと比較されやすい立地です。
ただし、北区・西区と福島区では、まったく立ち位置やポテンシャルが異なります。
ここからは、福島区の立ち位置やポテンシャルについて解説します。
隣接する北区・西区と比較した福島区のポテンシャル
福島区は北区・西区と比較すると、割安な都心近接エリアとしての立ち位置にあります。
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北区は梅田を中心とした商業エリアであり、マンション価格は大阪市内で最高水準にあります。
一方、西区は堀江周辺を中心に住宅地としての人気が高く、ブランド化が進んでいるエリアです。
北区・西区に対して、福島区は隣接しながらもマンション価格が多少低く、都心に近いにもかかわらず、購入を検討しやすいエリアとしての魅力があります。
また、北区の再開発の恩恵を直接受ける立地であり、将来的な価格上昇のポテンシャルが高い区でもあります。
福島区は投資目線で見れば値上がりの余地がある、実需目線ではコストパフォーマンスに優れるエリアといえるでしょう。
よくある質問
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まとめ|大阪市福島区のエリア特性と今後の市場予測
福島区は梅田に近接しており、交通利便性が高いですが、北区・西区・中央区よりも比較的マンション購入をしやすいという特徴があるエリアです。
町名ごとに異なる特性を持つものの、福島区全体として安定した需要があり、価格上昇につながっています。
さらに、北区の再開発の影響を受けて、今後も資産価値が上昇すると期待されます。
購入・売却のいずれにおいても、福島区とその周辺のエリア特性と市場動向を正しく理解したうえで判断することが重要です。福島区は今後も「大阪市内で狙い目のエリア」として注目され続けると見込まれるため、資産価値を重視する方に適した地域といえるでしょう。
データ提供/マンションナビ
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