不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/04/13

    森 健美

    株式会社TERASS

    • 40代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社

    ご相談拝見させていただきました。

    仲介会社が両手(売主様・買主様を担当)なのか片手(売主様・買主様のどちらかを担当)にもよって対応が代わりますので、一概には言えないのですが、方法の一つとして下記をご提案させていただきます。

    ★売買契約後の修繕に関して

    ■売買契約書の内容次第となります

    本物件は既存住宅の為、現況有姿による引渡しとなり、経年変化に伴う劣化や通常使用による摩耗・損傷等があり、引き渡す設備等には、経年変化及び使用に伴う性能低下、キズ、汚れ等がございます。また、経年劣化等により、修理等を要する場合は買主が補うものとします。

    一般的には上記の内容等を記載していますが、

    ○不具合がある部分に関しては事前に説明し理解を得る

    など、聞いていないと言われることを防ぐことが重要です。

    仲介会社としてもすべてに関して物件状況報告書や設備表を網羅することは現実的ではないので、売主様から申告があった不具合等に関しては別途特約等に記載し、買主様から聞いていないなど修繕の請求等がないように対策し、その他は上記内容でカバーする会社が多いかと思います。

    要望に応じるかどうかは売主様の任意ですので、必ずしも応じる必要はありませんが、買主様のためにお風呂場の修繕のみに応じるなど譲歩することも解決の手段ではあります。

    ◆対策◆
    ①修繕にかかる見積りを取得(部分的な修繕であれば費用は数万程度かと)
    ②上記の修繕のみを売主側で行い、他は受け付けないと明確にする
    ③上記内容で別途覚書を作成する
    ④仲介会社側に対して仲介手数料の割引を依頼(修繕費用全額・もしくは折半)

    ★売買代金の変更
    突っぱねるべきです。
    応じる必要はありません。
    修繕費用を見込んで売買契約前に交渉するのが常識で、契約後に値下げを依頼するのは信義則に反する行為と思います。

    ★仲介会社の対応
    こんなことを言ったらだめかもしれませんが、正直気持ちが分からないでもないです。
    曖昧な回答をするのはおそらく両手取引で、双方の言い分も理解できるので売主様側が対応してくれれば無難に終わる可能性が高く、できれば穏便に済ませたいのではと推察します。

    売主様の意向を買主様に理解させていない点において非がありますので、この点を利用して修繕費用を仲介手数料の値引きで対応してもらえれば、売主様の負担は変わらないもしくは減らせることができます。
    担当者としても穏便に済ませたいと考えているはずなので、逆に売主様側から条件や選択肢を与えることで明確な答えを返してくれるはずです。本来であれば仲介会社から選択肢を提示すべきことですが。。。

    やっと決まった買主様だからと言って妥協する必要はありませんが、双方が良いお取引になるよう譲歩することも良いのではないかと思います。
    本来であればこういった状況にならないようするのが仲介会社の仕事です。
    それを果たせなかった責任を負わず、売主様に判断や負担を強いるのは少し違うと思います。
    仲介手数料の値引きの要求も妥当性がありますし、何より売主様の負担が少なく、買主様の要望
    を叶えることもできるので私であればそのように交渉します。

    お引渡しまで無事に進むと良いですね。

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/04/11

    奥林洋樹

    H.L.C不動産コンサルティング

    • 50代
    • 北海道
    • 男性
    • 専門家

    ご相談を拝見しました。

    法的には「現状有姿渡し」に関する規定は存在してはいませんが、不動産取引の慣習を買主が正確に理解し、また媒介業者が適切に説明責任を果たすと同時に対応していれば、本件のお悩みは発生していなかったでしょう。

    そもそも、「現状有姿渡し」に関する法的性質が明確ではないため、その記載のみでは契約不適合責任が免除されないとの説が一般的です。契約不適合責任に関するトラブルを防止するためには、契約書に「現状有姿渡し」と記載するだけでは足らず、物件状況報告書により不具合状況を明らかにし、そのうえで契約不適合責任を免責する(あるいは免責の範囲を限定する)必要があります。

    それを正しく実施していれば、契約締結後に「不具合を聞いていなかった」などと主張されることはなかったでしょう。そのような契約を今回、されているでしょうか?

    不動産業者が曖昧な態度を取っているということか、おそらく物件状況報告書による告知義務を履行せず契約したのでしょう。

    現状のままでは、引き渡し後も補修請求が繰り返される可能性があるため線引が必要です。

    買主と不動産業者を交え、協議する必要があるでしょう。

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/04/10

    奥田 哲央

    不動産工房/株式会社グランクルー

    • 30代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社

    ご契約後に買主様から追加の要望が出てきたとのこと、大変ご心労かと存じます。
    以下、ポイントを整理してご回答いたします。

    ◆ご契約内容をまず再確認しましょう
    ・契約書に「現況有姿」での引き渡しと明記されているかが重要です。
    ・「告知義務違反」があったかどうか(修繕が必要な不具合を事前に知っていて伝えていなかった等)を整理しましょう。
    ・買主が主張する「聞いていない不具合」が、契約時点で想定外だったものかどうかがポイントです。

    ◆要望には線引きを
    ・売主として義務がない場合、全てに応じる必要はありません。
    ・ただし、契約解除やトラブルを避けたい場合は、一部妥協も検討の余地ありです。
    ・値下げや修繕の一部対応は「任意」であることを忘れず、主導権を握って判断しましょう。

    ◆仲介業者が頼りないと感じるなら
    ・仲介業者は「判断を導くサポート」が本来の役割です。曖昧な態度が続く場合、セカンドオピニオンとして別の業者にご相談いただくのも一つの方法です。

    ◆最後に
    ・買主に遠慮してズルズル対応してしまうと、後々もっと面倒な問題になることもあります。
    ・一度立ち止まって、「譲れること/譲れないこと」を明確にし、毅然とした対応を取ることが大切です。


    お悩み解決の一助になれば幸いです。

以下の記事もよく読まれています

無料で不動産の相談をする