不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/06/23

    率直に申し上げると、一般的な売買契約かと言われれば一般的ではありません。

    ただし、あるかないかで言えば、不動産業界では昔から存在する取引手法の一つです。

    特に不動産業者が転売を前提として動く案件では、
    最終購入者を見つけることを条件に契約を組むケースがあります。

    そのため、今回のような内容自体が法律上直ちに違法という話ではありません。

    一方で、だから安心して良いという話でもありません。

    通常の売主からすると、売却価格や条件に納得して買主へ売却するのが一般的です。

    ところが今回のような契約では、
    実質的に買主自身が購入するかどうかも確定していない状態で契約が進みます。

    さらに転売先が見つからなければ白紙になるという条件まで入っているのであれば、
    売主側から見ればかなり特殊な契約形態と言えると思います。

    私が気になるのは、特約の存在そのものではなく、
    その内容について売主が十分理解したうえで契約していたのかという点です。

    不動産取引では特殊な契約を組むこと自体はあります。

    ただ、その場合は普通の取引ではないからこそ、
    仲介業者や関係者が通常以上に丁寧な説明を行うべきです。

    今回のご相談を見る限り、認知症の親御様が契約していることも含め、
    契約の有効性そのものは既に弁護士へ相談されているとのことですので、
    そこは専門家へお任せするのが良いと思います。

    ご質問の「こういう販売手法は一般的か」という点だけで言えば、一般的ではありません。

    ただし、業界の中では存在する手法です。

    そして個人的には、
    このような契約は売主側が十分理解しないまま進めるべき取引ではないと思います。

    なぜなら、通常の売買であれば売主は売るか売らないかを判断すれば済みますが、
    この種の契約は契約条件や特約の意味を正確に理解していないと、
    本来想定していないリスクまで背負うことになるからです。

    不動産の世界では、
    一般的な契約ではないから悪質、一般的だから安全という単純な話ではありません。

    むしろ本当に重要なのは、その契約が誰のために作られているのかです。

    今回の内容を見ると、
    少なくとも売主保護よりも買主側の事業スキームを優先して組まれている印象は受けます。

    だからこそ、このような契約は通常の居住用不動産の売買以上に
    慎重な説明と判断が必要になる案件だと思います。

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