不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/27

    築28年のマンションであれば、買主側が「少し長めに見てほしい」と考えること自体は、
    そこまで不自然な要望ではないと思います。
    一方で、売主側がいつまでも責任を負う必要があるという話でもありません。

    契約不適合責任は、単純に「古いから売主が長期間保証する」という制度ではなく、
    契約で定めた内容・範囲・期間が重要です。
    中古住宅では、売主が個人の場合、契約によって責任の期間を限定したり、
    対象となる範囲を明確にしたりすることも実務上よくあります。

    ですから、今回の話は「応じるか、応じないか」の二択で考えない方がいいと思います。

    まず確認したいのは、買主さんがなぜ期間を延ばしてほしいと言っているのかです。

    例えば、「築28年なので、購入後しばらくして不具合が出るのが心配」という程度なのか、
    「給排水管などに不安があるので、そこについて長く責任を持ってほしい」
    という具体的な理由があるのかで、話はかなり変わります。

    後者であれば、対象となる設備や部分まで確認したうえで条件を決めた方がいいでしょう。

    逆に、理由も範囲も曖昧なまま「期間だけ長くしてほしい」という話なら、
    私は安易には受けない方がいいと思います。

    特に築28年ですから、経年劣化による故障と、
    契約内容に適合していないことによる契約不適合は分けて考える必要があります。
    売却後に何か壊れたからといって、当然にすべて売主の責任になるわけではありません。

    また、売主として一番避けたいのは、契約時には「少し長くするだけ」と考えていたものが、
    後になって何か不具合が出るたびに「契約不適合だから対応してほしい」
    という話になってしまうことです。

    ですから、私なら不動産会社に、
    「買主さんが延長を希望している理由と、対象にしたい箇所を確認してください。
    そのうえで、売主として対応できる期間と範囲を具体的に相談しましょう」とお願いします。

    例えば、期間を多少延ばす代わりに、対象範囲を明確にする、
    経年劣化による故障は対象外とする、知っている不具合については事前にきちんと告知するなど、
    条件を整理する方法もあります。

    ここは「買主の希望だから受ける」「売った後まで責任を負いたくないから拒否する」
    と感情で決めるところではありません。

    今回、価格までまとまっていて購入希望者がいるのであれば、
    私なら白紙になるリスクも考えながら、まずは落としどころを探します。

    ただし、白紙にしたくないからといって、
    売主側が内容をよく分からないまま責任を広げるのも違います。

    契約前だからこそ、今の段階で不動産会社に条件を整理してもらい、
    契約内容については仲介会社に確認して、双方が納得できる形にしておくことです。

    築28年ということを考えれば、買主が不安になる気持ちも分かります。
    だからこそ、売主としても「全部大丈夫です」と約束するのではなく、
    分かっていることは正直に伝え、分からない部分については責任の範囲を契約で明確にする。

    私はその方が、結果的に売却後のトラブルも少なく、
    売主・買主双方にとって納得しやすい着地だと思います。

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