不動産住宅ローンのお悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/03/27

    品木彰

    不動産専門家

    • 30代
    • 大阪府
    • 男性
    • 専門家

    フラット35は、住宅金融支援機構と民間の金融機関が共同で提供する住宅ローンです。返済期間は最長35年(フラット50は最長50年)であり、金利が長期にわたって固定されるため、完済まで返済額が増えてしまう心配がありません。毎月の返済額が変わらないため、家計を管理しやすくなるというのも良くいわれるメリットです。

    加えて、民間の金融機関が独自に取り扱うローンとは異なり、勤続年数や勤務形態にかかわらず申し込みが可能です。転職して間もない人や自営業の方でも利用しやすいといわれています。

    一方、銀行であれば、フラット35よりも低金利で全期間固定金利型の住宅ローンを組める可能性があります。また、変動金利や固定期間選択型も選べます。

    このうち変動金利は、返済の途中で返済額が増える可能性はあるものの、借入当初の金利が低く設定されています。返済が始まったあとも、金利の低い状態が続けば効率的に元金を減らしていけるでしょう。

    購入予定のマンション価格が5,500万円であり、うち頭金が2,000万円であれば、借入額は3,500万円となります。

    2024年3月現在、頭金を1割以上準備すると、フラット35は年1.840%で借り入れができます。一方で、民間金融機関の変動金利は年0.3〜0.4%台が主流です。金融機関によっては、年0.2%台後半での借り入れができる場合もあります。

    仮に返済期間が35年、返済方法は毎月の返済方法を一定にする「元利均等方式」であるとしましょう。年1.840%の全期間固定金利で借り入れると、毎月の返済額は約12.9万円となりますが、0.4%の変動金利では約10.2万円となります。

    完済までに世の中の金利相場がさほど上昇しなかった場合は、返済総額についても全期間固定金利型より低く抑えられるでしょう。低金利を重視しており、世の中の金利相場が急激に上昇しないと思うのであれば、民間金融機関の変動型を選ぶのも1つの方法です。

    フラット35は、返済額が割高になりやすいですが、「金利引下げメニュー」を利用できると、借り入れから一定期間の金利が引き下げられます。引き下げメニューを利用できるのは「所定の基準を満たす質の高い住宅を取得する」「若年夫婦世帯または子育て世帯が住宅する」などの条件に該当する場合です。

    完済まで金利が変わらない安心も得たいのであれば、フラット35の金利引下げメニューに該当するものがないか確認してみてはいかがでしょうか。また、変動金利で借り入れた場合との返済額にあまり差を感じられない場合も、フラット35を選ぶ方法があります。

    なお、フラット35と民間金融機関の住宅ローンには、他にも団体信用生命保険の種類や手数料などに違いがあります。住宅ローンを選ぶ際は、金融機関や不動産会社の担当者、ファイナンシャルプランナーの資格を持った人などに相談することをおすすめします。

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