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REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/01/11

    奥林洋樹

    H.L.C不動産コンサルティング

    • 50代
    • 北海道
    • 男性
    • 専門家

    ご相談を拝見しました。

    家族信託について調べると、専門用語を多用した解説などが散見されるので難しいと感じる方が多いですね。

    まず、委託者、受託者、受益者という用語を正確に理解する必要があります。

    委託者: 自分の財産を託す人(通常は財産の所有者)
    受託者: 財産を管理・処分する人(通常は家族)
    受益者: 財産から利益を受ける人(通常は委託者本人)

    単純に表現すれば、家族信託とは委託者が、自分の財産を信頼できる家族(受託者)に託し、その家族は委託者(受益者)のために財産を管理・処分する制度です。

    制度を利用する目的は、主に以下の3つです。

    1. 認知症など、判断能力が低下した場合における財産凍結の防止:例えば、認知症になった場合、銀行口座が凍結され、生活費の引き出しができなくなることがあります。家族信託を利用すれば、受託者が代わりに引き出し、受益者の生活費を確保できます。

    2. 相続への備え:相続手続きは複雑で、時間がかかることがあります。家族信託を利用すれば、事前に財産の管理方法を決めておくことで、相続手続きをスムーズに進められる可能性が高まります。

    3. 財産管理の委託:財産管理は専門的な知識が必要な場合もあります。弁護士や司法書士を受託者にした場合、専門的なアドバイスを受けながら財産を管理できます。

    したがって、財産が少なく相続で揉める可能性が低い場合や、被相続人に認知症の傾向がみられず、自ら財産管理できる場合はメリットを享受できません。

    それ以外にも、専門家へ委託する場合にはその費用、手続きが煩雑である、家族間のトラブルに発展する可能性があるなどのデメリットもあります。

    いずれにしても家族信託を行うには専門的な知識が必要なため、弁護士、司法書士、税理士などの専門家に相談されることをお勧めします。

    以上、簡単に家族信託の説明をさせていただきました。お悩み解決の一助となれば幸いです。

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