不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    小川佳宏

    小川FP・行政書士事務所

    • 60代
    • 愛知県
    • 男性
    • 専門家
    投稿日
    2025/05/15

    お悩み拝見しました。購入したマンションのエアコンが1台故障で修理代が発生するので、口頭説明と異なるのでもやもやお悩みなのですね。

    まず、2020年4月の民法改正により、「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に変わりました。契約の内容に適合しない物が引き渡された場合、買主は売主に対して①修補請求、②代金減額請求、③損害賠償請求、④契約解除のいずれかを請求できます。今回のケースは①を主張していくことになります。

    契約不適合責任を主張できる余地はあると思います。なぜなら「現況優先」の条項があっても、「動作確認済みで不具合なし」という口頭説明は契約内容の一部と解釈できます。口頭説明と矛盾する実態は契約不適合といえます。しかし、修理代数万円と手間暇とのバランスを取るのか、あくまで納得するまでとことん追求したいのかでとれる方法がかわってきます。

    取れる方法は、
    1. 仲介業者に再度、相談する。
    口頭説明が明らかに契約書と違うことを当時のメモなどがあれば主張します。
    2. 売主に直接交渉する。
    状況を理解してくれそうな売主なら直接、誠意をもってお話ししてみるのも一考です。
    折半という落とし所もあると思います。
    3. 消費者センターへの相談*
    間にセンターがはいって取り持つような感じだと思いますが、2より時間がかかるかもしれないですね。
    4. 少額訴訟の提起
    60万円以内なので利用可能で費用も安く、手続きも比較的簡単です。ただし、訴訟となると時間と労力がかかるのでタイパがよくないかもしれません。

    筆者も個人的にワンルーンマンションを売却したことがあり、給湯器の不具合で10万円程度、仲介業者から請求されました。買主の要望をそのまま横流ししてきただけです。売却時の契約書で「設備点検表」の記載を求められ記載しました。ただ、賃貸していた遠方の物件のため自分で確認したわけでなく「不明」と申告したかったのです。しかし、問題が「あり」と「ない」という選択肢しかなかったので、「不明」の場合はどうすればよいか仲介業者に確認して、「なし」で記入してくださいと言われそのとおり記入しました。この経緯を仲介業者(担当レベルではなく営業本部)に書面で経緯も含めて主張して、結局、仲介業者側の説明上の落度であり仲介業者が負担した(=私の負担なし)という経験もありました。

    以上ご参考まで。

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/05/15

    ご相談を拝見しました。

    まず、飲用水・電気・ガス・下水などのライフライン施設については、日常生活に不可欠な施設であるとして、媒介業者に重要事項説明の義務が生じます。一方、エアコン、照明、カーテンレールなどの付属設備については、説明が義務ではないとされるケースが一般的です。ただし、「設備表」などを別途作成し、そこに記載がある場合は道義的な責任が生じるでしょう。

    どのような意図で契約書に、付帯設備に関し現況優先と記載したのかは不明ですが、何らかの特約を設けていない限り、前述した理由から媒介業者の説明義務違反を問うのは困難でしょう。

    また、売主から「不具合なし」と口頭で説明を受けられたとのことですが、その証明は可能でしょうか。契約書に現状渡しと記載されているならば、問題がない旨の説明を受けたと立証できない限り修理費を請求するのも困難だと思われます。

    建物構造上の欠陥ではありませんので瑕疵担保責任も問えません。以上のことから、媒介業者や売主に対し、法的な責任を追及するのは難しいと推察されます。


    無論、民事事件として争うことは可能ですが、費用倒れになる可能性が高いでしょう。根気よく交渉を続けるのが得策だと思われます。

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