不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/12/12

    角田浩崇

    イエステーション博多店 (株)コムハウス

    • 30代
    • 福岡県
    • 男性
    • 不動産会社

    はじめまして、イエステーション ㈱コムハウスの角田と申します。

    コンパクトマンション(広さが20~40㎡程度の比較的小さなマンション)は、不動産投資の選択肢として人気が高まっています。その理由や賃貸需要、注意点について以下にまとめます。

    【コンパクトマンション投資のメリット】
    ・安定した賃貸需要
    都市部や駅近でのコンパクトマンションは、単身者やDINKs(共働きの夫婦)などのターゲットに高い人気があります。特に以下の層に需要があります。

    転勤者や出張が多いビジネスパーソン
    近年増加する単身世帯(日本では約40%が単身世帯と言われています)
    初めて一人暮らしをする学生や若い社会人
    ワンルームマンションよりも広く、ファミリータイプよりも手頃な価格帯で提供できる点が魅力。

    ・管理と運営が比較的容易
    小規模物件のため、管理コストが抑えられることが多いです。また、部屋数が少ないため、入居者対応の負担も軽減されます。

    ・収益性が高い
    初期投資額がファミリータイプより低いため、利回りが比較的高くなる可能性があります。都市部では高い賃料を期待できる場合も多いです。

    ・売却しやすい
    賃貸需要だけでなく、物件の売却時にも需要があります。単身者やカップルのマイホーム購入対象としても人気があり、流動性が高いです。

    【ワンルームやファミリータイプとの賃貸需要の比較】
    ・ワンルームマンション
    コンパクトマンションより狭い物件は、特に若年層や学生向けに需要がありますが、ターゲット層が限定的なため、家賃が低めになりやすい。

    ・ファミリータイプ
    ファミリー向け物件は賃料が高くなる反面、ターゲット層が限られ、空室リスクが上がることもあります。また、ファミリーは長期的な居住を望むため、頻繁な賃貸契約更新が難しい場合も。

    ・コンパクトマンション
    これらの中間に位置する物件であり、単身者やカップル、特定の職業層など広いターゲットを狙えるため、安定した賃貸需要が期待できます。

    【コンパクトマンション選びの注意点】
    ・立地の選定が最重要
    駅から徒歩5分~10分以内の場所や、都市中心部の物件が理想。周辺の商業施設や交通アクセスも大きなポイント。近年は働き方改革により、リモートワークが普及しているため、静かな環境や自然の多い地域が好まれるケースもあります。

    ・管理費、修繕費の確認
    コンパクトマンションは管理費や修繕積立金が割高になる場合があります。収益性に影響を与えない範囲でコストを確認しましょう。

    ・物件の築年数
    築浅の物件は賃料が高く設定できますが、購入価格も高くなりがち。一方、築古の物件は改修費用が必要になる可能性があるため、投資シミュレーションが重要です。

    【ターゲット層のニーズを把握】
    賃貸市場での需要はターゲット層によって異なるため、地域特性やそのエリアの人口動態を事前に調査してください。

    ・空室リスクの管理
    都市部でもエリアや物件の質によっては空室が発生しやすいことがあります。サブリース契約(一定期間の家賃保証)や入居者募集会社の選定も検討しましょう。

    ・利回りだけでなく長期的な資産価値を重視
    初期投資額や利回りだけでなく、物件の資産価値の推移や市場全体の需要を分析することが重要です。

    【まとめ】
    コンパクトマンションは、多様なターゲット層に対応できるため、賃貸需要が安定しており、不動産投資の初めての一歩として適しています。ただし、立地や管理費用などを慎重に検討し、将来的な資産価値や市場動向を考慮して選ぶことが成功の鍵です。

    以上、参考になれば幸いです。

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/12/12

    佐脇孝明

    株式会社サワキタ不動産

    • 60代
    • 千葉県
    • 男性
    • 不動産会社

    ワンルーム/1Kとファミリーの間を狙って新しいセグメントとして作られたのがコンパクトマンションです。

    ワンルーム/1Kほど狭くなく、ファミリー向けより安くはありますが、性格としてはワンルームに近いかなと思います。

    新しい需要を狙ってますので、その層が居る立地でなければ意味がありません。収入の多い単身かダブルインカムのカップルですね。その層の行動を考えると都市近郊ではなく都市内の名の通ったアドレスが重要そうです。

    一戸あたりの面積が広くなるため、レンタブル比が下がります。ワンルームより収益性が下がり気味になりますので、家賃高めの設定になります。ということは、競合が立たないような立地である必要があります。

    また、入退去間隔が短くなりがちですので、それに伴う費用もかかります。

    融資の利用に当たっては、銀行のセグメンテーションにコンパクトマンションという区分がないところが多いと思いますので、ワンルーム扱いとなり不利になる可能性があります。

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/12/12

    奥林洋樹

    H.L.C不動産コンサルティング

    • 50代
    • 北海道
    • 男性
    • 専門家

    ご相談を拝見しました。

    コンパクトマンションには一定の賃貸需要があります。しかし、それは限定的です。

    初期費用が抑えられる、単身者やシニア層からの引き合いが強いなど、コンパクトマンション投資を勧める記事は散見されますが、私個人としては懐疑的です。

    ご存じかと思いますが、コンパクトマンションはワンルームとファミリータイプの中間、具体的には専有面積が30~50㎡、間取りも1LDKが中心となっているマンションのことです。

    単身やDINKsカップルが投資用ではなく、居住用として購入するのに丁度よい大きさの物件として普及してきました。

    都心部を中心に物件数を増やしてきたコンパクトマンションですが、不動産業者専用の情報ネットワークであるレインズで検索すると、コンパクトマンションタイプのオーナーチェンジ物件売却情報が豊富に検索されます。

    立地が良い場所に建築されるコンパクトマンションですが、その特異性からターゲット層が自ずから限定されます。そのため、ワンルームマンションと比較して家賃を高く設定できるわけではないので、利回りも芳しくありません。また前述した理由から、売却に苦労するといった実情もあります。

    またファミリータイプと比較すれば設備グレードが貧弱である点や、管理体制が劣悪なケースも散見されます。なんとも中途半端な印象が強いのです。

    コンパクトマンションは投資用ではなく、あくまで単身者が自己居住用として普及してきたという背景を念頭におき、出口戦略や利回りを十分に検討する必要があります。

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