不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/12/26

    佐脇孝明

    株式会社サワキタ不動産

    • 60代
    • 千葉県
    • 男性
    • 不動産会社

    リバースモーゲージは、家を担保に契約者に対して融資をするシステムです。契約者の死亡をトリガーにして売却・返済する仕組みです。契約者ではない奥様が一人家もなく残ってしまう可能性は、男女の平均寿命からいっても高いでしょう。

    将来介護になって家を売却したいという場合、売却代金で完済できれば問題はありませんが、完済できない場合借金だけが残ります。

    また、融資額も売却した場合に比べてかなり低くなるうえ、資金使途も制限が加わります。よくリバースモーゲージは罠と言われるゆえんです。
    あまり、お勧めできる商品ではありません。

    似たような仕組みに、リースバックがあります。こちらはご自宅をリスバック会社に買い取ってもらい、毎月賃料を支払って住み続けるという商品です。ただ、こちらも賃料水準が周辺物件と比べて高かったり、買取価格が低かったりとあまりいい商品とは思えません。

    この両者に共通するのは、お金を出す側が1社であることです。つまり競争原理が働かず言い値になってしまっていることです。そのサービスを提供する会社とユーザーでは利益相反の関係になってしまい、相手の言い値ではユーザーが一方的に損をするという構造になります。

    単純に家を売却し資金化すれば、市場原理が働きますので、極端に低い価格にはならない可能性があります(不動産の流動性は低いので、買い手次第ではありますが)。その資金を運用しつつ賃貸に移り住むという暮らし方の方が、破綻になる可能性は小さくなると思います。

    リバースモーゲージのメリットとしては、早く現金が手に入る、ぐらいしか思いつきません。リースバックはリバースモーゲージより入手できる資金が大きくなることと、所有権が移転するので、固定資産税等を支払わずに済むこと、家が壊れた場合等は大家であるリースバック会社に直させることができること、ぐらいでしょうか。

以下の記事もよく読まれています

この質問に回答する