不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/02/20

    奥田 哲央

    不動産工房/株式会社グランクルー

    • 30代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社

    マンション購入直後に管理費と修繕積立金が大幅に値上げされるのは、確かに納得しがたい状況ですね。
    以下の点を確認しながら、対応策を考えていきましょう。

    1.契約不適合責任に該当するか
    契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)は、売買契約の内容と異なる場合に売主が責任を負うものですが、今回のケースでは 「管理費・修繕積立金の額が契約書に記載されていたにもかかわらず、購入直後に大幅値上げされた」 という点が争点になります。
    契約書や重要事項説明書(重説)に 「将来的に管理費や修繕積立金が変動する可能性がある」 という文言が記載されていたかどうかが重要です。
    通常、重要事項説明書には「管理費・修繕積立金は変動する可能性がある」との記載があることが多いため、これが明示されていれば 契約不適合責任を問うのは難しいかもしれません。
    ただし、以下の場合には契約不適合責任を主張できる可能性があります。

    ①売主や管理会社が 値上げの決定を事前に知っていたにもかかわらず、説明しなかった 場合
    ②売買契約締結時点で、すでに管理組合で値上げの決定がなされていた のに、それを告知しなかった場合
    この場合、「重要な事項を隠して販売した」として売主の説明義務違反を問うことができる可能性があります。

    2.交渉の余地はあるか
    まず、管理組合の議事録を確認する ことをおすすめします。管理費や修繕積立金の変更には、管理組合の総会での決議が必要です。
    いつ値上げが決定されたのか?
    どのような理由で1.5倍にまで引き上げられるのか?
    総会の議決要件を満たしていたか?
    これらを確認することで、不当な値上げではないかを検討できます。
    また、管理組合に対し 「購入時にこの値上げについて知らされていなかったため、段階的な引き上げにできないか」 など、交渉の余地があるか探ってみるのも一案です。

    3.具体的な対応策
    ① 売主や管理会社に対し説明を求める
    管理費・修繕積立金の増額が決まったのはいつか?
    売買契約時点でその情報を持っていたのではないか?
    契約不適合責任を追及できる可能性があるため、まずは売主や仲介会社に対し、上記の説明を求めるべきです。

    ② 管理組合に値上げの決定過程を確認
    管理組合の総会議事録を請求 し、適正な手続きを踏んでいるか確認する
    値上げの根拠が不透明であれば、他の区分所有者と協力し、異議を唱える

    ③ 法的措置の検討
    弁護士に相談し、「売主の説明義務違反」を追及できるか確認する
    「契約不適合責任」を理由に、値上げ分の一部を売主に補償させる交渉

    納得できる形で解決できるよう、まずは議事録の確認と仲介会社・売主・管理会社への問い合わせから進めてみると良いでしょう。

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/02/19

    佐脇孝明

    株式会社サワキタ不動産

    • 60代
    • 千葉県
    • 男性
    • 不動産会社

    この物件に限らず、修繕積立金は上がっていくのが一般的です。老朽化に伴い修繕対象が増えるからです。それで、初めから平準化しておきましょう、というのが国交省の方針として示されましたが、実施はごく一部にとどまっています。また、平準化されていても、修繕費用がさらに嵩めば増額される可能性もあります。よって、仮に質問者様の思う通りになったとしても、近い将来の値上げはほぼ避けられません。
    逆に、修繕積立金が不足した場合、当然直らない部分が出てくるわけで、その結果植栽に立ち枯れが目立ったり、ホールの電球が切れたままだったりします。
    それは資産価値の下落としてオーナーに帰ってきます。家は車と同様劣化していくので、メンテが欠かせないという視点が重要です。これは戸建てでも、自動車でも同様です。
    ただし、購入後直後という事で納得いかないというのもわかります。修繕積立金や管理費アップがすぐ認められるケースは多くありません。ご質問者様と同様の感覚を持っている住民は多いと思いますので、決定まで紆余曲折があったのではないかと思います。その事実を告げなかったというのは問題視されると思いますので、まずは重要事項説明書などもらった資料を見返してください。

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/02/19

    森本 慎也

    株式会社TERASS

    • 40代
    • 北海道
    • 男性
    • 不動産会社

    【参考になった方は「ワッショイ」も!】※回答右下ボタン

    最近は管理費・修繕積立金の値上げが相次いでいますね。
    日々、お客様が管理費などを非常に気にされているのを実感しています。
    (国交省ガイドラインの影響があるのですが、Noteでいずれ記事にします!)

    とは言え、
    「わかって購入する」のと「知らずに購入する」のとでは大きな違いがありますよね。

    ただこれは契約のタイミングや決済のタイミングが分からないと何とも言えない時限的な話でございます。日程によっては売主や仲介会社に責任がない場合もありますので、ご参考までに。



    1. 契約不適合責任に該当するか?

    今回のケースは原則として契約不適合責任には該当しない可能性が高いです。

    契約不適合責任とは?
    → 売主が買主に対して、契約内容と異なる瑕疵(かし)や問題があった場合に責任を負うもの。

    今回のポイント
    事前の重要事項説明(重説)に記載されていた管理費・修繕積立金(22,000円)は、当時の確定情報として提示されたものであって、管理費・修繕積立金の改定は、管理組合の決議で変更可能(区分所有法・管理規約に基づく)。

    ◎値上げ決定が売主や管理会社による「故意の隠ぺい」だった場合は、説明義務違反の可能性あり。
    ただし、管理組合の決定後に売主が把握していなかった場合は、説明義務違反とは言えない。

    売主が「値上げを知っていたか」が重要
    知っていたのに説明しなかった場合、「重要事項説明義務違反」や「告知義務違反」に該当する可能性があります。


    2.交渉の余地はあるか?

    管理組合が定めた値上げを止めることは難しいですが、以下の対応が可能です。

    ① 値上げの経緯・決定プロセスを確認する
    いつ管理組合で決議されたのか?
    どのような理由で値上げが決まったのか?
    適切な手続き(総会決議・組合員通知など)があったのか?

    ②売主や管理会社に「説明義務違反」を問う
    「売主が値上げを知っていたか?」を追求する。
    知っていた場合、「重要事項説明義務違反」を理由に交渉の余地あり。
    証拠(決議のタイミング、売主が知っていた証拠など)を集めることが重要。


    3.今後の対応まとめ

    a.管理組合の決議内容・経緯を確認する
    b.売主が事前に知っていた可能性を探る(証拠を集める)
    c.売主・管理会社に「説明義務違反」の可能性を問い、交渉を試みる
    d.法的対応が必要なら弁護士に相談する

    値上げが妥当なものであれば従うしかないですが、「売主が事前に知っていたのに説明しなかった」場合は、交渉の余地があります。まずは情報収集をしっかり行い、対応を検討してください。


    \素敵な1日になりますように!/


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